何となく愛犬の歩き方がいつもと違うと感じたり、好きだった散歩に乗り気ではないように見受けられたりすることはありませんか?それは犬の気分によることもありますが、もしかしたら病気や怪我のサインかもしれません。
犬は言葉を話せませんし、ある程度の痛みなら我慢して動いたり歩いたりするので、発見が難しいこともありますが、日常のちょっとした変化が大きな病気の前触れである場合もあるのです。
ここでは犬の歩行や動きに異常な症状が出る足や腰、関節の病気について解説して参ります。該当する症状がある場合は、動物病院を受診した方が良いかもしれません。
愛犬にこんな様子は見られませんか?
ふだん愛犬に下記のような様子は見られませんか?1日の様子をよく観察してみましょう。
- 階段やソファの上り下りなど、段差を嫌がる。
- 散歩を嫌がったり、立ち止まったりする。
- 走り回らなくなった。
- 立ち上がりがスムーズにできない。遅い。
- 元気がない、尻尾が下がったままに。
- 足の動きが鈍い、庇うようにしている。
もしかしたら病気かも!
こういった症状が見られた場合、老化によるものの他に、足や腰、関節の病気が疑われます。
痛みや麻痺、違和感により、日常の行動がスムーズに行えないのです。犬は言葉を話せないので、身体の異常を見つけるためには日頃からよく行動を観察しておくことが大切です。
考えられる病気
関節炎
関節に炎症が起きている状態のこと。痛みが生じたり、関節部分を動かし辛くなったりするため、 日常生活に支障をきたします。病原体を原因とする場合と、肥満や過度の運動、外傷などを原因とする場合があり、主な治療法としては内服薬や手術やリハビリが挙げられます。
股関節形成不全
股関節部分の変形により関節がうまく噛み合わず、日常の動きに異常が現れる病気。大型犬や超大型犬に多く、またパピー期に発症するケースが主です。
痛みや股関節の可動域の狭さにより、自身の動きが制限されるようになったり、歩き方に異常が出たりします。パピー期の過剰な運動や栄養が原因と言われ、根本的な治療法は手術となります。
椎間板ヘルニア
犬がかかりやすいのがヘルニア。激しい痛みを特徴としますが、更に酷くなると後脚の麻痺が起こり、歩行や排泄ができなくなることもあります。
加齢や遺伝が原因とされますが、他にも肥満や無理な姿勢での抱き方、滑りやすい床などもヘルニアの原因となり得ます。内科的治療と外科的治療があり、リハビリや針治療などを行う病院も。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの機能低下により被毛の異常や元気がなく動きたがらない、心拍数の低下などが起こる病気。動作の異常以外にも、むくみや脱毛などの症状が見られます。
他の病気が関係していることもあり、治療法としてはホルモン剤の投薬や、関係する病気に対する治療が挙げられますが、すぐに完治することは難しく、長く付き合っていかなければならない病気です。
脱臼
関節の可動域を越えた負荷により、関節が正常な位置からずれた状態のこと。転倒や落下、急な方向転換などで起こり、特に小型犬は膝蓋骨脱臼が多く注意が必要です。
脱臼した場合は元の位置に関節を戻しますが、これは必ず獣医師に任せましょう。知識や経験のない者が行えば、逆に症状を悪化させたり、他の器官を傷つけたりしてしまうこともあります。
骨折や捻挫、外傷
骨折、捻挫は激しい運動や転倒、落下による衝撃などで起こり、骨の細い小型犬や超小型犬によく見られます。こういった小さな犬は、ソファから飛び降りただけでも骨折し得るので、注意しましょう。
外傷は、飼い主の知らぬ間に起きていることも多く、犬が患部を舐めて悪化させてしまうこともあります。特に足の裏は怪我をしやすく、飼い主は気づきにくい場所なので、チェックを欠かさないようにしましょう。
サインを見逃さないで!
歩行や日常動作の異常は様々な病気や怪我のサインです。上記以外にも、こういった症状が出る場合があるので、小さなことでも異常に気づいたら動物病院を受診しましょう。早期発見が早期回復につながります。
犬にとって、飼い主と散歩をしたり広い野原を駆け回ったりすることは、生きがいのひとつ。いつまでも元気に運動することができるよう、健康管理や環境管理に気をつけてあげたいですね。
ユーザーのコメント
40代 女性 たまご
ワンちゃんは歩くことが生きていく上で特に大切な事だと思います。歩く事を奪ってしまう事は辛いことだと思います。皆様のワンちゃんがいつまでも健康で楽しく幸せに歩けますように!!長文失礼致しました。