柴犬ってどんな犬?
- 犬種名:柴犬(しばいぬ)/柴(SHIBA)
- 原産国:日本
- 大きさ:小型犬
- 体高:オス 38〜41cm程度、メス 35〜38cm程度
- 体重:オス 9〜11kg程度、メス 7〜9kg程度
- 被毛:短毛のダブルコート
- 毛色:赤、黒褐色、胡麻、黒胡麻、赤胡麻
- 性格:忠実、警戒心がある、感覚が鋭い、自立心がある
- 寿命:14〜15歳程度
柴犬は日本原産の犬種で、秋田犬、甲斐犬、紀州犬、四国犬、北海道犬とともに、日本犬として知られています。現存する6つの日本犬のなかでは、唯一小型犬に分類される犬種です。
国の天然記念物にも指定されており、日本を代表する犬種のひとつとして国内外で広く親しまれています。海外では「Shiba」や「Shiba Inu」の名称で知られ、日本国外でも飼育されています。
犬種名は一般に「しばいぬ」と読みますが、日常会話では「しばけん」と呼ばれることもあります。日本犬らしい外見や気質を受け継ぎながら、現在では家庭犬としても広く飼育されている犬種です。
柴犬の性格
柴犬は賢く観察力があり、信頼した家族には愛情深く接する一方、自立心が強く、ほどよい距離感を好む傾向があります。
見知らぬ人や犬に対しては慎重になることもあり、誰にでも積極的に甘えるタイプとは限りません。抱っこや体を触られることを好む犬もいれば、拘束されることを苦手とする犬もいます。
こうした気質には生まれ持った個性に加え、子犬期の社会化や生活環境、これまでの経験なども関係します。そのため、「柴犬は頑固」「怒りやすい」と一括りにすることはできません。
子どもや猫、先住犬と一緒に暮らせる場合もありますが、相手との相性を確認しながら無理なく慣らしていくことが大切です。
特に、嫌がっているときに無理に触ったり追いかけたりせず、安心して過ごせる距離を尊重しましょう。
自立心や警戒心が強く表れる個体では、接し方に難しさを感じることもあります。ただし、柴犬だから飼育が難しいと決まっているわけではなく、一頭ごとの気質を理解して向き合うことが大切です。
柴犬の特徴
柴犬は、引き締まった体つきと小さな三角形の立ち耳、背中の上に掲げられた巻き尾や差し尾が印象的な犬種です。
目はやや三角形で目尻が少しつり上がり、きりっとした表情を見せます。
顔立ちは個体によって異なり、マズルが細めですっきりした「キツネ顔」や、頬に丸みがある「たぬき顔」と表現されることもありますが、いずれも正式な分類ではありません。
柴犬の大きさ
柴犬の成犬時の体高は、オスで38〜41cm程度、メスで35〜38cm程度が標準的な範囲です。
体重には明確な犬種標準がありませんが、成犬ではオスが9〜11kg程度、メスが7〜9kg程度がひとつの目安となります。骨格や筋肉量によって個体差があるため、同じ性別でも体格には幅があります。
柴犬は日本犬のなかでは小型犬に分類されますが、施設やサービスによっては体重を基準に中型犬として扱われる場合もあります。
柴犬の被毛タイプ
柴犬は、硬くまっすぐなオーバーコート(上毛)と、やわらかく密生したアンダーコート(下毛)を持つダブルコートの犬種です。
被毛は比較的短いものの密度が高く、首まわりや尾には豊かな毛量が見られます。季節によってアンダーコートが生え変わるため、換毛期には抜け毛が多くなるのも特徴です。
柴犬の毛色の種類
柴犬の代表的な毛色には、赤、黒褐色、胡麻、黒胡麻、赤胡麻があります。なかでも赤はよく見られる毛色で、明るい赤褐色からやや淡い色合いまで個体差があります。
黒褐色は黒を基調に褐色や白が入る毛色で、目の上に見られる眉のような斑は「四ツ目」と呼ばれます。胡麻は赤毛や黒毛などが混ざり合った毛色で、黒毛の割合が多いものを黒胡麻、赤毛が目立つものを赤胡麻と呼びます。
また、柴犬には顎の下や頬、胸、腹部、脚の内側、尾の裏側などが白っぽくなる「裏白」が見られます。
全身が白い「白柴」と呼ばれる個体もいますが、白は犬種標準に含まれる毛色ではありません。
柴犬の歴史
柴犬のルーツは古く、縄文時代までさかのぼるとする説があります。日本では古くから小型の土着犬が人と暮らし、山野で鳥や小動物を追う猟犬として活躍してきました。
長い間、それぞれの地域で独自に受け継がれてきたため、信州柴、美濃柴、山陰柴など、土地ごとに異なる系統が形成されました。
