【獣医師監修】ジャックラッセルテリアってどんな犬種?特徴と性格や飼い方・価格相場まで解説

【獣医師監修】ジャックラッセルテリアってどんな犬種?特徴と性格や飼い方・価格相場まで解説

ジャック・ラッセル・テリアの性格や特徴、成犬時の大きさ、3種類の被毛、毛色、歴史を詳しく解説。子犬の価格相場やブリーダーの探し方、毎日の運動量、しつけ、被毛のお手入れ方法、寿命や注意したい病気まで、迎える前に知っておきたい情報を分かりやすく紹介します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

ジャック・ラッセル・テリアとは

並んで前を見つめる2頭のジャックラッセルテリア

  • 犬種名:ジャック・ラッセル・テリア(Jack Russell Terrier)
  • 原産国:イギリス(改良国:オーストラリア)
  • 大きさ:小型犬
  • 体高:25~30cm
  • 体重:5~6kg
  • 被毛:スムース、ブロークン、ラフ
  • 毛色:ホワイト優勢で、ブラックやタンのマーキング
  • 性格:活発、機敏、大胆、好奇心旺盛、友好的
  • 寿命:14~15歳前後

ジャック・ラッセル・テリアは、イギリスを原産国とし、オーストラリアで改良された小型のテリア犬種です。キツネなどの小動物を巣穴から追い立てる作業に適した犬として発展してきました。

テリアとは、もともと地中や巣穴に潜む小型の獲物を対象とした猟犬のグループです。ジャック・ラッセル・テリアもその一種で、現在では家庭犬としても広く親しまれています。

同じルーツを持つ犬種に「パーソン・ラッセル・テリア」があります。
両者はよく似ていますが、パーソン・ラッセル・テリアは比較的脚が長く、体高と体長がほぼ同程度なのに対し、ジャック・ラッセル・テリアは体高より体長がやや長いプロポーションをしています。

小柄で家庭に迎えやすいサイズではあるものの、一般的な愛玩犬とは成り立ちが異なる犬種です。

迎える際は、見た目や大きさだけで判断せず、この犬種ならではの性質や必要な飼育環境について理解しておくことが大切です。

ジャック・ラッセル・テリアの性格

原っぱを楽しそうに走るジャックラッセルテリア

ジャック・ラッセル・テリアは、活発で機敏、好奇心が強く、物事に臆しにくい大胆さを持つ犬種です。飼い主や家族に対しては友好的で、遊びやコミュニケーションを楽しむ傾向があります。

一方で、自分で状況を判断して行動しようとする面もあり、興味を持った対象へ強く集中することがあります。

もともとテリアらしい行動力を備えているため、動くものに素早く反応したり、夢中になると周囲への注意が薄れたりすることもあります。

小柄で親しみやすい見た目ですが、落ち着いて過ごすだけの愛玩犬とは性質が異なります。明るさや知性、大胆さといった持ち味を理解したうえで接することで、家族と密接な関係を築きやすい犬種といえるでしょう。

ジャック・ラッセル・テリアの特徴

草むらで横向きに立っているジャックラッセルテリア

ジャック・ラッセル・テリアは、小柄ながら引き締まった体つきをした犬種です。体高よりも体長がやや長く、全体としてバランスの取れたコンパクトな体型をしています。

胸は深すぎず、身体には柔軟性があり、四肢はしっかりとしています。耳は小ぶりで、前方に折れたボタンイヤーまたは垂れ耳が基本です。

尾は動いているときに直立することが多く、自然な長さの個体と断尾された個体の両方が見られます。

ジャック・ラッセル・テリアの大きさ

ジャック・ラッセル・テリアの理想的な体高は25~30cmです。体重は体高5cmにつき約1kgが目安とされているため、体高25cmでは約5kg、30cmでは約6kgがひとつの基準になります。

オスとメスで明確に異なるサイズ基準は設けられていません。

小型犬に分類されるサイズですが、細身というよりも筋肉が適度についた丈夫な体つきをしています。成長には個体差があるため、同じ犬種でも骨格や体重にはある程度の幅があります。

