ラブラドールレトリバーとは
- 犬種名:ラブラドール・レトリーバー(Labrador Retriever)
- 原産国:イギリス
- 大きさ:大型犬
- 体高:オス 56〜57cm、メス 54〜56cm
- 体重:オス 29〜36kg前後、メス 25〜32kg前後
- 被毛:短毛のダブルコート
- 毛色:ブラック、イエロー、レバー/チョコレート
- 性格:温厚、友好的、聡明、従順、人と関わることを好む
- 寿命:12〜13歳前後
ラブラドールレトリバーは、イギリスを原産国とする大型のレトリーバー犬種です。英語では「Labrador Retriever」と表記され、日本では「ラブ」という愛称でも親しまれています。
「レトリーバー(Retriever)」とは、獲物を回収する役割を担う犬を意味する名称です。ラブラドールレトリバーも鳥猟を補助するガンドッグの一種として知られています。
現在では家庭犬として世界中で親しまれているほか、人と協力して行動する能力を活かし、盲導犬や介助犬、警察犬、災害救助犬など幅広い分野で活躍しています。
大型犬として広く知られている犬種ですが、「ミニチュア・ラブラドール」などの公認された小型タイプは存在しません。
個体によって体格には差があるものの、迎える際は成犬になると大型犬に成長することを前提に考える必要があります。
ラブラドールレトリバーの歴史
ラブラドールレトリバーのルーツは、カナダのニューファンドランド沿岸にあると考えられています。当時この地域では、漁師たちが魚の回収などを手伝わせるために、水中での作業を得意とする犬を使っていました。
その後、こうした犬たちが19世紀にイギリスへ渡り、鳥猟で仕留めた獲物を回収するレトリーバーとして改良されていきます。
1800年代後半にはフィールド・トライアルでも活躍するようになり、優れた鳥猟犬として広く知られるようになりました。
現代のラブラドールレトリバーの基礎を築いた犬の一頭として、「マルムズベリー・トランプ(Malmesbury Tramp)」が知られています。
その後、1916年にはイギリスで犬種クラブが設立され、1925年にはイエロー・ラブラドール・クラブも設立されました。
犬種名からカナダのラブラドル地方が原産地と思われることもありますが、犬種として発展し、現在につながる形へ確立された国はイギリスです。
ラブラドールレトリバーの性格
ラブラドールレトリバーは、友好的で温厚、人との関わりを好む性格の犬種です。知的好奇心が強く、家族と一緒に過ごしたり、人と協力して行動したりすることを楽しむ傾向があります。
家族に対して愛情深く、子どもやほかの犬とも良好な関係を築きやすいとされています。ただし、猫や先住犬との相性は個体差があり、幼い頃からどのような経験を積んできたかによっても変わります。
子犬から若犬の時期は特に活発で、好奇心の強さから物をくわえたり、いたずらをしたりすることもあります。成長とともに落ち着く傾向はありますが、その時期や程度には個体差があります。
また、見知らぬ人にも比較的友好的に接する個体が多いため、警戒心の強い番犬というより、人と親しく関わる家庭犬としての性質が目立つ犬種です。
ラブラドールレトリバーの特徴
ラブラドールレトリバーは、幅のある頭部と深い胸、筋肉質で力強い体つきを持つ大型犬です。全体的にがっしりとした印象がありますが、動きは活発で、バランスの取れた体型をしています。
尾は根元が太く、先に向かって徐々に細くなる独特の形をしています。カワウソの尾に似ていることから「オッターテイル」と呼ばれ、ラブラドールレトリバーを象徴する特徴のひとつです。
同じ犬種でも体つきには個体差があり、比較的すっきりとした体型の犬もいれば、骨量が豊富で重厚感のある犬も見られます。
ラブラドールレトリバーの大きさ
ラブラドールレトリバーの理想的な体高は、オスが56〜57cm、メスが54〜56cmです。
体重には明確な基準がありませんが、成犬ではオスが29〜36kg前後、メスが25〜32kg前後になることが多く、日本では大型犬に分類されます。
個体によって多少の体格差はありますが、公認された「ミニチュア」や小型タイプは存在しません。比較的小柄な個体であっても、大型犬として成長することを前提に考える必要があります。
ラブラドールレトリバーの被毛タイプ
ラブラドールレトリバーは短毛のダブルコートで、硬めで密生した上毛と、やわらかな下毛の二重構造になっています。
被毛は体に沿うように生え、ウェーブや長い飾り毛は基本的に見られません。触ると比較的しっかりとした質感があり、密度の高い被毛が全身を覆っています。
短毛ではありますが、下毛を持つため抜け毛は少なくありません。特に季節の変わり目には下毛がまとまって抜けることがあります。
ラブラドールレトリバーの毛色の種類
