犬にザクロを食べさせてはいけない!中毒のリスクや食べた時の対処法

犬にザクロを食べさせてはいけない!中毒のリスクや食べた時の対処法

ザクロは美容や健康によい果物ですが、犬にとっては有害な成分も含まれており食べると中毒症状を引き起こしてしまうリスクがある食べ物です。ザクロの危険性や食べてしまったときの対処法をご紹介します。

犬にとってザクロは危険な食べ物

犬にとってザクロは危険な食べ物

健康や美容に効果的な成分が豊富なザクロは、女性には特にうれしい果物です。ジュースや果実酒にしても美味しいので人気がありますが、犬に食べさせても大丈夫なのでしょうか。

実は、犬にとってザクロは危険な食べ物のひとつです。犬の健康に害のある成分が含まれているので、食べると中毒症状を引き起こすリスクがあります。

いったいザクロに含まれる、どのような成分が犬にとって危険なのでしょうか。

犬にザクロを与えてはいけない理由

犬にザクロを与えてはいけない理由

ザクロに含まれる成分の中で、犬にとって危険なものが3つあります。有毒成分だけでなく、人間にとってはむしろ健康や美容によいとされる栄養素でも犬の体にはリスクになる場合もあるので注意しましょう。

ザクロの皮に有毒成分がある

「ペレチエリン」は主にザクロの皮に含まれる有毒成分です。駆虫剤としても使用されていることで有名で、生で摂取すると人間でも体調に異常が現れる危険な成分です。

生でザクロを皮ごと食べた人に嘔吐や下痢、視界がゆがむ、筋肉に力が入らなくなるなどの中毒症状が出てしまった事例があります。

犬よりも体が大きく、様々な食べ物に耐性のある人間が食べてもこれほどの症状が現れるので、犬がザクロの皮を食べるリスクは非常に大きいといえるでしょう。

特に、体の小さな超小型犬や小型犬は、少量の皮をかじってしまうだけでも危険な状態に陥る可能性があります。

生殖系の器官に悪影響がある

「エストロン」は、ザクロの種に含まれている成分です。ホルモンバランスを整えてくれる作用があるので、本来は健康によく、特に女性にうれしい栄養素といえます。

しかし、犬にとってエストロンは過剰に作用してしまう可能性があり、人間にとっては問題ない量の摂取でも、犬の体には悪影響を及ぼすリスクがあります。

特に、オスの犬は生殖器官に有害だといわれています。犬が摂取しても、安全なエストロンな量も明らかではない現状では、エストロンを含んでいるザクロは食べるべきではないでしょう。

肝機能障害を引き起こすリスクがある

ザクロに含まれるタンニンは、抗酸化作用があり老化防止などに有効な成分です。美容や健康へのいい効果が期待できる一方で、タンニン中毒の危険性があるので注意しなくてはなりません。

適量の摂取は体にいいとされていますが、タンニンを大量に摂取すると胃腸の粘膜が荒れたり下痢や便秘になったりする可能性があります。

また、タンニンが鉄分の吸収を阻んでしまい肝機能障害を引き起こすリスクも気になるところです。

健康な犬は少量ならタンニンをきちんと排泄することができますが、子犬やシニア犬、持病のある犬、アレルギー体質の犬はタンニンをスムーズに排泄できずに体調不良になってしまう場合があります。

タンニンの影響で腹痛や下痢、血便などにならないように特に注意が必要です。

犬にとって危険なザクロの摂取量と中毒症状

犬にとって危険なザクロの摂取量と中毒症状

犬が食べてしまうと危険なザクロの摂取量はどのくらいなのでしょうか。特に注意したいザクロの部位や、食べることでどのような中毒症状が現れるのかを解説します。

危険なザクロの摂取量

犬がどれくらいザクロを食べてしまうと危険なのか、はっきりと摂取量を明言できるといいのですが、残念ながら現段階ではわかっていません。

犬の体格によっても危険な摂取量は変わってきますし、ザクロをたくさん食べても何の問題もない犬もいれば、少しかじっただけで体調が悪くなる犬もいます。

どのくらいなら安全で、どのくらいなら危険なのかが不明なので、愛犬の安全のためには一口も食べさせないというのをおすすめします。

リスクのある食べ物をわざわざ食べさせる必要はありません。美味しくて体によい果物は、ザクロの他にもたくさんあるので、飼い主さんは犬が食べても大丈夫なものを選んで食べさせてあげましょう。

ザクロの特に危険な部位

ザクロの最も気をつけたい部位は「皮」です。ペレチエリンが含まれる有毒部位なので、絶対に犬には食べさせないようにしましょう。

皮を食べると人間でも中毒症状を引き起こすことがあるので、飼い主さんが食べる時も必ず皮はむいてください。

犬にとっては少量の摂取も危険なので、お家にザクロがある時は間違って食べてしまうことのないように、犬の手が届かないところで保管しましょう。

ザクロを食べることで現れる中毒症状

ザクロの成分により現れる中毒症状には以下のようなものがあります。

  • 嘔吐
  • 下痢や便秘
  • 胃腸が荒れる
  • めまい
  • 元気がなくなる、ぐったりする
  • 神経の異常
  • 運動失調
  • 精神の混乱
  • 全身麻痺
  • 失神

様々な危険な症状が出る可能性があり、小型犬や体調の安定していない犬だとさらに症状が重くなるリスクもあるので注意しましょう。

中毒症状は食べた後にすぐ現れることもあれば、時間をおいてから現れることもあります。犬がザクロを食べてしまったら、その時は異常が見られなくても、数日は様子を見て体調に気を配るようにしましょう。

