犬にりんごを与えてもいいの?
りんごには、犬にとって有害な成分が含まれていないため犬に与えても大丈夫な果物です。ただし、種や芯の部分は取り除いてから与えて下さい。
犬は味覚を感じる味蕾が、人間の1/5ほどしかありませんが、甘味は感じることができます。甘いりんごを好きな犬も多いのではないでしょうか?犬がりんごを食べることで、期待できる健康効果は、主に次のようなものがあります。
整腸作用や免疫力を高める
りんごには、ペクチンが豊富に含まれています。ペクチンとは、水に溶けることでゼリー状になる食物繊維です。
乳酸菌などの腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす働きがあります。腸内環境を改善することで免疫力を高める効果が期待できます。
高血圧の予防
りんごにはカリウムも含まれていて、細胞の浸透圧を調節して体内の余分な塩分を尿と一緒に排出します。そのため血圧を下げる効果があり、高血圧の予防に役立ちます。
また、神経インパルスの伝達や筋肉収縮の促進にも重要な役割を果たし、心機能にも大きな働きをする栄養素です。
老化防止やガン予防
りんごには、様々なポリフェノールが含まれており、総称して「りんごポリフェノール」と呼ばれています。その中でも1番多く含まれているのが「プロシア二ジン」です。
強い抗酸化作用があり、体内の活性酸素を除去して老化防止やガン予防、口内環境を整える働きがあります。
疲労回復に効果
りんごに含まれているりんご酸には、疲労物質である乳酸を分解してエネルギーに変える働きがあります。そのため疲労の蓄積を抑制し、疲労回復を早める効果があります。
犬が食べてもいいりんごの量
愛犬には、総合栄養食であるドッグフードを与えている飼い主さんがほとんどだと思います。栄養バランスを崩さないためにも、与えるおやつの量は1日に必要な摂取カロリーの10%以内に収めると良いと言われています。
成犬の犬にりんごを与える場合の1日の量
- 超小型犬・・・5g~20g
- 小型犬 ・・・ 20g~50g
- 中型犬・・・ 50g~90g
- 大型犬 ・・・ 90g~150g
上記の数字は、あくまで目安です。愛犬の様子を確認しながら少量づつ与えるようにして下さい。
また、おやつを与える場合には、1日の摂取カロリーを超えてしまわないように、ドッグフードの量を減らして下さい。食べすぎることで太る原因にもなります。
りんごは、子犬にも与えることが出来ますが、小さいうちから甘い果物を与えてしまうと、ドッグフードを食べなくなってしまう可能性もあるため注意が必要です。与える場合には、皮を剥いてからすりおろし、少量を与えるようにしましょう。
犬にりんごを与える方法
犬は食べ物を丸呑みにする習性があります。りんごを与える場合には、薄くスライスしたり、すりおろしたりしてから与えるようにしましょう。
愛犬の食欲が落ちた時にドッグフードにトッピングしてあげるのもおすすめです。水分が多い果物なので水分補給にもなります。
りんごは、生のまま与えることが出来ますが、手作りご飯や手作りおやつにもぴったりな食材です。種類も豊富なので、味の変化を楽しむ事ができます。
ヨーグルトに混ぜたり、ケーキに使ったり、野菜や肉と一緒に寒天寄せにしたりと、アレンジメニューもたくさんあります。
市販の犬用おやつにも、フリーズドライになっているりんごのおやつがあったりします。次にお家でも簡単に作れるレシピをご紹介します。
りんごチップス
りんごチップスはりんご一つで簡単に作ることができるのでおすすめです!
