【獣医師監修】犬は大根を食べても大丈夫!正しい与え方と適量、含まれる栄養素の効果まで徹底解説

【獣医師監修】犬は大根を食べても大丈夫!正しい与え方と適量、含まれる栄養素の効果まで徹底解説

犬に大根を与えても大丈夫?この記事では、犬が大根を食べるメリット、消化を助ける栄養素、安全な与え方(生・加熱・葉)、体重別の適量を詳しく解説します。アレルギーや持病のリスク、絶対に与えてはいけない加工品(たくあん等)についての注意点も網羅。与える前に知りたい情報が全てわかります。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

犬は大根を食べても大丈夫!

食器からフードを食べている犬

犬に大根を与えることは、基本的には問題ありません。ただし、与える量や方法には注意が必要です。

大根は低カロリーで水分を多く含む野菜であり、適量であれば犬にとって安全なおやつやフードのトッピングとして活用できます。

一方で、大根には辛味成分(イソチオシアネート)が含まれているため、犬によっては胃腸が刺激されて下痢や嘔吐を引き起こす可能性もあります。特に胃腸が弱い犬や子犬、高齢犬には、加熱して与えるか、初めはごく少量ずつ様子を見ながら与えるようにしましょう。

また、塩分や添加物が含まれた漬物やたくあんなどの加工された大根製品は、健康を害する恐れがあるため絶対に与えないでください。与える際の正しい方法や注意点を守り、安全に大根を犬の食生活に取り入れましょう。

大根に含まれる栄養素

重ねて置かれた3本の大根

大根は約95%が水分で構成されており、犬の水分補給をサポートする野菜です。

また、炭水化物の消化を助けるとされる消化酵素「アミラーゼ(ジアスターゼ)」を含みますが、胃酸によって作用が限定的になるため、その効果は補助的と考えておきましょう。

さらに、大根には抗酸化作用がある「ビタミンC」が含まれています。犬は自分の体内でビタミンCを作り出すことができますが、食事で補うことにより健康維持のサポートになる可能性があります。

そのほか、大根の根の部分には便通を整える食物繊維や、体内の余分なナトリウム排出を助けるカリウムも含まれています。

一方、大根の葉にはβ-カロテンやカルシウム、ビタミンKなどの栄養素が豊富ですが、シュウ酸(オキサル酸)を含むため、与える場合は量を少なくして、下処理を十分に行うことが必要です。

犬が大根を食べるメリット

飼い主の足の上で仰向けになってお腹をなでられている犬

大根を犬の食事やおやつとして適量取り入れることで、いくつかの健康上のメリットが期待できます。消化をサポートする酵素や水分、低カロリーという特徴を活かし、犬の健康維持に役立ててみましょう。

大根の酵素でお腹の調子を整える

大根には消化を助ける酵素「アミラーゼ(ジアスターゼ)」が含まれており、犬の消化吸収を補助する可能性があります。

ただし、酵素の働きは犬の胃酸で限定的になるため、効果は穏やかです。消化不良の際など、消化をサポートする補助食として少量与えるとよいでしょう。

食事から自然に水分補給できる

大根の95%は水分でできています。普段あまり水を飲まない犬や運動後、暑い季節などに水分補給を促すための補助的なおやつとして役立ちます。

もちろん、大根だけで必要な飲水量を満たすことは難しいため、新鮮な水の提供は引き続き必要です。

カロリー控えめで肥満予防に効果的

大根は低カロリーなため、ダイエット中や体重管理が必要な犬のおやつとして適しています。市販の高カロリーなトリーツと比べてカロリーオーバーを防ぎやすく、肥満防止や健康的な食生活をサポートします。

ビタミンCの抗酸化作用で健康サポート

大根に含まれるビタミンCには抗酸化作用があり、犬が本来持つ健康維持の働きを補助します。犬自身もビタミンCを生成できますが、ストレスや加齢などにより不足気味の時には、食事で補うことで健康維持を手助けできる可能性があります。

犬に与えてもいい大根の量

食器の前に座って片手を挙げながらおねだりする犬

大根は低カロリーで健康的な食材ですが、与えすぎると消化不良や下痢の原因になることがあります。おやつやトッピングとして与える場合は、「1日に必要な総カロリーの10%以内」に収めるのが理想です。