犬がザクロを食べてしまった時の対処法

犬がザクロを食べてしまった時の対処法

ザクロは危険なので犬には食べさせないと決めていても、愛犬が散歩中に木から落ちたザクロを見つけて食べてしまったり、飼い主さんが食べるつもりだったザクロを盗み食いしてしまったりするケースが考えられます。

犬がザクロを食べてしまった時、飼い主さんがとるべき対処法をご紹介します。

のみこむ前に口から取り出す

愛犬がザクロを口に入れてしまってすぐに気づけた場合は、のみこむ前に口から取り出しましょう。

無理やり口をこじ開けて取り出そうとすると、犬は抵抗して慌ててのみこもうとする場合があります。喉に詰まらせるなど余計に危険なことにならないように気をつけてください。

誤飲や誤食に対処しやすいように、普段からくわえているものを号令で飼い主さんに渡すという訓練ができていると、いざというときに、危険なものをのみこまず言うことを聞いてくれる可能性が高まります。

しつけの一環として愛犬の安全のために練習しておくとよいでしょう。

落ち着いて様子を観察する

愛犬が危険なものを食べてしまうとついつい心配で慌ててしまうのは仕方のないことですが、飼い主さんが冷静になることが適切な対処のために大切です。

ザクロを食べてしまっても、まずは落ち着いて愛犬の様子を見ましょう。まだ口の中に残っているなら慎重に取り出し、すでにのみこんでしまっている場合はどのくらいの量を食べてしまったかを確認しましょう。

少量の果実を食べてしまっただけなら慌てなくて大丈夫です。愛犬の体調に変化がないかしばらく様子を見ていてください。

吐いたり下痢をしたりといったわかりやすい症状以外にも、ぐったりしていつもより元気がないという場合も、中毒を起こしている可能性があります。

ザクロを食べてすぐに症状が現れなくても、数時間後に具合が悪くなったり、もう大丈夫だと油断していた数日後に突然中毒症状が出てしまったりすることもあるので、数日間は愛犬の体調をチェックして過ごしてください。

動物病院に相談する

愛犬がザクロを食べたことで少しでも気になる症状が見られたら、すぐに動物病院に相談しましょう。

有毒成分を含む皮を食べてしまった場合や大量のザクロを食べてしまった場合には、早めに病院へ行くことをおすすめします。かかりつけの獣医さんの診察を受け、適切な処置をしてもらってください。

動物病院では、ザクロを食べてしまった時間や量を正確に伝えることが大切です。食べた量や症状の重さによって、このまま様子を見るべきか吐き出させるべきかという今後の処置が変わってくるので、必要な情報はしっかり伝えられるようにしておきましょう。

万が一の時に、かかりつけの病院が休診日という事態も考えられます。いざというときに頼れるように、夜間や休日に診察を受けられる救急動物病院を調べておくことをおすすめします。

ザクロ酢やザクロジュースを与えるリスクはある?

ザクロ酢やザクロジュースを与えるリスク

ザクロは酢やジュースなどの加工品にしても美味しいので、様々な製品が販売されています。美容のために習慣として、ザクロ酢を飲んでいる女性もいるでしょう。

飼い主さんが飲んでいると、甘い匂いにつられて欲しそうにする犬もいるかもしれませんが、犬がザクロを使った加工品を口にすることにはリスクがあります。

ザクロ酢やザクロジュースにはザクロの成分が濃縮されており、過剰摂取は犬に悪影響を及ぼすタンニンが残っている状態です。タンニンを多くとることで愛犬が胃腸の調子を悪くするなどのリスクがあるのは、ザクロそのものを食べてしまったときと同様です。

また、ザクロ酢は酸が強く、人間よりも敏感な胃を持つ犬にとっては健康上よくありません。胃に負担がかかる食べ物や飲み物は、できるだけ避けたほうがよいでしょう。

さらに、ザクロ酢やジュースのような加工品は、人間が美味しく飲めるように、予想以上の糖分が使用されていることが多いです。犬が大量の糖分を摂取すると、虫歯になったり肥満につながったり、糖尿病のリスクが高まったりするので注意が必要です。

加工品に含まれる添加物や香料も、犬の体には悪影響を及ぼす可能性があります。ザクロの成分の危険性と加工品が持つ悪影響を両方兼ね備えているザクロの加工品は、愛犬の健康のために与えないようにしましょう。

まとめ

犬にとってザクロは危険な食べ物のひとつです。ザクロに含まれるペレチエリン、エストロン、タンニンという3つの成分は犬にとってリスクがあります。特に皮に含まれるペレチエリンは様々な中毒症状が現れる有毒成分です。

犬にとって危険となるザクロの摂取量はわかっておらず、犬の体格や体質によっては一口かじっただけでも危険な可能性もあります。少量でも摂取させないようにしましょう。

万が一、愛犬がザクロを食べてしまった場合には、落ち着いて対処しましょう。口の中にまだあるなら、のみこむ前に取り出します。

すでにのみこんでしまった時は、体調の変化がないか観察しつつ、食べてしまった量を確認しましょう。中毒症状が現れた時は、すぐに動物病院に相談してください。

ザクロを使用した加工品も犬の健康にはよくありません。愛犬の健康を守るために、ザクロは食べさせないで他の安全な果物を食べさせてあげましょう。

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