犬へのハーブの与え方
ハーブとは、薬効のある植物の総称です。人間は料理の香りづけに用いたり、ハーブティーにして飲んだりすることがありますが、犬に与える場合にはどのようなことに気をつければ良いのでしょう。
品質や効能に注意する
ハーブは種類によって様々な薬効があります。胃腸の状態や体質によっては、犬に合わないものもあるので注意が必要です。まずは取り入れたいハーブの効能についてしっかりと調べることが大切です。また安心して与えられるよう、安全性が確認されている高品質なハーブを選んでください。
ペット用に市販されているハーブは安全性も高く、与える量の目安が表示されているので安心です。しかし自宅で栽培しているハーブを摘み取って与える場合には、フレッシュハーブ(生ハーブ)の特性をしっかりと理解してから与えるようにしましょう。
食事にプラスするときは少量から
犬にハーブを与えるときは、ごく少量(小さじ半分程度)を細かく刻んでから普段の食事にプラスして与えます。初めて与えるときには一つまみ程度の量で問題がないかを確認しましょう。体質的に食べてもよいハーブでも、与える量を間違えると体調を崩す原因となるので注意が必要です。また犬と人間とでは体の大きさが違うため、一度に使用できる量に差があるということを覚えておきましょう。
お休みの期間を作る
犬に与えるハーブの種類によっては、毎日与えてもよいものと一定期間のお休みが必要なものがあります。お休み期間は、体がハーブに慣れてしまい効果が弱まるのを防止するためにも必要です。5日続けて与えたら少なくとも2日間は休む、3週間与えたら1週間休むというように用法を守り、与えている間は体調の変化を確認しましょう。
無理に与えない
ハーブの種類によっては香りの強いものや独特の香りを持つものがあり、犬が嫌がって食べないことがあります。ハーブは毎日の食事にプラスすることで犬に必要な栄養素を補い、体調を整えるよう働きかけてくれる効果が期待できますが、無理矢理食べさせることはおすすめできません。
ハーブは必ずしも必要なものではないということを理解した上で、日頃から栄養バランスの取れた食生活を心がけることが重要です。
犬へハーブを与える効果
体調を整える
ハーブは薬とは違い、病気や体調不良に対しての効果は緩やかです。しかし正しく用いれば犬によい影響を与え、体の不調を緩和することができると言われています。
野生動物は胃腸を整えたいときやビタミン不足など必要な栄養素が不足していると感じたときに、自生しているハーブを食べることがあります。本能的にハーブの薬効を理解しており、ハーブを食べることで体調を整えていると考えられています。
犬が散歩中などに道端に生えている草を食べるのも、そのあらわれである可能性があります。しかし道端の草には薬剤が撒かれていたり、毒性のある植物が生えていたりするので注意が必要です。野生時代の犬は本能的に毒性のものを避けてられていましたが、現代ではこの能力は退化したと言われています。
免疫力を高める
ハーブにはビタミンやミネラルなど、体に必要な栄養成分が含まれています。犬がまだ若く健康なうちから食事にハーブをプラスし、病気に負けない体作りを目指しましょう。ハーブを長期的に取り入れることで、犬が本来持っている自然治癒力を高めることができるとも言われています。
口臭対策に役立つ
犬に与えてもよいハーブの中でも、料理では臭み消しや香りづけに活躍するタイムは、抗ウイルス作用や強い殺菌効果があります。またミントに含まれる成分メントールも殺菌効果があり、どちらも犬の口臭対策に良いとされています。犬の歯磨きが上手くできない方や歯磨きをしても匂いが気になるという方は取り入れてみるのも良いでしょう。
犬へハーブを与える危険性
ハーブの種類によっては犬が食べると危険なものもあります。特にアレルギーがある犬や体力が低下した老犬には注意が必要です。犬に食べさせてはダメだと言われているハーブを紹介します。
- ユーカリ
- ジャスミン
- よもぎ
- マリーゴールド
- ペニーロイヤル
- コンフリー
犬にとって毒性のあるハーブを知らずに庭で栽培していたり、散歩中にふれることもあるかもしれません。摂取すると中毒症状を引き起こしたり下痢や嘔吐、かゆみなどを引き起こしたりする可能性があるので注意が必要です。与えるハーブが犬にとって安全かどうか分からないときには、獣医さんに相談したほうが良いでしょう。
犬へのハーブのアロマ効果
犬のアロマテラピーは、植物の成分を濃縮した精油(エッセンシャルオイル)を使って行います。ハーブの香りでリラックスできるだけでなく、、抗菌作用や防虫作用など様々な働きが期待できるようです。この他にも、攻撃性を抑え無駄吠えを減らす働きもあるとされています。
使用法を間違えると犬が中毒を起こす可能性があるので、使用前には必ず安全性を確認しましょう。また原液の精油を犬が誤って舐めてしまわないように、必ず届かないところに保管してください。
犬のハーブパックとは