特に初めて与えるときは、体質に合うか確認するためにごく少量(小さじ1/2程度)から始めましょう。

以下は体重別の1日あたりの目安量です。これはあくまで「生の大根の根の部分」を基準とした目安であり、犬の体調や年齢、運動量によって調整が必要です。葉を与える場合は、根の半量以下にとどめてください。

犬の体重 1日の目安量(生の大根) 与える量の目安
超小型犬(〜4kg) 約5g すりおろし小さじ1弱程度
小型犬(〜10kg) 10〜15g すりおろし小さじ2〜3程度
中型犬(〜20kg) 20〜30g 大さじ1〜1.5程度
大型犬(20kg〜) 30〜50g 大さじ2〜3程度

与える量はあくまで目安です。消化の様子や便の状態を観察しながら、量を調整してください。特に子犬や老犬、胃腸が弱い犬は少量からスタートし、加熱して柔らかくしたものを与えると安心です。

犬への大根の与え方

大根をすりおろしている様子

犬に大根を与える際は、食べやすさと安全性を考えた下処理を行いましょう。基本的には、生でも加熱しても与えることができますが、犬の年齢や胃腸の強さに応じて工夫が必要です。

大根の根を与える場合はよく洗い、繊維が気になる場合は皮をむいてください。生の場合はすりおろすか、小さく刻んで喉に詰まらないよう注意しましょう。

生はシャキシャキとした食感が楽しめる一方で、加熱すると柔らかく甘みが増し、消化しやすくなります。特に子犬や老犬、胃腸が弱い犬には茹でるか蒸してから冷ましたものを与えるほうが安全です。

大根の葉を与える際は、細かく刻んで必ず茹でてアクを抜きます。シュウ酸を含んでいるため、与える量は根の部分の半分以下に抑えてください。

いずれの場合も塩分や調味料などの味付けはせず、自然な状態で与えることが大切です。

犬に大根を与える際の注意点

獣医師と話す飼い主と診察台の上で伏せている犬

大根は基本的に犬にとって安全な食材ですが、与える際にはいくつか注意すべきポイントがあります。健康に悪影響を及ぼさないよう、以下の注意点を守って与えるようにしましょう。

大根の刺激で下痢を起こすことがある

大根には辛味成分であるイソチオシアネートが含まれています。特に先端部分(しっぽの方)にはこの成分が多く、胃腸が弱い犬では刺激によって下痢や嘔吐を起こす可能性があります。

初めて与える場合は、少量から様子を見て与えるようにしてください。

葉の過剰摂取で消化不良のリスク

大根の葉は栄養素が豊富ですが、シュウ酸(オキサル酸)が含まれているため、多く与えると犬が消化不良や嘔吐、下痢を起こす場合があります。

与える場合は、少量にとどめ、必ず茹でて細かく刻んで与えましょう。

持病のある犬は獣医師の確認を忘れずに

大根には甲状腺機能に影響を及ぼす可能性がある物質(ゴイトロゲン)が含まれています。またカリウムも多く含まれているため、甲状腺機能低下症や慢性腎臓病など特定の持病がある犬の場合は、事前に獣医師に与えてよいか確認しましょう。

漬物やおでんなどの加工大根はNG!

漬物やたくあん、おでんに入っている煮込まれた大根など、人間用に加工された製品は犬に与えてはいけません。塩分や添加物が多く、犬の健康に害を及ぼす可能性があります。

与える場合は、新鮮で調味料などが一切使われていない大根だけにしましょう。

まとめ

飼い主の手から食べ物をもらっている犬

犬に大根を与えることは基本的に問題ありませんが、辛味成分による胃腸刺激や葉に含まれるシュウ酸に注意が必要です。消化を補助する酵素や水分が豊富で、低カロリーなため、適量を守れば健康的なおやつとして活用できます。

ただし、生で与える場合は細かく刻むかすりおろし、子犬や老犬には加熱調理を推奨します。漬物や煮物などの加工品は絶対に与えず、持病がある犬は事前に獣医師へ相談しましょう。少量ずつ体調を確認し、安全に取り入れてください。

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