現在の柴犬は、こうした各地に残っていた日本犬を保存・固定していく過程で形づくられたと考えられています。
明治時代になると海外から多くの洋犬が入ってきたことで、日本在来の犬との交雑が進み、純粋な日本犬は次第に数を減らしていきました。
その状況を受け、昭和初期には日本犬を守ろうとする保存活動が本格化します。各地に残る日本犬の調査や保存が進められ、柴犬についても地域ごとの系統を受け継ぎながら繁殖が続けられました。
こうした保存活動を経て、柴犬は1936年に国の天然記念物に指定されました。その後も保存と繁殖が続けられ、現在まで日本犬のひとつとして受け継がれています。
柴犬の価格相場
柴犬の子犬の価格は、20万円台前半をひとつの目安にするとよいでしょう。大手ブリーダー仲介サイトの直近3か月の成約データでは、平均価格は約21万円となっています。
実際の成約価格は8万円程度から50万円を超える例まであり、血統や月齢、性別、毛色、親犬の実績などによって差が生じます。
子犬を迎える際には生体価格のほか、ケージやクレート、食器、首輪、リードなどの用品代や、ワクチン接種などの費用も必要です。迎えた後は、フード代や予防医療費、日用品代などが継続してかかります。
柴犬のブリーダーを探す方法
柴犬のブリーダーを探すときは、まずブリーダー仲介サイトなどで「柴犬」と住んでいる地域を指定して検索すると探しやすくなります。
掲載されている子犬だけでなく、ブリーダーのプロフィールや飼育方針、これまでの口コミなども確認しましょう。
気になるブリーダーが見つかったら、犬舎を見学して子犬が育っている環境を実際に確認します。
犬舎が清潔に保たれているか、犬たちが落ち着いて過ごしているか、親犬の健康状態について説明を受けられるかなどが確認したいポイントです。
子犬については、これまでの健康状態やワクチン接種状況、親犬の情報、血統証明書の有無などを聞いておきます。柴犬の飼育について質問したときに、良い面だけでなく注意点まで具体的に説明してくれるかも確認しましょう。
複数のブリーダーを比較し、価格や見た目だけで決めず、飼育環境や健康管理、説明の丁寧さなどを含めて納得できる相手から迎えることが大切です。
柴犬の飼い方
柴犬を飼うときは、安心して休める場所を用意し、生活スペースの安全を整えることが大切です。室内を生活の中心とし、クレートやベッドなど愛犬が落ち着いて過ごせる場所を設けましょう。
フローリングなど滑りやすい床にはマットを敷き、誤飲につながる小物や電気コードは届かない場所に片付けます。玄関や窓、庭からの飛び出しを防ぐため、必要に応じてゲートや柵を設置することも大切です。
また、首輪やハーネスは体に合ったサイズを選び、緩みや傷みがないか定期的に確認します。留守番は最初から長時間行うのではなく、短い時間から少しずつ慣らしていきましょう。
柴犬の運動量
健康な成犬の柴犬では、1回30分前後の散歩を1日2回行うことがひとつの目安です。ただし、必要な運動量は年齢や体力、体調によって異なるため、愛犬の様子を見ながら時間や距離を調整しましょう。
散歩では歩くだけでなく、周囲のにおいを嗅いだり、さまざまな場所をゆっくり探索したりする時間を取り入れると、外の刺激を楽しむ機会になります。
暑い時期は早朝や日が落ちてから出かけ、路面が熱くなっている時間帯を避けます。子犬やシニア犬については、成犬と同じ運動量を求めず、成長段階や体力に合わせて無理のない範囲で散歩を行いましょう。
柴犬のしつけ方
柴犬のしつけは、迎えた日から家庭内のルールを分かりやすく伝え、できた行動を褒めながら少しずつ覚えてもらうことが基本です。
子犬の時期には、家族以外の人やほかの犬、車や生活音、さまざまな場所などを無理のない範囲で経験させます。足先や口元、耳などに触れられることにも少しずつ慣らしておくと、日常のお手入れもしやすくなります。
トイレ、おすわり、待て、呼び戻し、落ち着いてリードをつけて歩く練習などは、一度に多くを求めず短時間ずつ繰り返します。
失敗したときに強く叱るのではなく、望ましい行動ができたときに褒めたり、ごほうびを与えたりしながら教えていきましょう。
特に呼び戻しは、散歩中の飛び出しや脱走などを防ぐためにも大切です。屋外ではリードを外さず、安全な環境で繰り返し練習しましょう。
柴犬のケア方法