被毛タイプ(スムース、ブロークン、ラフ)

ジャック・ラッセル・テリアの被毛には、スムース、ブロークン、ラフの3タイプがあります。いずれも天候から身体を守れる丈夫な毛質を持ちますが、毛の長さや見た目に違いがあります。

スムースは短い毛が身体に沿って生えるタイプです。ブロークンは短い毛の中に長めで硬い毛が混ざり、顔まわりに眉毛やひげのような毛が見られることがあります。

ラフは3タイプの中でも毛が長く、全身が硬めの被毛で覆われます。子犬の段階では被毛タイプが分かりにくいこともあり、成長に伴って毛の長さや質感がはっきりしてくる場合があります。

ジャック・ラッセル・テリアの毛色の種類

ジャック・ラッセル・テリアの毛色はホワイトが優勢で、そこにブラックやタンのマーキングが入るのが基本です。タンには明るい色合いから濃い色合いまで幅があります。

見た目としては、ホワイトをベースにタンが入るタイプ、ブラックが入るタイプ、ブラックとタンの両方が入るタイプなどがあります。

模様の位置や広がり方には個体差があり、顔や耳、胴体などにさまざまな入り方をします。

毛色や模様だけで健康状態や性格を判断することはできません。
一方で、ジャック・ラッセル・テリアでは白色被毛の多さと先天性難聴との関連も報告されているため、迎える際は見た目だけでなく健康状態についても確認することが大切です。

ジャック・ラッセル・テリアの歴史

倒木の上に立って周囲を見るジャックラッセルテリア

ジャック・ラッセル・テリアの歴史は、19世紀のイングランドでジョン(ジャック)・ラッセル牧師が狩猟に適したテリアの作出に取り組んだことから始まります。

ラッセル牧師は、フォックス・ハウンドとともに走り、キツネなどの獲物が巣穴へ逃げ込んだ際には、その中へ入って追い立てられる犬を求めてフォックス・テリアの血統を改良しました。

こうして生まれたテリアは、その後、体高や体のプロポーションが異なる2つのタイプへと発展していきます。

現在では、脚が長くスクエアに近い体型の犬がパーソン・ラッセル・テリア、より体高が低く体長がやや長い犬がジャック・ラッセル・テリアとして、それぞれ独立した犬種になっています。

犬種名の「ラッセル」は、その基礎を築いたラッセル牧師の名前に由来します。
狩猟の現場で求められる能力を重視して繁殖されてきた背景を持ち、その歴史は現代のジャック・ラッセル・テリアを理解するうえでも重要な要素となっています。

ジャック・ラッセル・テリアの価格相場

藁の上でくつろぐ4頭のジャックラッセルテリアの子犬たち

ジャック・ラッセル・テリアの子犬の販売価格は、目安として20万~40万円前後です。実際には20万円台で取引されるケースも多く、血統や月齢、性別、被毛タイプ、販売地域などによって価格には幅があります。

販売価格には決まった定価があるわけではなく、親犬の血統や健康検査の実施状況、子犬の月齢などによっても変動します。

そのため、価格の安さや高さだけで判断せず、飼育環境や健康状態、販売者から受けられる説明なども含めて比較することが大切です。

また、子犬を迎える際には生体価格以外にも、ケージやキャリー、首輪やハーネス、食器、フードなどの用品代がかかります。

さらに、ワクチン接種や健康診断などの費用も必要になるため、購入時には生体価格だけでなく、迎え入れ後にかかる費用も含めて準備しておきましょう。

ジャック・ラッセル・テリアのブリーダーを探す方法

ジャック・ラッセル・テリアのブリーダーを探す場合は、犬種別のブリーダー紹介サイトや子犬の仲介サイトなどを利用すると探しやすくなります。

地域や犬種を指定して検索し、気になる犬舎が見つかったら、まずは掲載情報や飼育方針を確認してみましょう。

候補を絞ったら、可能であれば実際に犬舎を見学し、子犬や親犬がどのような環境で生活しているかを確認します。

犬舎が清潔に保たれているか、子犬の健康状態について十分な説明があるか、質問に丁寧に答えてくれるかといった点も判断材料になります。

また、親犬についてどのような健康検査を行っているかも確認しておきたいポイントです。

ジャック・ラッセル・テリアでは、原発性水晶体脱臼(PLL)や遺伝性運動失調などについて確認できる検査があります。検査の有無だけで判断するのではなく、その結果や繁殖方針について説明を受けたうえで検討しましょう。

