犬にラムネ(飲料・菓子)をあげても大丈夫?成分や注意点、対処法

犬にラムネ(飲料・菓子)をあげても大丈夫?成分や注意点、対処法

犬は人間の食べ物に興味津々ですよね。特にお菓子などの「甘いもの」を犬は好みます。今回は、ラムネは犬の体に悪くないのか、誤ってラムネを食べてしまったらどうしたらいいのか、をお話しいたします!

犬がラムネ(飲料・菓子)を食べるのは大丈夫?

犬がラムネ(飲料・菓子)を食べるのは大丈夫?

基本的には、犬がラムネ飲料やラムネ菓子を誤って食べてしまっても大丈夫ですが、犬へ「あえて与える」ということはおすすめできません。

ラムネの主な材料は、「ブドウ糖」です。ブドウ糖を「片栗粉・クエン酸」などで固めたものがラムネ菓子、「水・香料・酸味料」で味を付け、飲み物にしたものがラムネ飲料です。

ラムネの成分であれば、犬が中毒を起こすようなものではありません。しかし、これらはいわゆる駄菓子のラムネ菓子だったり、一般的な普通のラムネ飲料の場合のみです。

ラムネにキシリトール成分が入ってる、あるいは普通のラムネでも「習慣的に摂取」または「大量に摂取」をすると、体調不良を起こしてしまいます。

犬がラムネ(飲料・菓子)を避けるべき理由

犬がラムネ(飲料・菓子)を避けるべき理由

ラムネの主成分である「ブドウ糖」は、体に良いイメージを持たれている方もいると思います。確かに「低血糖」の解消にブドウ糖を用いることがあります。

しかし、なぜ犬にラムネを与えることがおすすめできないのか?それは、含まれていると危険なキシリトールの成分や糖分が病気が繋がる可能性があるのです。

キシリトール中毒になる可能性がある

ラムネに入っている成分「キシリトール」ですが、最近のラムネ菓子には入っているものも多く、人間の歯の健康のためには欠かせない成分です。

しかし、犬にとっては「キシリトール」が重篤な中毒症状を引き起こしてしまうのです。中毒量を超えるキシリトールを摂取すると、30分~1時間ほどで「嘔吐・食欲不振・脱力・元気消失」などの症状が見られます。

その後、数時間~2日ほどかけて、肝機能に異常が起き「低血糖・黄疸・運動機能低下・意識障害」など、かなり重症化する恐れがあります。

犬がキシリトール中毒を起こす摂取量として「犬1kgあたり0.1g」摂ると、中毒の恐れがあると言われています。

キシリトールガムを1粒食べてしまっただけでも中毒になった症例もあり、ラムネもキシリトール含有量によっては、1粒食べただけで中毒を起こす危険性があります。

パッケージにキシリトールの記載があるものは、もちろんあげてはいけないですが、万が一誤食してしまうことを防ぐためにも、ラムネは注意して保管してください。

糖分の摂りすぎで肥満や糖尿病につながる

人間のお菓子やジュースなどの加工食品のほとんどは、犬に必要な糖分摂取量を大幅に超えた量の糖分が入っており、特にラムネはブドウ糖が主成分なので糖分が多く含まれています。

糖分が犬の体に吸収されるためには「ビタミンB1・カルシウム」が必要です。ですので、過剰な糖分摂取は、これら重要な栄養素を不足させてしまう恐れがあるのです。

また糖分を摂りすぎると、単純に「肥満」や「糖尿病」にも繋がります。糖尿病は様々な合併症を発症しやすく、肥満は心臓や血管の病気を引き起こす危険性があります。

どちらも治療に長期間かかり、犬にかなりの負担になってしまうため、日頃から余分な糖分を控えましょう。基本的に、犬はドッグフードなどの日頃の食事で必要な糖分は十分足りています。

炭酸ガスがお腹に溜まることで胃拡張・胃捻転を引き起こす

ラムネ飲料は、炭酸が入っているものが一般的ですよね。その「炭酸ガス」でお腹がいっぱいになってしまった経験はありませんか?

