犬がレーズンを食べてはいけない理由
私たち人間にとっては健康的で美味しいレーズンは犬にも食べさせても良いのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが答えは「NO」です。
犬にぶどうを与えてはいけないということをご存知の方は多いと思いますが、ぶどうを干して作られたレーズンも同様に、犬にとっては害がある食べ物なのです。
また、レーズンは乾燥させることにより栄養分が凝縮されている分、普通のぶどうよりも少量で犬の体への影響が大きいとされています。
レーズンは犬の胃の中で膨らむと体内で体積が増犬に中毒症状を起こさせたり、最悪、死に至るケースもあるようです。
犬がレーズンを食べた時に起こる体への影響や症状
近年、犬がレーズンやぶどうを食べてしまって急性腎不全を起こすというケースが多数報告されているようです。
腎不全とは、腎臓が正常に動かなくなり、体に不要なものを排泄することや水分調節ができなくなるなどの異常をきたします。その結果、犬の体内に毒素が溜まり体に様々な病状が現れます。急性腎不全は腎臓の機能が急激に低下する状態です。
なぜ、ぶどうやレーズンが犬にそのような症状を引き起こさせるのかは現時点でも詳しく解明されていないようです。
中毒症状
犬がレーズンを食べてしまった場合、下記のような中毒症状が出ることがあります。
- 嘔吐
- 腹痛(痛みで背中を丸めている)
- 下痢
- 食欲不振
- 大量の水を飲む
- 呼吸がおかしい
- ぐったりして動かない
- おしっこが出ない、量が少ない、または量が多い
- 呼びかけても反応しない
中毒症状が現れるのは、犬がレーズンを食べてしまってから1~4時間後が多いと言われています。このような症状が出た場合、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
これらの症状以外にも、いつもと様子が違うと感じた場合は獣医さんに相談しましょう。
致死量
犬がレーズンを食べた時の明確な致死量は決まっていないようですが、中毒症状など危険度の高くなる目安としてお考えください。ちなみにレーズン1粒は約0.6gです。
犬の個体差はありますが、犬の体重1㎏あたり、レーズンは約10g~30gで中毒症状が起きる場合があるようです。体重5kgの犬の場合、約50~150g(約80粒以上)ので中毒症状を引き起こす可能性が高くなります。
一粒程度のレーズンは大丈夫か?
中毒を起こしやすい食品は一般的に、犬が大量に食べなければ危険性は低いようです。誤ってレーズンを一粒食べてしまった場合などごく僅かの量でしたらさほど心配する必要はないと言えます。
しかし、一概に全ての犬が大丈夫というわけではありません。少量でも中毒を引き起こす場合もあります。誤食した場合は、しばらくは注意して犬の様子を見ましょう。
犬がレーズンを食べた時の対処法
レーズンは犬にとって危険性が高く、もし犬が食べてしまった場合は、早急に動物病院へ連れて行きましょう。
動物病院では一般的に、犬の胃の内容物を吐かせる治療をとる場合が多いようです。さらに症状に応じて、胃洗浄や点滴、薬物の投与を行います。
犬がレーズンを食べたときに急性腎不全などを起こし、症状が重い場合は入院や通院が必要になります。迅速な治療が犬の回復のカギとなる場合がありますので、早い段階での受診をおすすめします。
レーズンが入っている食材に要注意
犬がレーズンそのものを食べないように気を付けていたとしても、クッキーやチョコレートなどの菓子類、パン、グラノーラなどのシリアルにレーズンが含まれていることも多く、これらを犬が食べてしまう可能性は高いです。
食いしん坊な犬や大型犬の場合、パンやクッキーなどの美味しそうな匂いにつられて、ペロリと食べてしまう場合がありますので食べないように注意しましょう。
犬にレーズンを与えないための取り扱い方法・まとめ
レーズンは玉ねぎやチョコレート同様、犬にとって危険性の高い食べ物です。人間にとっては美味しく健康的な食べ物ですが、犬に与えるのは絶対にやめましょう!
また、レーズンの入った加工品などを誤ってわんちゃんが食べてしまわないように、十分に注意しましょう。ペットがが何を食べると危険なのか?を知らないのはとても危険です。
万が一、何かあった場合にわからない、思い当たることがないと伝えてしまうと動物病院で獣医師が診察する際に、原因不明という相談からでは症状の特定に時間がかかってしまい重篤になる可能性もあります。
少しでも事前に対策をすることも大切ですが、何を食べるさせたらいけないのか?この点を今回のふどうだけでなく、多くの食材でチェックをしておくことが大切です。
家でペット以上の気持ちで家族のように大切にしている方も、ふとしたことで動物という目で見てしまうことがあるかもしれません。
食は人間にとっても動物にとっても命の危険に関わる大切な対象の一つです。普段の生活の中で、食べ物の成分や摂取量、万が一のときの対処方法などを確認しておくことが大切です。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 小桃のかあやん
慌てて病院に行き、吐かせる薬を点滴してもらいましたが、あまり吐かなかった事もあり、2日の予定で入院しました。
怖がりで病院ではオシッコもできない子だったので、1日で退院して、家で毒素を吸着する薬などを飲ませて様子を見ておりました。
幸いに、中毒症状も出ず、血液検査の数値も異常はなく、危険な72時間を過ぎ、ようやく安心しました。
今回はレーズンパンなので、レーズンの含有量もさほどではなかったことと、食べてすぐに病院へ行ったことで事なきを得ましたが、食べ物をすぐに取られるような場所に置いた自分の行為を深く反省しました。
危険なものは言うに及ばず、安全なものでも、愛犬の口にはいらないように管理することは飼い主の務めだと実感しました。