りんごは水でよく洗って4つにカットします。芯と種は取り除いて下さい。オーブンを150℃に余熱しておきます。
スライサーか包丁で薄くスライスしたものを、クッキングシートを敷いた天板に重ならないように並べて、キッチンペーパーで水分をとります。
余熱しておいたオーブンで20分ほど加熱して、そのまま粗熱がとれるまで置いておきます。出来上がりがしなっとしている場合には、500Wのレンジで30秒づつ様子を見ながら、過熱して下さい。
出来上がりは密閉容器で保存して下さい。
りんごのクッキー
材料は以下の通りです
- りんご・・・80g
- 薄力粉・・・100g
- 無糖ヨーグルト・・・適量
りんごはよく洗って芯と種を取り除いてすりおろします。先にオーブンを180℃に余熱しておきます。全ての材料を混ぜたら、ヨーグルトで水分を調節して下さい。
ラップで包んで30分ほど休ませたら、綿棒で伸ばして型抜きするか包丁で切ります。次に先程余熱しておいたオーブンで20分焼きます。
硬めのクッキーになるので、喉につまらせないように気をつけて下さい。
犬にりんごを与える際の注意点
りんごには、健康維持に効果が期待できる栄養素が豊富に含まれています。しかし、愛犬の健康に害を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。
窒息する可能性がある
りんごを犬に与える時には、大きさに注意して与えて下さい。犬は、あまり噛まずに飲み込む事があるため、私達がいつも食べている大きさだと、喉に詰まらせる可能性があります。特に大型犬は、丸ごとりんごを口に入れることができるため危険です。
そうならないように、りんごを与える時には、薄くスライスしたり、細い棒状に切ったりんごを飼い主さんが持って与えるなどの工夫が必要です。
すりおろしてあげると、消化も良くなるのでおすすめです。また、犬だけでお留守番をしている時にも、誤飲しないように手の届かない場所に片付けておくようにしましょう。
もし、りんごをあげた後に苦しそうに咳き込んだり、吐こうとしているのに出てこない、元気がなくなった場合には、すぐに受診して下さい。梨や犬用のガムでも同じような事故が起きることがあるため要注意です。
種や芯は与えない
りんごの種には、「アミグダリン」という成分が含まれていて中毒をおこす可能性があります。また芯は硬いので消化ができず、腸で詰まる可能性があるため必ず取り除いてから与えて下さい。
もし中毒を起こした場合には、りんごを食べてから3時間以内に呼吸困難、痙攣、嘔吐、下痢などの症状が現れるようです。
その他にも、りんごの皮は栄養が豊富に含まれているため、是非与えたい部分ですが、農薬が使われている場合があるので、水でよく洗ってから与えるようにしましょう。皮は、消化がしにくいため小さく刻んでから与えて下さい。
アレルギーに注意
りんごはバラ科の果物です。稀にバラ科の果物にアレルギー反応を起こす場合があるため、初めてりんごを与える場合は注意が必要です。
すでに、いちごや桃、梨などのバラ科の果物にアレルギー症状がでた事がある場合には、りんごでもアレルギー症状がでる可能性があります。りんごは与えないようにしましょう。
また、ハンノキ、ヨモギ、にんじんにアレルギーがある犬にもアレルギー症状がでる可能性があるため、りんごは与えないようにしましょう。
犬の食品アレルギーの症状には、顔や背中、肛門周辺に痒みを伴う炎症が現れることが多いようです。アレルギーにより外耳炎になる可能性もあります。
また、嘔吐や下痢、血便などの症状が現れる場合もあります。このような症状が現れた時には、必ず動物病院を受診するようにして下さい。
与えすぎに注意する
りんごを与える場合には、適量を守って与えるようにしましょう。食べすぎると消化不良をおこしてお腹を壊す可能性があります。
また、りんごには糖分も含まれているため、毎日のように与えてしまうと肥満になったり、栄養のバランスを崩してしまうことになりかねません。りんごを与える時には、量や与える頻度にも注意して与えるようにしましょう。
治療中の犬に与える時には、獣医に確認する
りんごは健康な犬には、病気の予防に効果が期待できますが、薬のように病気を治療する効果はありません。
りんごに含まれているカリウ厶や食物繊維、糖分が病状を悪化させてしまう可能性もあります。腎臓病、慢性腎不全、心臓病、肝臓病、担泥症の治療中の犬には、りんごを与える前に獣医さんに確認してから与えるようにしましょう。
加工品に注意する
市販されている、人間用のりんごジュースやりんごのコンポートには、砂糖がたくさん含まれているため与えないで下さい。
りんごジュースを与える時には、生のりんごを、絞ったものを少量与えるようにしましょう。また、りんご酢には、尿のpHを上昇させる効果があると言われていて、犬の尿路結石症のストルバイト結石には効果があると言われています。
ですが、与えすぎると今度は、シュウ酸カルシウム結石になってしまうため注意が必要です。過去にシュウ酸カルシウム結石になった事がある犬には与えないで下さい
まとめ
りんごは嗜好性が高く、犬にも与えやすい果物です。愛犬の食欲が落ちた時にフードにトッピングしたり、シニア犬の栄養補給にもなります。
ご褒美やおやつにりんごは、おすすめです。与える場合には、愛犬の状態をよく確認して体調に異変が現れた時には、動物病院を受診して下さい。