犬が低気圧のときに見られる症状
低気圧で体調が悪くなると言えば、どんな症状を思い浮かべますか？頭痛や身体のだるさ、関節の痛み、めまいといった症状を思い浮かべるのではないでしょうか。
犬でもこれらの症状は表れているのかもしれませんが、犬は自覚症状を訴えることはできません。飼い主が様子をよく観察して、判断してあげる必要があります。犬が、低気圧で調子を崩した際に見せる様子には、このようなものがあります。
- 落ち着きがなくなる
- 元気がなくなる
- 食欲が落ちる
- よだれが出る
- 嘔吐
また、持病のある犬の場合、低気圧がやってくると体調を崩しやすくなってしまうことがあります。低気圧の影響を受けやすいと言われている疾患は、以下の通りです。
- 関節の疾患
- 脳神経系の疾患
- 心疾患
関節の疾患では、気圧が下がると患部に痛みが出て、動きたがらなくなります。脳神経系の疾患は、てんかん・水頭症・脳腫瘍などのことを言います。これらの持病がある犬では、低気圧の日に発作を起こしやすくなることがあります。心疾患を持つ犬の場合は、低気圧の日に心臓発作や肺水腫を起こすことがあります。
実際にこのような疾患をもつ犬が、低気圧の日に急に体調を崩して、動物病院に駆け込むケースは少なくありません。
低気圧で犬が体調不良になる原因
犬が低気圧の日に体調を崩してしまう原因は何でしょうか。人でも起きている天気や気圧の変化による体調不良は、「気象病」と呼ばれます。
気象病は、急激な気圧の変化に大きく影響を受けます。特に、急な雨や台風のように、1日の内に大きく気圧が変化するような場合には注意が必要です。
気圧に大きな変化が起こると、影響を受けるのが「自律神経」です。自律神経は、身体の機能のバランスをとる働きをしています。この、自律神経がバランスを崩すことによって、気象病の様々な症状が引き起こされます。
関節の痛みを例にとって見てみましょう。低気圧により自律神経のバランスが崩されると、筋肉や血管が収縮し、血流が悪くなります。すると、筋肉に供給される酸素が減少し、筋肉はますます収縮してしまい、更に血行が悪くなります。こういった身体の変化が、関節の痛みとして現れています。
その他の場合でも、自律神経の乱れや、血管が収縮して血流が滞ることで症状が起こります。
愛犬が低気圧が原因で体調不良になったときには
犬たちは、気圧の変化を敏感に感じ取って、体調を崩すことがあります。ですが、原因である気圧を変化させないということは不可能です。では、低気圧の日に愛犬が体調を崩している場合、飼い主にできることは何でしょうか。
まずは、愛犬にゆっくり休養をとってもらいましょう。寝ていたり、じっとしたりしているときは無理に起こさずに、そっとしてあげましょう。
水分をとり、食べられるものを食べて、ゆっくり休むことで体調も安定してきます。室温や湿度といった環境を整えてあげましょう。環境を整えることで、愛犬の自律神経を整えたり、暖かい環境が血流を良くして症状を和らげたりしてくれます。体調を崩しているときに、静かにゆっくりしたい気持ちは、犬も人も変わりません。
愛犬が低気圧に影響を受けやすい疾患を持っている場合には、その疾患についても注意が必要です。てんかん等の発作が起きる可能性があれば、発作を止める座薬を処方してもらえるでしょう。肺水腫の恐れがあるならば、すぐに動物病院で処置を受ける必要があるため、準備しておきましょう。
まとめ
低気圧の影響を受けるかどうかは個体差があり、全ての犬が低気圧で体調を崩してしまう訳ではありません。ですが、もし愛犬が台風などの日に調子を崩しているようなら、低気圧が原因かもしれません。
低気圧がやってきたときの影響を少しでも減らすために、犬がゆっくりリラックスして過ごせる環境づくりと、愛犬の健康な身体作りを心掛けましょう。