希望する毛色や被毛タイプがあっても、見た目だけで決めるのは避け、子犬の健康状態や生活環境、ブリーダーとの信頼関係まで確認することが大切です。

すぐに契約を決めず、複数の犬舎を比較しながら、自分が納得できる迎え先を探しましょう。

ジャック・ラッセル・テリアの飼い方

飼い主と散歩中のジャックラッセルテリア

ジャック・ラッセル・テリアと暮らすうえでは、毎日の運動だけでなく、頭を使う遊びや家の中で落ち着いて過ごせる環境を整えることが大切です。

身体能力が高く、興味を持ったものを追いかけることもあるため、玄関や庭には脱走を防ぐ対策をしておきましょう。散歩では体に合った首輪やハーネスを使用し、屋外ではリードを外さないようにします。

室内では、誤飲につながる小物や食べものを届かない場所へ片付けます。滑りやすい床にはマットを敷くなど、日常生活で足腰に余計な負担がかからない環境を整えておくと安心です。

ジャック・ラッセル・テリアの運動量

ジャック・ラッセル・テリアは活動量が多い犬種です。健康な成犬では朝夕の散歩を基本とし、1日合計1時間程度をひとつの目安に、年齢や体力、その日の体調に合わせて調整しましょう。

歩くだけではなく、ボール遊びや引っ張り遊び、においを探すノーズワーク、知育玩具などを取り入れると、体と頭の両方を使わせることができます。

安全な環境であれば、アジリティなどのドッグスポーツを楽しむのもよいでしょう。

一方、成長途中の子犬に長時間の激しい運動や繰り返しの高いジャンプをさせるのは避けます。シニア期も同様に、体調や筋力に合わせて散歩の距離や運動内容を調整してください。

ジャック・ラッセル・テリアのしつけ方

しつけでは、子犬の頃から人やほかの犬、生活音、車、動物病院などさまざまな刺激に少しずつ慣らしていくことが大切です。

特に「おいで」「待て」「離して」などの合図や、リードを強く引っ張らずに歩く練習は、日常生活での安全確保に役立ちます。玄関からの飛び出しや拾い食いを防ぐための練習も早めに始めておきましょう。

興味のあるものに集中すると飼い主の声が届きにくくなることがあるため、最初は刺激の少ない場所で練習し、できるようになったら少しずつ環境を変えていきます。

体罰や大きな声で威圧する方法は避け、望ましい行動ができたときに褒めたり、ご褒美を与えたりしながら覚えさせます。家族によってルールが変わらないよう、対応を統一しておくことも大切です。

ジャック・ラッセル・テリアのケア方法

被毛のお手入れ方法は、スムース、ブロークン、ラフで多少異なります。スムースはブラッシングで抜け毛を取り除き、ブロークンやラフは毛のもつれや不要な毛を定期的に整えます。

ブロークンやラフでは、古い毛を抜いて被毛を整える「プラッキング」が行われることもあります。家庭でのお手入れだけでは難しい場合は、犬種の被毛に詳しいトリマーに相談するとよいでしょう。

シャンプーは回数を決めて一律に行うのではなく、汚れ具合や皮膚の状態に合わせて行います。そのほか、歯磨き、爪切り、耳や足裏のチェックなども定期的に行いましょう。

散歩から帰ったあとは、足裏や体表に傷や異物がないか確認します。暑い時期は室温管理を行い、寒い時期も被毛タイプや個体の様子に合わせて快適に過ごせる環境を整えてください。