犬も同じで、炭酸ガスでお腹がいっぱいになってしまい、必要な栄養を摂るためのごはんが食べられなくなってしまう恐れがあります。

また、上手にゲップができず、その「炭酸ガス」がうまく排出できないと胃にガスが溜まってしまい、胃拡張・胃捻転など、危険な症状を起こす可能性があります。

胃拡張や胃捻転が起きると、かなり苦しい上に、症状が重い場合は手術が必要になります。ラムネ飲料や炭酸が入っている他の飲料も、控えた方が良いでしょう。

低血糖の応急処置としてラムネを食べさせてもいいの?

体の中に十分な糖分が足りていないと起きてしまう「低血糖」という症状があります。

はしゃぎすぎたり、空腹や興奮したり、激しい運動、糖尿病でうまく糖分が管理できないなど、原因は様々あり、低下してしまった血液中の糖分を補うことが必要です。

その際の応急処置に、ラムネ菓子やラムネ飲料を使う、という話があるそうです。

確かに、糖分をすぐに摂取できる手段ではありますが、キシリトールや炭酸ガスの危険性もあるため、おすすめできる対応ではありません。

病院や市販で、「犬用のブドウ糖液」を購入することができるので、低血糖の心配がある方は、家にひとつ置いて準備しておくといいでしょう。

犬がラムネを誤飲してしまった時の対処法

犬がラムネを誤飲してしまった時の対処法

飼い主さんが与えないように気をつけていても、つい落としたものを誤って食べてしまったり、甘いものが好きなワンちゃんは見逃さずにつまみ食いしてしまったりすることがあります。

万が一、ラムネ菓子やラムネ飲料を誤飲してしまったときは慌てないでください。その時は「キシリトール」が含まれている商品かをすぐに確認しましょう。

キシリトールが含まれていない場合

基本的に問題はありません。ですが、糖分の過剰摂取は「下痢・嘔吐」などを引き起こす可能性がありますので、しっかりと様子を見て過ごしましょう。

大量に摂取してしまったり、嘔吐や下痢の症状がある、または普段と様子が異なる場合は、病院を受診することをおすすめします。

万が一、吐かせる処置が必要な場合は、誤飲してから時間が経っていないほうが良いので、早めに病院に相談してください。

また小型犬など小さい犬は、大きいラムネ菓子が喉に詰まってしまう恐れがあります。器官に詰まると大変危険です。ラムネ菓子は、普段から犬の手に届かない場所に保管するようにしてください。

キシリトールが含まれている場合

早急に病院を受診しましょう。こちらも吐かせる処置をする可能性があり、キシリトールが体に吸収されるのを抑えるためにも、早めに病院へ行くことをおすすめします。

キシリトールの含有量などがわかると、獣医さんも対応しやすいので、食べてしまった商品を持っていく、あるいは商品名を伝えるようにしましょう。

誤食の場合「食べた時間・食べた量」が治療に重要です。飼い主さんも不安でパニックになりやすいとは思いますが、わかる範囲でなるべく正確に伝えてください。

まとめ

甘いものが好きな犬にとって、ラムネ菓子やラムネ飲料は、魅力的なものかもしれません。ですので、欲しがったり、誤って食べてしまったり、という危険性もあります。犬の体のためにも、飼い主さんがきっちり管理をしましょう。

万が一、ラムネを誤食してしまったときは、焦らずに対処しましょう。一般的なラムネであれば、害はありませんので安心してください。

犬にとって食べることは楽しみのひとつです。ラムネを食べてしまい、せっかくの楽しい思いを、辛い思いにさせてしまうのは嫌ですよね。

犬の喜びや幸せは、飼い主さんの幸せにも繋がります。愛犬の健康を守りながら、楽しく幸せに暮らしていきましょう。

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