ハーブパックとはアーユルヴェーダの考えをもとに、犬の皮膚を健康に保ち被毛を美しくする効果があるハーブを原材料としたボディ用パックのことです。犬が食べても安全だと言われているハーブを使用しているので、顔にもパックすることができます。
トリミングサロンなどで定期的に利用する方もいますが、自宅用ハーブパックが手頃な料金で市販されていますので、試してみてはいかかでしょうか。
ハーブパックの効果
微細なハーブの粉が、シャンプーだけでは落としにくい犬の臭いや皮脂汚れ、古い角質、フケなどをしっかり取り除きます。ハーブの成分にはバクテリアの生成を抑える効果もあるため、長時間に渡り皮膚を清潔な状態に保ちトラブルから守ることができます。
またハーブの成分が被毛をコーティングし、静電気の発生を抑えることができるようです。それにより、汚れや毛のもつれも防ぐことができるので毛玉をできにくくするといった効果も期待できます。毛を根本から立たせることでハリやボリュームを与え、カット後もすぐに崩れることなくふわふわの状態をキープします。
ハーブパックの危険性
ハーブパックは安全性や、スキンケアとして有用な施術法であるということが確認されています。ただし植物アレルギーの犬には少し刺激が強く、痒みや炎症の原因となるので避けたほうが良いでしょう。
初めてハーブパックを使う場合や使い方に不安がある方などは、ハーブパックを行っているトリミングサロンでパッチテストを受けてから使うことをおすすめします。
犬へのおすすめのハーブ一覧
ネトル
犬におすすめのハーブの一つに「天然のマルチビタミン」と呼ばれるほど栄養素を含んだネトルが挙げられます。ビタミンやカルシウム、たんぱく質、鉄などが豊富に含まれており、栄養バランスも優れています。お腹の弱い犬の消化吸収を助けてくれる効果が期待できるでしょう。
ローズマリー
爽やかな香りのローズマリーは、料理の臭み消しなどにも使われていますが、犬にもおすすめのハーブです。抗酸化作用が強いため、市販のドッグフードの中に天然酸化防止剤として使用されることがあります。犬にとっては身近なハーブの一つです。
ポリフェノールを豊富に含むローズマリーは、別名「若返りのハーブ」とも言われており、ネトル同様に消化器官の働きを助ける効果があります。ただし、大量に使用した場合の薬効は実証されていないので、与える際には少量を加える程度にしておきましょう。
オレガノ
ローズマリーに似た効果を持つオレガノも犬におすすめのハーブです。甘くスパイシーな匂いでイタリア料理に多く使われることが多く、チモール、カルバクロールという成分による抗菌作用が特徴です。ビタミン類やカリウム、鉄分、カルシウムなども豊富で、消化促進作用や鎮静作用などの効果を期待することができます。
カモミール
カモミールは、犬にも人間にも共通してリラックス効果を与えてくれ、利尿作用や口臭予防なども期待できるハーブです。可愛らしい白い花が特徴で、ガーデンフラワーとしても人気があります。エッセンシャルオイルとしてマッサージなどに使用することもでき、皮膚病の予防などに効果があるとされています。
まとめ
犬に与えるハーブは、正しく使うことができれば体調を整える、被毛を美しくするといった様々な効果が期待できます。ハーブについての知識を身につけるとともに、毎日の食事や運動、睡眠などのバランスも見直してみましょう。今の食事が犬に合ったものになっているかなどを確認しながら、必要に応じてハーブを取り入れてみてはいかかでしょうか。
ユーザーのコメント
女性 miya
ハーブの一種としてパセリもありますね。こちらもミントと同じく殺菌効果があるので口臭予防に役立ちます。パセリ茶として与えるのもいいと思います。葉もそのまま食べてしまって大丈夫なので安心です。パセリに含まれるβカロテンには抗酸化作用があります。鉄分も含まれているので貧血予防にもなります。食欲を増進させる効果もあるので、夏バテ気味のわんちゃんにも良いと思います。
パセリの一日の目安量は、5gまでの子には10~20g、10kg前後の子には30~40g程です。わんちゃんの具合に合わせて調整してください。
女性 ポメ
30代 女性 かき
ハーブティーはどうなのでしょう。よく妊婦はNGのハーブティーというのも聞くので、やはりうちの犬には危ないのかな。
香りが脳神経をダイレクトに刺激するということを考えたことがなかったので驚きましたが、うちの犬には心配なのでトライできませんが、きっと効果はいろいろあるんでしょうね。
30代 女性 ハッピー
少し調べてみましたが人間用のハーブの中にはわんちゃんに危険なハーブもあるようなので注意が必要ですね。ヨモギ、ユーカリ、スズランなど日本人でも馴染み深い植物も有りました。紹介されているハーブはどれも安全そうですが、もしわんかちゃんに与える場合は獣医さんや専門家の方に確認を取ってから与えた方が良さそうですね。
女性 yon
ただ神経系の持病のあるわんちゃんには、匂いは脳に直接働きかけるそうなので注意が必要だと思います。