トイプードルのブルーとは?毛色の特徴から性格、価格まで徹底解説

トイプードルのブルーとは?毛色の特徴から性格、価格まで徹底解説

トイプードルの希少色「ブルー」とはどんな毛色?実はグレーの一種で、2026年以降は非公認となる予定です。ブラックとの違い、子犬からの退色(色の変化)、性格、価格相場からブリーダー選びの注意点まで、迎える前に知りたい情報を徹底解説します。

ブルーのトイプードルとはどんな毛色?

上半身がアップされたトイプードルのブルー

ブルーのトイプードルとは、ブラックに近い非常に濃い灰色が徐々に退色し、深みのあるスレートグレーやチャコールグレーへと変化していく毛色です。

光の当たり方で青みがかって見えることから「ブルー」と呼ばれますが、実際には完全な青ではなく、ブラックやグレーとは異なる独特の色合いを指しています。

なお、JKC(ジャパンケネルクラブ)では現在「ブルー」として登録可能な毛色ですが、2026年1月1日以降にスタンダードから外れ、「×印(スタンダード外)」として登録されることが決定しています。

ブルーはグレーと異なる独立毛色

ブルーは「グレー」の一種と誤解されがちですが、JKCでは明確に区別されています。

グレーがシルバーに近い明るめの灰色で子犬時代から薄い色合いなのに対し、ブルーは子犬の頃は黒に近く、成長とともにゆっくりと退色して独特の濃い灰色となります。そのため、グレーとブルーはそれぞれ独立した毛色として認識する必要があります。

ブルーはG遺伝子で生まれる毛色

ブルーの毛色は、G(Progressive Graying)遺伝子によって引き起こされる進行性の退色(クリアリング)によって生じます。この遺伝子は本来ブラックになるはずの毛の色素を時間の経過とともに脱色させる働きをします。

希釈遺伝子(D遺伝子)のように毛色を薄めるのではなく、徐々に色素が抜けていくことで特有の濃淡が現れます。そのため、生後数か月から数年にかけてゆっくりと毛色が変化し、最終的な色が決定するまでには数年かかることも珍しくありません。

ブルーとブラックの違いは退色の有無

ブルーとブラックを見分ける最大のポイントは、色の退色(クリアリング)があるかどうかです。

一般的なブラックは色の保持が良好で、濃い色を保つことが多い一方で、ブルーは子犬時代の黒っぽい毛色が成長とともに徐々に抜けて、青みがかったグレーへと変化します。

ただし、ブラックでも日光などによる退色(サンブリーチ)が見られる場合もあるため、成長過程の毛根側の色の変化を中心に見極めることが推奨されます。

非公認化後はショー出陳不可に

2026年以降、ブルーはJKCの犬種スタンダードの改定により「スタンダード外(×印対象)」となります。

ドッグショーの審査は毛色ごとのバラエティーに分類して行われますが、ブルーは「ブラック/ホワイト/ブラウン」や「フォーン/グレー」、および「その他(パーティーカラー)」のいずれのカテゴリーにも該当しません。そのため、非公認化後のブルーは原則としてドッグショーに出陳できなくなります。

また、血統書にも「×印対象」と記載されるため、ショー出陳や繁殖計画には十分な理解と注意が必要です。ただし、家庭犬として暮らす上で健康上の問題を意味するものではありません。

トイプードルのブルーの特徴

トイプードルのブルーのイラスト

トイプードルのブルーは、他の毛色とは異なる希少性や独特な被毛の変化を持ち、毛色以外にもさまざまな特徴があります。

ここでは、ブルーのトイプードルを迎える前に知っておきたい外見的な特徴や飼育時の注意点、流通状況について詳しく解説します。

ブルーの毛質は細く柔らかい傾向い

ブルーのトイプードルは、その毛色を作り出すG遺伝子(Progressive Graying)の影響もあってか、他のカラーに比べて被毛が細く柔らかいと感じるブリーダーや飼い主が多くいます。

ただし、これはあくまで経験則によるものであり、現時点では毛色と毛質の関連性を示す科学的なエビデンスはありません。被毛が細く柔らかい場合、毛玉や絡まりが起きやすくなるため、日々のブラッシングや定期的なトリミングが特に重要になります。

デリケートな皮膚に注意

ブルーのトイプードルの中には、皮膚が敏感でデリケートな個体がいることも報告されています。

そのため、シャンプーやブラッシングの際には刺激の少ない製品を選び、頻繁な入浴は控えるなど、肌への負担を減らす工夫をすると良いでしょう。特に季節の変わり目や乾燥時期には皮膚のトラブルに注意が必要です。

ブルーは市場流通が少ない

ブルーのトイプードルは、その希少な毛色を安定的に生み出すことが難しく、市場に流通する数が極めて少ない毛色です。特にペットショップでは取り扱いがほとんどなく、専門のブリーダーから直接迎えるケースが大半を占めています。

また、ブリーダーサイトや販売ポータルでも「ブルー」という毛色の個体を特定して検索することが難しいため、信頼できるブリーダーとのコミュニケーションを通じて迎える個体を探すことが推奨されます。

非公認化で繁殖や出陳に注意

2026年以降、ブルーの毛色はJKCのスタンダード外(×印対象)となるため、ドッグショーへの参加や繁殖計画には注意が必要です。

将来的にショーへの参加を視野に入れている場合は、このカラーを迎えることは不向きとなります。しかし、家庭犬として飼育する分には何ら問題はなく、非公認化は健康や寿命に影響を与えるものではありません。

トイプードルのブルーはどんな性格?

