犬はピーナッツを食べてもいいの?
犬がピーナッツを食べても大丈夫な食品ですが、メリットがありません。なので、食べさせないほうがいいでしょう。
よほど犬自身が大好物で、ピーナッツを食べられる場合は必ず少量で、すりつぶすか小さく砕き茹でてあげてください。ただ、ここではあまり食べさせることはおすすめできません。
その理由を1つずつ解説します。
ピーナッツは犬におすすめできない食材
ピーナッツはかつて農業をする人々が栄養補給のために食していました。失われた栄養素を数粒で補給しエネルギーを生みだすのに、ピーナッツは適していたからです。
ですが、それは人間にとっての話。身体が小さく人の構造と異なる犬の体内では、ピーナッツによる栄養成分が過剰になってしまい、太りやすくなってしまうのです。
またおつまみなどに含まれるピーナッツは味付けに塩分がプラスされているので、生のピーナッツ以上に栄養の過剰摂取となってしまいます。
マカダミアナッツに関しては中毒症状を引き起こす事例があるので、あげてはいけません。
ピーナッツバターなどの加工品はNG
ピーナッツの栄養成分の半分は脂質になります。ただでさえ高めの資質に加え、バターなど脂質の高い食材と組み合わせられたピーナッツバターは、脂質が異常に高くなってしまいます。
カロリーの摂り過ぎは高脂血症につながるので、ピーナッツの加工食品はあげない方がいいでしょう。
犬にピーナッツを与えない方がいい理由
先ほども触れましたが、ピーナッツは脂質が高いことから高脂血症や糖尿病になりやすいです。また、ピーナッツに含まれるマグネシウムは尿路結石症を引き起こしやすく、食物アレルギーを引き起こす可能性も0ではありません。
どのような食材でもそのようなリスクはないわけではありません。ですが、ピーナッツに関しては犬にとって良い効果をもたらす要素がとても少ないのです。
その理由は以下の通りになります。
食べ続けると高脂血症につながる
ピーナッツに含まれる脂質が1粒当たり半分以上。犬の身体の大きさに対して過剰に摂取し過ぎた脂質は、高脂血症や糖尿病を引き起こしやすくします。また脂質は消化に時間がかかります。
結果として消化器に負担をかけるため、消化不良を起こしやすくすることもあるのです。
ちなみに、沖縄の食物で有名なジーマーミ―豆腐は原料がピーナッツ。加えて調味料を用いて味付けをしているので、こちらも食べさせるのは控えるのが無難です。
マグネシウム過剰による尿路結石症
ピーナッツは、資質に続きマグネシウムも豊富に含まれています。マグネシウムも犬にとっては、少量でも過剰摂取になってしまうので注意が必要です。
心臓の健康を保ち、骨や歯を作るのに必要な成分ですが、犬の場合はピーナッツから摂取する必要はありません。その他の食材、また犬用の総合栄養食のフードで十分補えるので、無理に食べさせなくても大丈夫です。
マメ、ヨモギ、シラカバアレルギーがあると交差反応を起こす
食物アレルギーの症状を持つ犬がピーナッツを食べると、対象の食物アレルギーではないのにアレルギーを起こすことがあります。これが交差反応です。
ピーナッツはマメ、ヨモギ、シラカバのアレルギーを持つ犬が食べるとこの交差反応を起こしやすいと言われています。
必ずしも起きるというわけではないのですが、アレルギーの交差反応が起きた場合、軽度で済むか重度となるかは誰にもわかりません。食物アレルギーのある犬の場合は、食べさせないほうが安全です。
犬がピーナッツを食べたときに現れる症状
消化不良による嘔吐や下痢
犬がピーナッツを食べた場合、消化に時間がかかる食材のためにお腹が膨れてくることがあります。中にはその膨張感で動かなくなる子も。上手に消化できない場合、そのまま嘔吐するか下痢を起こします。
がっついてピーナッツを丸呑みしてしまい、食道や腸につまる症状を起こす場合があります。この症状が特に多いのが、子犬やトイプードル、チワワ、柴犬などです。
小さい体で細い食道と腸に、ピーナッツの丸呑みはとても危険です。
油分過剰による嘔吐や下痢
気持ち悪そうに落ち着かず、えづく様子がみられたり、元気がなくなったりした場合。この時は、ピーナッツ脂質摂取過剰を疑うことができます。
