レッグペルテス病という病名をお聞きになったことはあるでしょうか。犬に起こる後脚の病気であり、特に人気のある小型種に多く見られるものです。
散歩や駆けっこなど、動く事が好きな犬にとっては、かなりの不自由を強いられる病気であり、また痛みが出るケースもあるため、飼い主による早期発見と病院での適切な治療が求められます。
しかし病気を早期発見するためには、まずは知識を持っておく事が必要。症状を知らなければ見逃してしまうこともあります。そこでここからは、レッグペルテス病について、概要や症状、治療方法など詳しくご説明いたします。
レッグペルテス病とは?
レッグペルテス病とは、別名として「大腿骨頭壊死症」とも呼ばれ、犬の後ろ足にある大腿骨への血液の流れが滞り、結果大腿骨頭部分に変形や壊死、骨折などの障害が起こるという病気です。
片脚だけに見られる事が多いですが、両脚に発症する事もあります。レッグペルテス病は、特に小型犬の発症確率が高く、その中でもパピー期の個体に多く見られる病気です。
レッグペルテス病の症状
大腿骨部分の病気であるため、歩行に異常が見られるようになります。具体的には、足を引きずったり庇うようにして歩いたり、力が入らないような様子が見られたりします。他にも、下半身の痛みにより触られるのを嫌がるなどの様子が。普段通りの運動や散歩をすることはできません。
元気がなくなったり、食欲が低下したり、座っている事が多くなったりと、日常生活の中で変化が出てくるので、愛犬の様子をよく観察しておきましょう。少しずつ症状が進行する場合と急に発症する場合があるので、何か異常が見られたらすぐ病院へ。
レッグペルテス病の原因
はっきりとした原因は不明ですが、大腿骨の結束部分にある血管が傷つくことで起こるとされています。また、遺伝的な要素が大きいともされており、発症率の特に高い犬種として下記のような種が挙げられます。
- トイプードル
- ウェストハイランドホワイトテリア
- ポメラニアン
- ヨークシャーテリア
- ミニチュアピンシャー etc.
予防方法
レッグペルテス病については不明な部分がいまだ多く、具体的な予防方法は存在しません。日常的に犬の様子に目を配り、異常がないかチェックすることが必要です。
治療方法
内科的治療
症状が比較的軽い場合は、抗炎症剤や鎮痛剤を投薬するなど内科的な処置を行います。また運動を制限し安静に過ごさせるようにします。しかしこれらは根本的な治療にはならず、進行する可能性もあるため、様子によっては外科治療へと切り替えます。
外科的治療
手術による治療。原因となる骨頭部分を切除します。術後にはリハビリが必要ですが、正常に歩けるようになる確率が高く、根本的に病気を治す事ができます。リハビリは無理をさせないように行い、適切なマッサージなどを織り交ぜるのも良いでしょう。稀に後遺症が残ることもあるので、早期治療が何よりも大切です。
愛犬の様子をよく見ておこう!
犬は走り回るのが大好きな動物。歩行が不自由になってしまうと、ストレスの原因にもなります。何かいつもと違うなと感じたら、些細なことでも詳細をメモしておき、信頼できる獣医師に相談しましょう。どんな病気でも早期発見早期治療が病気の回復に最も有効となるのです。
小型犬を飼われている方は特に注意してあげましょう。日頃から愛犬の様子をよく観察し、体調変化に気をつけて、いつまでも健康に運動させてあげられるよう努めたいですね。