近年では、生活環境の向上や動物医療の発達により、ペットの寿命が伸びています。それにより高齢の犬が増え、老化に伴いガンを発症するケースも多くなっています。
愛犬にはなるべく健康で長生きしてほしいのが飼い主心ですが、日常生活においてガンのリスクを減らす予防策を練ることは可能です。ここでは、犬のガン予防の観点から、おすすめの食品とその効果、その他の予防策について書いて参ります。
犬のガン予防に効果的な食品
身体の資本となるのは良質な食生活。ガン予防に効果的な栄養素を持ち、犬に対して安全に与えることができ、日常にも取り入れやすい食品をご紹介します。
野菜類
キャベツ
ガンに対して強い抑制効果を持つ酵素や、抗酸化作用(※)を持つビタミン類が含まれます。
白菜
キャベツと同じく、ガンに対して強い抑制効果を持つ酵素が含まれます。DNAを守る酵素や熱に強い解毒成分、食物繊維も豊富なため、積極的に取り入れたい野菜です。
ブロッコリー
ブロッコリーに含まれるスルフォラファンには、強力な抗ガン作用が。また、体の細胞を活性化し、免疫力を高めます。近年スーパーで目にするブロッコリースプラウトには、より高い栄養価が確認されています。
にんじん
にんじんに含まれるβカロテンには抗酸化作用があり、適切な量を摂取することでガン予防が見込めます。血液を浄化し、免疫力を高める効果も。
ほうれん草
人参と同じく、βカロテンが含まれ栄養価の高い野菜です。ただし、ほうれん草に含まれるシュウ酸は尿路結石の原因となります。シュウ酸は茹でると激減するので、茹でた後に水でよくすすいで、適度な量を与えましょう。(あまりたくさん与えず、トッピング程度がおすすめです。)
さつまいも
さつまいもに豊富に含まれる食物繊維は、発ガン物質を吸着して体外に排出します。また、さつまいもの汁にはガン細胞の増殖を抑える働きがあります。おやつとして与えるのもおすすめですが、量の与えすぎは肥満の元。糖分とカロリーには注意しましょう。
トマト
トマトに含まれるリコピンによって、強い抗酸化作用が見込めます。ガン予防のビタミンやミネラルも豊富。青いトマトには毒性があるので、与えないように。
きのこ類
きのこ類にはガン予防の栄養分が豊富。しいたけは大きな免疫向上効果を持ち、えのきには、ガンの増殖を防ぐ糖タンパクが含まれ、抗酸化作用も見込めます。また、ブナシメジには抗酸化作用や血液浄化作用、抗アレルギー作用も。まいたけにもβグルカンというガン予防の作用があります。きのこ類を犬に与える際は、量や大きさに注意し、野生のきのこは絶対に与えてはいけません。
魚、海藻
魚
魚の脂に含まれるオメガ3脂肪酸(EPA・DHAなど)には、ガンの転移を抑える効果があります。ガンの成長を妨げる効果も持ち、血液浄化も。最近では、犬用のEPA・DHAのサプリも販売されています。
昆布
昆布は免疫力を上げるとともに、晴れやしこり・むくみの改善、血圧低下にも効果を持ちます。
油
アマニ油
オメガ3脂肪酸が豊富で、ガンの抑制効果が。他にも、血液や腸、皮膚など体の細胞を活性化する働きを持ちます。適量としては、小型犬で一日小さじ半分程度与えれば十分。与えすぎには気をつけましょう。
ココナッツオイル(オーガニック)
ガン治療による副作用に効果的とされています。ココナッツオイルは吸収が早くエネルギーになりますが、体内で分解されるとガンのエサになりにくい物質にかわります。要は、犬の体にはパワーを与えて、ガンには栄養を与えないのです。適量を少しずつ与えましょう。
上記の食品を与える以外にも、食品添加物の入ったものを避ける、オーガニックを選ぶなど、食品の内容にも気をつけましょう。また、与える食品の量や与え方には十分注意してし、少量ずつ様子を見ながら与えましょう。まれにアレルギーを持つ犬もいるので、注意が必要です。
※抗酸化作用とは?
動物の体は、野菜や果物のように酸化していきます。この現象は、老化だけでなく生活習慣病やガンの原因となることも。抗酸化作用とは、この体の酸化を抑制する作用のことを指すのです。
犬のガン予防する習慣・対策
去勢・避妊手術をする
子宮ガンや前立腺などの一部のガンは、去勢・避妊手術により、ほぼ100%の確率で予防することができます。乳腺腫瘍も発情が来るまでに避妊手術を受ければ発生率はほぼ0%です。 去勢・避妊手術については賛否両論あるかと思いますが、妊娠させないという面だけでなく、病気の予防というメリットもあることを忘れずに。
適度な運動
適度な運動はガン予防に繋がります。散歩時間の長い犬ほどガンの発症率が低いという研究結果も出ており、運動不足は他の病の元にもなります。
ただし、炎天下や極寒の中の散歩や、あまりに長時間の散歩はNG。体を壊す原因にもなりますし、犬にとって逆にストレスとなることもあります。
ストレスの除去
環境変化や、長時間の留守番、スキンシップ不足はストレスとなり、それによる免疫力の低下からガンの発症に繋がることもあります。日頃から十分なコミュニケーションを取り、ストレスを溜めさせないようにしましょう。
受動喫煙を防ぐ
人間と同じく、受動喫煙により犬がガンを発症するケースもあります。煙草の煙のかからない場所で生活させましょう。
毎日少しずつ続けること
ガン予防のための食品、生活習慣について述べて参りました。毎日の生活の中で、少しずつでも取り入れることのできるものがあったのではないでしょうか。
これらはあくまで「予防に効果的」というものであって、「完全にガンを防げる、治せる」というものではありません。しかし、適切な方法でこれらを取り入れ続けていくことが、健康な毎日を過ごすためのプラス力となるのかとではないでしょうか。