体調管理の目安 まずは「食事」と「体重」に注意しましょう!
寒暖の差によるストレスは犬猫も人間と同じように受けますので、季節の変化するこの時期には特に注意が必要です。体調管理の目安として「食事(ペットフード)」と「体重」は特に重要です。
寒い季節を迎えるにあたり、まずは、現在与えているペットフードが犬猫の体調に合ったものなのか、最低でも月に1回、可能であれば隔週1回はわんちゃんの「体重」を測定して、夏場と比べて特に異変がないかチェックすることをお勧めします。
なぜならば、「体重」に大きな変化が見られる場合は、「病気の予兆=アラーム」だからです。普段から「体重」を計測して、季節の変わり目でどの程度、増減しているか把握しておくことで異変に早く気付くことができます。現在はご家庭で利用できるペット用の体重計も様々なタイプの商品が販売されています。
「体重」の減少は受診のタイミング 健康診断=早期対応によるメリットとは
『体重の変動幅は種別により異なりますが、これまでと比較して「10%~15%」の減少は「病気の予兆」に間違いありませんので、すぐに動物病院で健康診断を受けましょう。動物病院は春と秋に年2回の定期健診を推奨しており、例年9月~11月にかけては、多くの飼い主の方に受診していただけるよう積極的にキャンペーンを実施する時期ですので、比較的リーズナブルに利用できることもメリットです。
また泌尿器系、腎臓系の病気は検査をしなければ分かりませんので、健康診断により早く気付くことができれば、その分、回復も早くなります。「下痢が発生した」、「尿が詰まった」と実際に症状が出てきた段階では、既に手遅れの状態です。
腎臓病に関しては、現在は精度の高い検査方法が普及して、以前は70%の進行で判明していたものが、50%の進行でも検査で気付けるようになりました。検査項目は症状や費用によって病院(獣医師)と相談して組み合わせを変えることができますので、遅くとも11月までに受診されて、わんちゃんと安心して冬場を乗り越える準備を進めてはいかかでしょうか。
検査で異常が判明したら、すぐに「食事療法食」の選択を
動物病院で健康診断を受診して異常が発見された場合には、獣医師より「食事療法食」へ切り替えるようアドバイスがあるでしょう。
「食事療法食」は疾患に対して必要な栄養要求にあわせて作られた製品です。「食事療法食」を製造できるメーカーには栄養学の知識があり、しっかりとしたエビデンスに基づく十分な品質管理体制が整備されています。
日本では現在5~6社存在しますが、いずれも安全性と信頼度が高いのが特長です。健康な状態の時と異なり、臓器の疾患に対処する場合には手作りの食事では栄養バランスが悪く、対応が難しいため、工夫と改善が必要です。既に食事療法食をご存知の方も多いと思いますが、現在販売されている商品は以前と比べても随分、進化していますよ。
療法食は少しずつ慣らしていく
しかしながら、療法食は決しておいしいフードではありませんので、わんちゃんの食いつきを良くするためには、工夫が必要です。はじめは従来の食事と混ぜながら、少しずつ療法食の割合を大きくして、慣らしていくことが必要でしょう。一週間ほど続ければ、食いつきは良くなります。これは犬も猫も一緒です。
おすすめの療法食フード
わんちゃんの療法食用フードとして最も有名で人気が高いのが「ロイヤルカナン」です。動物病院でも勧められることが多いため、わんちゃんの飼い主さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ロイヤルカナンはフランスに本社を持ち、世界92カ国にドッグフードを輸出する大きなドッグフードメーカーです。世界各国に工場や施設を持っていますが、世界共通の徹底した品質・安全管理体制のもとで製造しており、安心して与えることができるフードです。
また、わんちゃんそれぞれにあった最適なフードを日々研究開発しており、療法食用フードも疾患別に様々な種類が用意されています。例えば、
消化吸収不良による下痢や高脂血症のわんちゃんのために 消化器サポート
減量を必要とする犬、便秘のわんちゃんのために 「満腹感サポート」
慢性腎臓病のわんちゃんのために 「腎臓サポート」
下部尿路疾患で肥満ぎみのわんちゃんのために 「PHコントロール」
など、わんちゃんの健康を幅広くサポートしています。
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水分補給も重要
食事以外に水分補給も大切です。秋から冬にかけて特に気をつけたい病気ですが、犬は「膀胱炎」、猫は「尿路結石」。外で飼育している犬は寒暖の差に敏感に反応するため、寒くなると水を飲む回数が少なくなります。
水分補給を十分にするためには、ドライフードを与える際にお湯でふやかして与えるといいでしょう。