ひどい場合は嘔吐や下痢をすることも。前足をのばしそこに顔を乗せる「祈りの姿勢」が見られたら、注意して様子を観察するようにしてください。
犬がピーナッツを食べてしまった時の対処法
どんなに気を付けていても、人が暮らしの中でピーナッツを食べる機会がある以上、完全にピーナッツを犬から遠ざけることは難しかったりします。
家族の中のひとりが用心していても、子供がおやつを食べた際に取りこぼしていたとしたら…。食べさせないための配慮は当然必要ですが、万が一犬がピーナッツを食べてしまった場合の対処法をご紹介しますね。
たべた量よりも、その後の様子を観察する
犬が食べたピーナッツの量が多ければ多いほど気にしてしまうと思うのです。ですが食べた量よりも、食べた後の反応や様子を観察するようにしてください。
その後の様子の方が重要です!おおよそ食後から30分~1時間ほどはよく注意して見ていてあげてください。
1度だけの嘔吐や下痢で落ち着くようなら様子を見ていてもいいのですが、2度以上繰り返す、ぐったりするなど様子がいつもと違うようなら病院に連れていきましょう。
驚かせないようにする
犬が食べたピーナッツが消化器官まで運ばれるまで、食道につまることや消化不良を起こすといったリスクがあります。腸で詰まってしまった場合は、腸閉塞を起こす可能性も。
なので、ピーナッツを食べてしまった場合にはそっと見守りましょう。驚かせたり、抱っこしたり犬の身体に過度な振動を与えたり犬の不安を誘うようなことは避けてください。
ピーナッツが消化までたどり着ければ安心ですし、そうできない場合は何かしらの症状が現れるかと思います。
アレルギー症状や下痢、嘔吐を繰り返すようなら病院へ
食物アレルギーの交差反応や、そこから引き起こされた二次症状。止まらない嘔吐や下痢がある場合は、迷わず病院へ連れていき獣医師に見てもらいましょう。
ピーナッツを食べて起きる交差反応(食物アレルギー)の特徴は以下の通りです。
- 皮膚のかゆみ、発疹
- 元気がない(ぐったりしていたり、祈りの姿勢をしている)
- 目の充血
- 嘔吐、下痢
- 皮膚の一部分(目と耳)が赤みをおびる
などになります。
一般的なアレルギー反応と酷似しているのですが、これらの症状には十分注意して見ていてあげて欲しいと思います。
ピーナッツを食べたときの犬の身体においての致死量は個人差あり
交差反応によるアレルギーや下痢、嘔吐、腸閉塞を起こさぬ程度で犬にピーナッツをあげるにはどうしたらいいのでしょうか。
結論としては、『犬にピーナッツはあげない』に限ります。
犬にとってピーナッツは害がないといっても、それは食べる量とその犬の個体差によります。犬の身体においてピーナッツの成分が致死量に達するかは、具体的な数字で表記することはできない上、そのような研究成果も出ていません。
ピーナッツは食材ですが、考え方は薬と同じです。適した量を使えば身体に好反応を起こしますが、量を間違えると一瞬で身体にとって毒となるのです。
また好反応が優位に立っていても、求めていない症状は副反応と言われ、毒の要素となってしまうのです。そうして考えると、犬にとってピーナッツを食べさせるのはあまりにもリスクが高いです。
メリットよりもデメリットの方が多く感じませんか?気づかぬうちに愛犬にとっての致死量のピーナッツをあげていた、なんて飼い主の方は考えるだけで驚くことと思います。
まとめ
ここまでの内容を振り返ると、やはり犬にピーナッツを与えるのは決して大丈夫!と言い切れないことがわかって頂けたかと思います。
ただ、万が一トラブルにおいて食べてしまった場合は以下に注意して行動しましょう。
- ピーナッツの食べた量ではなく、そのあとの反応と様子を観察する
- 過度にかまい過ぎて刺激を与えない
- アレルギー反応、2度以上の嘔吐や下痢が現れた場合はすぐに獣医師のもとへ
いざというときの対処法さえわかっていれば、いざというときに落ち着いて対処できるかと思います。
愛犬は人の子どもと同じです。楽しく過ごすために、あらゆる対処法を頭に入れておくと安心ですよ。