ラブラドールレトリバーの毛色は、ブラック、イエロー、レバー/チョコレートの3種類が基本です。
ブラックは全身が黒く、一般に「黒ラブ」と呼ばれることもあります。レバー/チョコレートは明るい茶色から濃い茶色まで幅があり、「チョコラブ」という愛称でも親しまれています。
イエローは色の幅が広く、明るいクリーム色から赤みの強いフォックス・レッドまでさまざまです。白に近く見える個体もいますが、毛色としてはイエローに含まれます。
また、胸に小さなホワイトの斑が見られる場合もあります。
ラブラドールレトリバーの価格相場
ラブラドールレトリバーの子犬の価格は、20万円〜40万円前後がひとつの目安です。ただし、実際の価格は販売時期や月齢、血統、性別、毛色、親犬の実績などによって幅があります。
子犬を迎える際は、価格の安さや高さだけで判断せず、健康状態や育った環境、親犬の情報、健康検査の実施状況なども確認することが大切です。
また、迎えるまでには生体価格に加えて、ケージやベッド、首輪・ハーネス、食器などの用品代、ワクチン接種や健康診断などの費用もかかります。
大型犬は用品も大きなサイズが必要になるため、初期費用にも余裕を持っておきましょう。
購入以外では、動物愛護団体や保護団体などから迎える方法もあります。成犬のラブラドールレトリバーが里親を募集している場合もあるため、選択肢のひとつとして検討できます。
ラブラドールレトリバーのブリーダーを探す方法
初めてブリーダーを探す場合は、インターネットのブリーダー紹介サイトや犬舎の公式サイトなどを利用すると探しやすいでしょう。
「ラブラドールレトリバー ブリーダー」と地域名を組み合わせて検索し、通える範囲の犬舎をいくつか比較する方法もあります。
気になるブリーダーが見つかったら、すぐに購入を決めるのではなく、まず問い合わせをして犬舎を見学しましょう。
子犬だけでなく、可能であれば親犬の性格や健康状態、飼育場所の衛生状態、子犬がどのような環境で育っているかも確認します。
ラブラドールレトリバーでは、股関節や肘関節の状態、眼の健康状態なども確認しておきたいポイントです。
あわせて、EIC(運動誘発性虚脱)やprcd-PRA(進行性網膜萎縮症の一種)などについて、親犬の遺伝子検査が行われているか聞いておくと安心です。
ワクチン接種歴や健康診断の結果、血統書の有無、引き渡し時期、契約内容、迎えた後に相談できる体制があるかも確認しておきましょう。
質問に対して分かりやすく説明してくれるかどうかも、ブリーダーを選ぶ際の判断材料になります。
一方で、「極小サイズ」など公認されていない特徴だけを強くアピールしていたり、犬舎や親犬の情報を十分に見せてもらえなかったりする場合は、慎重に判断してください。
複数のブリーダーを比較し、納得したうえで迎えることが大切です。
ラブラドールレトリバーの飼い方
ラブラドールレトリバーを飼ううえでは、毎日の運動時間を確保できること、大型犬を安全にコントロールできるようしつけを行うこと、抜け毛や耳などの日常的なお手入れを続けることが重要です。
室内では、滑りにくいマットやカーペットを敷き、誤飲につながる小物や食品は犬の届かない場所に片付けておきましょう。
玄関や階段などには必要に応じてゲートを設置し、大きな体でも落ち着いて休めるスペースを確保します。
また、暑さが厳しい時期は室温を適切に管理し、散歩の時間帯にも注意が必要です。人と一緒に過ごすことを好む犬種なので、日常的に家族と関われる生活環境を整えてあげましょう。
ラブラドールレトリバーの運動量
ラブラドールレトリバーは運動量が多い犬種です。健康な成犬であれば、1日2回、それぞれ1時間程度の散歩をひとつの目安にし、年齢や体調、気温に合わせて調整しましょう。
散歩だけでなく、ボールを持ってくる遊びやノーズワーク、知育玩具などを取り入れると、体だけでなく頭も使って楽しめます。安全な場所での自由運動や水遊びを好む個体もいます。
ただし、成長途中の子犬に長距離を走らせたり、高い場所から何度も飛び降りさせたりするなど、関節に大きな負担がかかる運動は避けましょう。
シニア犬についても、体力や足腰の状態に合わせて散歩時間や運動内容を調整することが大切です。
ラブラドールレトリバーのしつけ方
ラブラドールレトリバーは体が大きく力も強いため、子犬のうちから基本的なしつけを積み重ねることが大切です。
特に、リードを引っ張らずに歩くこと、呼び戻し、人への飛びつきを控えること、拾い食いを防ぐことなどを教えておくと、成犬になってからも安全に生活しやすくなります。
人やほかの犬、車、生活音、動物病院など、さまざまな環境に少しずつ慣れさせる社会化も重要です。無理に近づけたり怖がっている状態で経験させたりせず、落ち着いて過ごせる範囲から慣らしていきましょう。
