犬にパセリを食べさせても大丈夫?メリットや適量、注意点を解説

犬にパセリを食べさせても大丈夫?メリットや適量、注意点を解説

パセリは犬が食べても大丈夫な食材です。それどころか、実は栄養価が高い野菜で意外な効果も期待できるかもしれません。しかし、健康に良いからと言って与え過ぎるのはNGです。パセリに期待できる効果や含まれる栄養素、正しい与え方や注意点を詳しく解説します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬にパセリを与えても大丈夫!

木皿の上にパセリ

パセリは犬が食べても中毒を起こすことはありませんので安心してください。それどころか、パセリには犬にとっても嬉しい健康効果が期待できる栄養素がたっぷりと含まれています。

「こんなに苦いの食べるの?」と思いますが、意外にもパセリを好む犬は多く、おやつ代わりに食べさせている飼い主も多いそうです。では、具体的にどのような健康効果が期待できるのでしょうか?

犬にパセリを与えるメリットや栄養素

パセリを食べる犬

健康効果

パセリは紀元前から薬用や香辛料として愛用されていたそうです。現在はハーブの一つとして扱われています。ハーブには体にいいものがたくさんあります。薬用として、昔から愛用されていたというのも納得できます。では、パセリにはどのような効能が期待できるのでしょうか?

  • 食欲不振に効く
  • 消化吸収をよくする
  • 解毒作用
  • 発汗作用
  • 免疫力を高める
  • 疲労回復
  • 利尿作用
  • 消臭作用(口臭予防)

【 胃腸の悪い犬におすすめ 】
パセリにはビタミンCが非常に多く含まれ、体内の活性酸素をおさえてくれます。その結果、老化やがん予防に効果があることが期待されています。また、少量でたくさんの栄養素を摂取できるので、体が小さくたくさんは食べられない犬にとってはありがたい野菜なのかもしれません。

パセリに含まれるクロロフィルには胃腸での解毒作用もあると言われています。また、カリウムが非常に多く含まれ、利尿効果が期待できます。腎機能に問題がない犬の膀胱炎の治療で、水をたくさん飲んでおしっこをどんどん出して欲しい時などに役立つかもしれません。

主な栄養素

  • βカロチン(βカロテン)
  • ビタミンC
  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • 鉄分
  • カルシウム
  • 食物繊維
  • アピオール(香りの元となっている精油成分)
  • 葉酸

パセリのビタミンCは、野菜や果物の中でもトップレベルです。また、βカロチン(βカロテン)も「βカロチンの王様ニンジン」と同じくらいの量が含まれています。

βカロチンは、過酸化脂質が作られるのを抑えて動脈硬化を予防してくれますし、ビタミンB1は糖質がエネルギーになるのを助けたり、ビタミンB2は細胞の再生にもかかわっています。

鉄分はなんとほうれん草の約4倍もあり、野菜の中でトップなんです。そして、アピオールには食欲増進や口臭予防、腸内環境改善などの効果があります。

葉酸は、赤血球の生産を高めるために必要な成分で、タンパク質の分解酵素を活性化させる役割があります。不足すると貧血、口内炎、下痢症状が出る場合があります。

βカロテン含有量(100g当たり)
 ニンジン:8,600µg
 パセリ :7,400µg
鉄分の含有量(100g当たり)
 ほうれん草:2.0mg
 パセリ  :7.5mg

犬にパセリを食べさせるときの適量や与え方

ウェットフードとパセリ

パセリは犬にとって健康に良い食材ですが、実際にどのように与えればいいのか悩みませんか?そこで犬にパセリを与える方法と目安の量をご紹介します。

「生で与える」のがオススメ!

パセリの与え方は、生でも熱を加えてもどちらでもいいですが、生の方が栄養を無駄なく摂れます。ただし、βカロチンは油と一緒に摂取した方が吸収率がアップするので加熱したほうが良いとされています。どちらの場合も、細かく刻んであげるのを忘れないでください。

ご飯にトッピングする

毎日のご飯に刻んだパセリをパラパラと散らしてあげるのが手間もかからずおすすめです。その他にも、細かく刻んだパセリを加え、手作りのおやつを作ってあげるのもおすすめです。そのまま与えるとパサパサで食べにくいため、できるだけ小さくして与えるようにしましょう。

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パセリを冷凍しておくと、手でくしゃっと握るだけでパラパラになって、すぐにフードなどに振りかけられます。包丁とまな板でみじん切りにする手間も省けます。

1日に与えていい分量

個体差があるため、適量を明確に提示するのは難しいのですが、目安としては以下の通りです。

  • 小型犬:1本  (2g)
  • 中型犬:2本  (12g)
  • 大型犬:3〜4本(18~24g)

あくまでも目安なので、与える時は様子を見ながら食べさせるようにしましょう。また、子犬は消化不良を起こしやすいので、与えるのは成犬になるまで待った方が良いかもしれません。

犬にパセリを与える際の注意点

パセリと注意のマーク

パセリを犬の食事に取り入れたいと考えている方は、与える時の注意点と適量を理解しておきましょう。

与えすぎはNG

栄養価が高い野菜のため、できるだけたくさん食べさせたいと考えている方もいるでしょうが、パセリに含まれるアピオールは刺激物でもあり、たくさん摂取すると胃の不調や嘔吐などを引き起こす可能性もあるそうです。

与えすぎには注意し、また毎日与える必要もありません。犬はドッグフードで必要な栄養素を十分に補給できます。パセリはあくまでも補助的な食材と考えてください。

妊娠中や肝臓や腎臓にトラブルがある犬の場合

パセリはヨーロッパでは「流産を望む若い女性が食べる」とも言われいます。それはアピオールに子宮収縮作用があるからだそうです。ただし、実際に子宮収縮を起こすには大量のパセリを食べる必要がありますので、トッピングとして少量を与えるだけでは問題にならないでしょう。

パセリは肝臓にダメージを与えるという情報を見ることもありますが、通常量では問題がないでしょうし、実証されていませんが、肝臓を守る作用があるとの研究結果もあるそうです。

ただし、カリウムを非常に多く含むので、腎臓にトラブルがある場合には避けた方が良いでしょう。

【パセリの光毒性について】

パセリにはソラレンという物質が含まれ、ソラレンを摂取すると紫外線を吸収しやすくなるそうです(光毒性)。犬で確認されたデータはありませんが、2kg程度の超小型犬でしたら小さいパセリ3本程度の摂取でも、紫外線が皮膚に直接あたった場合、光毒性による日焼けを起こすかもしれません。上記の目安量を守っていれば心配ないでしょう。

《参考サイト》

獣医師:木下明紀子

まとめ

人間でも苦手な人が多いパセリですが、これだけたくさんの栄養を含んでいるとわかっていただければ、食べてみようと思った方も多いのではないでしょうか?これを機会に、あなたの愛犬と一緒に「パセリ生活」を始めてみてはいかがですか。

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