柴犬は抜け毛が多いため、日頃からブラッシングを行います。普段は週に数回を目安とし、抜け毛が増える換毛期には毎日こまめにブラッシングすると、抜けたアンダーコートを取り除きやすくなります。
ブラシを強く皮膚に押しつけたり、抜け毛を無理に引っ張ったりすると皮膚を傷つけることがあるため、毛の流れに沿ってやさしく行いましょう。
シャンプーは汚れやにおい、皮膚や被毛の状態に合わせて行います。洗った後は被毛の根元までしっかり乾かし、湿った状態が長く続かないようにします。
そのほか、爪切りや耳の状態の確認、歯磨きなども定期的に行います。特に歯磨きは、いきなり歯ブラシを使うのではなく、口元に触れることから少しずつ慣らしていくと取り組みやすくなります。
柴犬の寿命と病気
柴犬の平均寿命は14〜15歳程度がひとつの目安です。犬のなかでも比較的長寿の傾向がありますが、実際の寿命には体質や健康状態、生活環境などによって個体差があります。
年齢を重ねるにつれて体調の変化や病気が見つかることも増えるため、普段から食欲や体重、歩き方、皮膚や目の状態などを観察しておくことが大切です。
定期的に健康診断を受け、気になる変化があれば早めに動物病院へ相談しましょう。
柴犬のかかりやすい病気
柴犬では、皮膚疾患や緑内障などに注意が必要です。また、アレルギーに関連した耳のトラブルや、年齢を重ねてから現れやすい病気もあります。代表的な病気と主な症状を知り、異変の早期発見につなげましょう。
犬アトピー性皮膚炎
犬アトピー性皮膚炎は、環境中のアレルゲンや皮膚のバリア機能などが関係する慢性的な皮膚疾患です。柴犬は発症しやすい犬種のひとつとされています。
顔や耳、足先、脇、腹部などにかゆみや赤みが現れ、繰り返し掻いたり舐めたりすることがあります。症状が続く場合は動物病院を受診し、状態に合わせた治療やスキンケアを行います。
アレルギー性皮膚炎
食物やノミなど特定の原因に対する過敏反応によって、皮膚にかゆみや赤みなどが現れることがあります。
原因によって対処法が異なるため、自己判断でフードを次々に変更するのではなく、症状が続く場合は獣医師に相談しましょう。食物が疑われる場合には、必要に応じて除去食試験などを行います。
緑内障
緑内障は眼圧が上昇し、網膜や視神経に障害を与える病気です。柴犬は緑内障の発症に注意したい犬種とされています。
目の充血や痛み、目を細める、角膜が白っぽく・青っぽく濁るなどの症状が見られます。短期間で視力に影響する場合があるため、異変に気づいたら早めの受診が必要です。
アレルギー性外耳炎
アレルギーに伴って外耳道に炎症が起こり、細菌やマラセチアなどが二次的に増殖することがあります。
耳を頻繁に掻く、頭を振る、耳が赤い、耳垢やにおいが増えるといった変化が主なサインです。耳を気にする様子が続く場合は、自己流で耳掃除を繰り返さず動物病院を受診しましょう。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌が低下することで、代謝が落ちる病気です。元気がなくなる、体重が増える、寒がる、左右対称の脱毛が見られるなどの症状が現れることがあります。
加齢による変化と見分けにくい場合もあるため、これまでと違う様子が続くときは動物病院で検査を受けましょう。
認知機能不全症候群
認知機能不全症候群は、高齢犬で認知機能が低下し、行動や生活リズムに変化が現れる病気です。
夜鳴きや昼夜逆転、同じ場所を歩き続ける、狭い場所から出られなくなる、排泄の失敗などが見られることがあります。ほかの病気でも似た症状が起こるため、老化と決めつけず獣医師に相談しましょう。
まとめ
柴犬は日本原産の犬種で、引き締まった体つきや立ち耳、巻き尾などが印象的です。家族に愛情深く接する一方、自立心や警戒心が見られることもあるため、一頭ごとの気質を理解しながら接することが大切です。
成犬時はオスで体高38〜41cm程度、メスで35〜38cm程度が目安となり、赤や黒褐色、胡麻などの毛色があります。飼育では毎日の散歩やしつけ、換毛期を中心としたブラッシングなど、日々の管理が欠かせません。
平均寿命は14〜15歳程度で、犬アトピー性皮膚炎や緑内障などに注意が必要です。見た目の愛らしさだけでなく、性格や必要な運動量、健康管理まで理解したうえで迎えることが、柴犬との暮らしを長く楽しむためのポイントです。