しつけでは、望ましい行動ができたときに褒めたり、おやつや玩具をごほうびとして使ったりすると教えやすくなります。家族によって指示やルールが変わらないよう、対応を統一することも大切です。
留守番についても、最初から長時間任せるのではなく、短時間から少しずつ練習させます。安心して休めるクレートやサークルを用意し、落ち着いて一頭で過ごせる環境を整えましょう。
ラブラドールレトリバーのケア方法
ラブラドールレトリバーは短毛ですが抜け毛が多いため、普段は週に数回、換毛期には必要に応じて毎日ブラッシングを行います。
ラバーブラシなどを使って抜け毛を取り除きながら、皮膚に赤みやしこりなどがないかも確認しましょう。
全身の被毛を定期的に短くカットする必要は基本的にありません。汚れやにおいが気になる場合はシャンプーを行い、洗った後は被毛や皮膚に湿気が残らないよう十分に乾かします。
垂れ耳で、水遊びを好む個体も多いため、耳の状態もこまめに確認しましょう。
水遊びやシャンプーの後は耳の周囲の水分をやさしく拭き取り、赤みや強いにおい、耳垢の増加などが見られる場合は無理に耳の奥を掃除しないことが大切です。
そのほか、歯磨きや爪切り、足裏の確認も定期的に行います。
体が大きくなってから急に始めると嫌がることもあるため、子犬の頃から体や足先、口元、耳などに触れられることに慣らしておくと、お手入れを続けやすくなります。
ラブラドールレトリバーの寿命と病気
ラブラドールレトリバーの寿命は、12〜13歳前後がひとつの目安です。ただし、寿命には個体差があり、遺伝的な要因や日々の健康管理、生活環境などによっても変わります。
年齢を重ねるにつれて体力や足腰が衰えることもあるため、体調の変化を日頃から観察し、定期的な健康診断を受けることが大切です。
ラブラドールレトリバーのかかりやすい病気
ラブラドールレトリバーでは、股関節や肘関節の疾患、遺伝的な要因が関係する眼疾患や運動誘発性虚脱などに注意が必要です。また、垂れ耳であることから外耳炎にも気をつけましょう。
股関節形成不全
股関節形成不全は、股関節が正常に発育せず、関節のかみ合わせが不安定になる病気です。歩き方が不自然になる、立ち上がるのを嫌がる、運動後に脚を痛がるなどの症状が見られることがあります。
遺伝的な要因に加えて、成長期の過度な体重増加や関節への負担も影響するため、適正体重を保ち、滑りにくい生活環境を整えることが大切です。
肘関節形成不全
肘関節形成不全は、成長期に肘の関節が正常に形成されず、痛みや跛行を引き起こすことがある病気です。前脚をかばう、運動を嫌がる、歩いた後に脚を痛がるなどの変化が見られる場合があります。
成長期には体重を適切に管理し、関節に大きな負担をかける運動を避けましょう。歩き方に違和感がある場合は早めに動物病院を受診してください。
運動誘発性虚脱(EIC)
運動誘発性虚脱(EIC)は、激しい運動や強い興奮が続いた際に、後ろ脚のふらつきや筋力低下などが現れ、倒れ込むことがある遺伝性疾患です。
運動中に異常なふらつきや脱力が見られた場合は、すぐに運動を中止して安静にし、動物病院へ相談してください。EICには遺伝子検査があり、親犬の検査結果を確認することも重要です。
進行性網膜萎縮症(PRA)
進行性網膜萎縮症(PRA)は、目の奥にある網膜が徐々に変性し、視力が低下していく遺伝性の眼疾患です。初期には暗い場所で見えにくくなり、進行すると失明することがあります。
痛みを伴わないことが多いため、暗い場所で物にぶつかる、階段を怖がるなどの変化が見られた場合は、眼科診療に対応している動物病院へ相談しましょう。
外耳炎
外耳炎は、耳の入口から鼓膜までの外耳道に炎症が起こる病気です。耳をかゆがる、頭を頻繁に振る、耳の赤みや強いにおい、耳垢の増加などが主なサインです。
垂れ耳や耳の中に湿気が残ることは外耳炎の素因となります。症状が見られた場合は自己判断で耳の奥を掃除せず、原因や耳の状態に応じた治療を受けるために動物病院を受診しましょう。
まとめ
ラブラドールレトリバーは、人との関わりを好む友好的な性格と、優れた学習能力を持つ大型犬です。家庭犬として親しまれているほか、盲導犬や介助犬など幅広い分野で活躍しています。
短毛ながら抜け毛の多いダブルコートを持ち、成犬では毎日の十分な運動と、力の強さを安全にコントロールするためのしつけが欠かせません。
また、股関節形成不全や肘関節形成不全、運動誘発性虚脱(EIC)、眼疾患などにも注意が必要です。迎える前には、飼育スペースや散歩に使える時間、食費・医療費など大型犬ならではの負担も含めて検討しましょう。
子犬の頃から適切なしつけと健康管理を続け、年齢や体調に合った生活環境を整えることが、ラブラドールレトリバーと長く快適に暮らすための大切なポイントです。