トイプードルのブルーの子犬

犬の性格は一般的に犬種や育った環境に左右されることが多く、科学的には毛色によって性格が決まるという明確な根拠はありません。

ただし、ブルーのトイプードルを迎える場合には、トイプードル全般に共通する基本的な性格や気質傾向を把握しておくことで、より良い関係を築くことができるでしょう。

高い知性を持ち、しつけがしやすい

トイプードルは非常に賢く、全犬種の中でもトップクラスの知能を持っています。そのため、新しいコマンドやトレーニングをすぐに覚え、家庭犬としてしつけがしやすいことが特徴です。

飼い主とのコミュニケーション能力が高く、指示を的確に理解できるため、初めて犬を飼う人にも適しています。ただし、知性が高い分、飼い主が曖昧な態度を取ると混乱しやすくなるため、一貫性を持った接し方が重要です。

人懐こく愛情深い、甘えん坊な気質

トイプードルは一般的に人と触れ合うことを好み、家族に対して深い愛情を示す甘えん坊な性格を持っています。飼い主とのスキンシップを求めたり、遊びに誘ったりすることも多く、寂しがり屋な一面もあります。

そのため、長時間の留守番や孤独な環境には向いておらず、日々のふれあいを大切にすることで安定した性格を維持することができます。

他犬や子どもと相性が良い性格

トイプードルは活発で好奇心旺盛な性格を持ち、遊ぶことや運動が大好きです。他の犬や子どもとの相性も良好で、子犬時代から適切な社会化を経験させれば、フレンドリーで明るい性格に育ちます。

ただし、小型犬のため、小さな子どもと接する際は怪我をしないように大人が注意深く見守る必要があります。

「ブルーは穏やか」は俗説

一部で「ブルーのトイプードルは他の毛色に比べて穏やかで落ち着いた気質を持つ」と言われることがありますが、これは科学的根拠のない俗説です。

穏やかな気質を持つ個体が多いと感じられる場合でも、それはブリーダーが性格面にも気を配った繁殖を行った結果であり、毛色そのものが性格を決定付けているわけではありません。性格はあくまで個体差と育つ環境が大きく影響します。

ブルーのトイプードルの価格相場

背景がピンクのトイプードルのブルー

ブルーのトイプードルは、希少性が高く市場流通量が限られるため、一般的な毛色の個体に比べて販売価格が高くなる傾向があります。

ここでは、具体的な価格帯の目安と、その価格に影響する要因をわかりやすく解説します。

ブルーの価格相場は40万〜80万円

2025年9月時点での国内大手ブリーダーサイトや販売ポータルの掲載情報によると、ブルーのトイプードルの価格帯はおよそ40万円から80万円以上となっています。

一般的な毛色のトイプードルが約20万円〜50万円で販売されることを考えると、約1. 5倍から2倍高い価格設定です。ただし、個体の血統や健康状態、サイズなどによって価格は大きく変動します。

血統や犬質で価格は大きく変動

親犬がドッグショーでチャンピオンタイトルを獲得していたり、犬種スタンダードに近い骨格や容姿を持つなど、犬質が高い場合は価格が上昇します。

特に希少なブルーの毛色で、優良な血統を持つ個体は100万円を超える場合も珍しくありません。

小型サイズほど高額になる傾向

トイプードルの中でも小型化されたタイニーサイズやティーカップサイズと呼ばれる市場慣用名の個体は、ブルーの毛色とサイズの希少性が掛け合わさることでさらに価格が高騰する傾向があります。

こうした特に小さい個体はブルーの中でも80万円以上となることが一般的で、場合によってはさらに高額になる可能性があります。ただし、ティーカップやタイニーという分類はJKCの公式な区分ではなく、あくまで市場での慣用的な呼称であることに注意が必要です。

非公認化で価格変動の可能性も

ブルーのトイプードルは2026年以降JKCのスタンダード外(×印対象)になることが決定しているため、それに伴って価格が変動する可能性があります。

一部では希少性がより高まり価格が上がると見る向きがある一方、ショーへの出陳が困難になることから需要が下がり価格が落ち着く可能性も指摘されています。将来的な価格の変動を見据え、価格相場の動向を継続的に確認することが望ましいでしょう。

まとめ

トイプードルのブルーはブラックに近い濃い色から徐々に退色して深みのある灰色へと変化する、希少で美しい毛色です。G遺伝子が引き起こす進行性の退色が特徴で、毛色が確定するまでには数年を要します。

2026年以降はJKCのスタンダード外となり、ドッグショー出陳や繁殖計画には注意が必要ですが、健康面に影響するものではありません。希少性から価格が高騰しやすく、一般的な毛色の個体に比べて高額となります。

性格は毛色に関係なく知的で人懐こい傾向があり、家庭犬として非常に優れた資質を持っています。

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