ジャック・ラッセル・テリアの寿命と病気

獣医師に聴診されているジャックラッセルテリア

ジャック・ラッセル・テリアの平均寿命は14~15歳前後がひとつの目安です。

比較的長生きする犬種ですが、寿命には遺伝的な体質や生活環境、健康状態などによって個体差があります。日頃から食欲や体重、歩き方、目や耳の状態などを確認し、定期的に健康診断を受けることが大切です。

ジャック・ラッセル・テリアのかかりやすい病気

ジャック・ラッセル・テリアでは、関節や目、神経などに関わる病気に注意が必要です。遺伝性疾患もあるため、気になる症状がみられた場合は早めに動物病院を受診しましょう。

膝蓋骨脱臼(パテラ)

膝蓋骨脱臼は、膝のお皿にあたる膝蓋骨が正常な位置から外れる病気です。

膝周囲の骨格や組織の発育異常などが関係し、後ろ脚を浮かせる、スキップするように歩くといった症状がみられます。症状の程度に応じて運動や体重の管理、痛みへの治療などを行い、重症の場合は手術が検討されます。

原発性水晶体脱臼(PLL)

原発性水晶体脱臼は、水晶体を支える組織に遺伝的な異常があり、水晶体が本来の位置からずれてしまう眼疾患です。目の充血や痛み、角膜の濁りなどがみられ、急性の緑内障につながることもあります。異変があれば早急に受診し、水晶体の位置や眼圧などに応じた治療を受ける必要があります。

先天性難聴

先天性難聴は、生まれつき片耳または両耳の聴力が低下している状態です。ジャック・ラッセル・テリアでは白色被毛の多さとの関連が報告されています。

音への反応が乏しい場合などは、BAER検査によって聴力を確認でき、聴覚に障害がある場合も視覚的な合図や安全管理によって生活をサポートできます。

遅発性運動失調(LOA)・脊髄小脳性運動失調(SCA)

LOAやSCAは、歩行や体のバランスに異常があらわれる遺伝性の神経疾患です。

ふらつきや転倒、歩様の異常などがみられ、進行する場合もあります。原因となる遺伝子変異を調べるDNA検査があり、発症した場合は症状に応じた生活環境の調整や安全管理が中心となります。

レッグ・ペルテス病

レッグ・ペルテス病は、大腿骨頭への血流障害に伴って骨組織が壊死する病気で、成長期の小型犬にみられます。

詳しい発症原因は明らかになっておらず、後ろ脚をかばう、痛がる、筋肉が細くなるといった症状が特徴です。状態によって大腿骨頭・頸部を切除する手術などが行われ、術後はリハビリテーションを進めます。

白内障

白内障は水晶体が白く濁り、進行すると視力が低下する病気です。遺伝や加齢のほか、糖尿病や眼内の炎症などさまざまな要因で起こります。

白内障そのものの進行を確実に抑える点眼治療は確立されておらず、視力の回復を目的とする場合は、状態に応じて濁った水晶体を取り除く手術が検討されます。

まとめ

並んで立つ毛色違いの2頭のジャックラッセルテリア

ジャック・ラッセル・テリアは、小柄ながら活発で好奇心が強く、家族とのコミュニケーションを楽しむ犬種です。

スムース・ブロークン・ラフの3種類の被毛があり、ホワイトを基調とした毛色や引き締まった体つきも特徴です。

家庭で暮らす際は、毎日の散歩に加えて遊びやノーズワークなどを取り入れ、十分に体と頭を動かせる環境を整えましょう。

また、子犬の頃から社会化や基本的なしつけを進め、脱走や誤飲を防ぐ対策も必要です。迎える前には価格だけでなく、親犬の健康検査や飼育環境なども確認することが大切です。

膝蓋骨脱臼や原発性水晶体脱臼、遺伝性運動失調など注意したい病気もあるため、日頃の健康チェックと定期的な健康診断を続けながら、年齢や体調に合った生活を心がけましょう。

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