ドーベルマンの平均寿命はどのぐらい?
ドーベルマンの平均的な寿命
ドーベルマンの平均寿命は、およそ10年から13年とされています。大型犬に分類される犬種の中では、ゴールデン・レトリバーやジャーマン・シェパードなどと並び、平均的な長さと言えるでしょう。
しかし、これはあくまで統計上の平均値であり、遺伝的な素因や生活環境、日々の健康管理によって個体差が生まれることは言うまでもありません。適切なケアを行うことで、平均寿命を超えて健やかに過ごすドーベルマンも数多く存在します。
人間の年齢に換算すると?
犬の年齢は単純に「人間の年齢×7」で計算できるわけではなく、特にドーベルマンのような大型犬は、若いうちに急速に成長し、その後の年齢の重ね方は緩やかになるという特徴があります。
一般的に、大型犬は最初の1年で人間の約12歳まで成長し、2年目には約19歳、その後は1年ごとに7歳ずつ歳を重ねると考えられています。
以下の年齢比較表は、愛犬がライフステージのどの段階にいるのかを理解するための目安となります。
ドーベルマンの年齢 |
人間に換算した年齢の目安
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---|---|
1歳 | 約12歳 |
2歳 | 約19歳 |
3歳 | 約26歳 |
4歳 | 約33歳 |
5歳 | 約40歳 |
6歳 | 約47歳 |
7歳 | 約54歳 |
8歳 | 約61歳 |
9歳 | 約68歳 |
10歳 | 約75歳 |
11歳 | 約82歳 |
12歳 | 約89歳 |
13歳 | 約96歳 |
この表を見ると、例えば愛犬が7歳であれば人間では50代半ばのシニア期の入り口に差し掛かっていることがわかります。そして平均寿命である10歳を迎える頃には、人間で言うところの75歳前後となり、本格的な高齢期に入ります。
愛犬の年齢を人間のライフステージに当てはめて理解することは、その時期に最適な食事や運動、健康管理を行う上で非常に重要な指針となります。
犬の年齢は、単純に「犬の年齢×7(人間の年齢)」で計算できるわけではありません。特に大型犬は成長のスピードが早く、老化の訪れも早い傾向にあります。
一般的に、大型犬であるドーベルマンの年齢は、1歳で人間の約12歳に相当し、2歳で約19歳、その後は1年ごとに7歳ずつ歳を重ねていくと考えられています。この計算でいくと、平均寿命である10歳を迎える頃には、人間で言うところの75歳前後のシニア期に入っていることになります。
愛犬が今、ライフステージのどの段階にいるのかを理解することは、適切なケアにつながる第一歩です。
記録されている最高齢の例
公式なギネス記録としてドーベルマンの最高齢が登録されているわけではありませんが、飼い主の献身的なケアと恵まれた環境により、14歳や15歳といった平均寿命を大きく超えるご長寿の報告例は存在します。
これらの例は、日々の健康管理がいかに重要であるかを示しており、ドーベルマンを家族に持つすべての人にとって大きな希望となります。
ドーベルマンを長生きさせる秘訣
バランスの取れた食事管理
ドーベルマンの健康と長寿を支える基本は、毎日の食事です。筋肉質で引き締まった体を維持するため、質の高い動物性タンパク質を豊富に含むフードが理想的です。
成長が著しい子犬期、活動量が最も多い成犬期、そして運動量が落ちて消化機能が変化するシニア期と、ライフステージに応じてフードの栄養バランスを見直すことが不可欠です。
また、肥満は心臓や関節に大きな負担をかけ、様々な病気のリスクを高めます。おやつの与えすぎに注意し、常に適切な体重を維持するよう心がけましょう。
適切な運動量の確保
警備犬や軍用犬として活躍してきた歴史を持つドーベルマンは、非常にエネルギッシュで多くの運動量を必要とします。
個体差はありますが、毎日の散歩は1日に2回、それぞれ1時間以上を目安とし、単に歩くだけでなく、時にはドッグランなどで思い切り走らせる機会を設けることが心身の健康につながります。運動不足はストレスを溜め込む原因となり、問題行動につながる可能性もあります。
知的な犬種でもあるため、頭を使うトレーニングや遊びを取り入れ、精神的な刺激を与えることも、彼らの生活の質を高める上で重要です。
ストレスの少ない飼育環境
ドーベルマンは非常に賢く、感受性が豊かな犬種です。家族とのコミュニケーションを何よりも大切にし、孤独や退屈な環境は大きなストレスとなります。室内で家族と共に過ごす時間を十分に確保し、安心できる寝床を用意してあげることが大切です。
また、些細な体調の変化を見逃さないためにも、定期的な健康診断は欠かせません。特に遺伝的な病気のリスクを考慮し、獣医師と相談しながら年に1〜2回は詳しい検査を受けることが、病気の早期発見と早期治療につながり、結果として寿命を延ばすことになります。
ドーベルマンの寿命に関わる主な病気
拡張型心筋症(DCM)
拡張型心筋症は、心臓の筋肉(心筋)が薄く伸びてしまい、ポンプ機能が低下して全身にうまく血液を送れなくなる病気です。ドーベルマンはこの病気の遺伝的好発犬種として知られており、寿命に直接的な影響を及ぼす最も注意すべき疾患の一つです。
初期段階では症状がほとんど現れないため、気づいた時にはかなり進行しているケースも少なくありません。
咳、疲れやすい、呼吸が速いといった症状が見られた場合はもちろん、無症状であっても定期的な心臓の検査(心電図検査や心臓超音波検査)を受けることが極めて重要です。
ウォブラー症候群(頚部脊椎不安定症)
ウォブラー症候群は、首の骨(頚椎)の変形や不安定性によって、中を通る神経の束(脊髄)が圧迫される病気です。これもドーベルマンに多く見られる遺伝的素因が関与する疾患で、中年齢以降に発症しやすい傾向があります。
主な症状は、後肢のふらつきや特徴的なぎこちない歩き方(前足は小刻みに、後肢は大股で歩くなど)です。首に痛みを感じるため、頭を低い位置に保つような姿勢をとることもあります。
進行すると四肢の麻痺に至ることもあるため、歩き方の異変に気づいたら速やかに獣医師の診察を受けましょう。
胃拡張・胃捻転症候群(GDV)
胃拡張・胃捻転症候群は、胸が深い体型の大型犬に起こりやすい、緊急性の高い致死的な病気です。何らかの原因で胃がガスや食物で過度に膨らみ(胃拡張)、さらに捻じれてしまう(胃捻転)ことで、血流が遮断され、ショック状態に陥ります。
吐こうとしても何も出ない、大量のよだれ、お腹が張る、落ち着きなくウロウロするといった症状が見られたら、一刻も早く動物病院へ向かう必要があります。
予防策として、食後の激しい運動を避ける、食事を1日数回に分けるといった対策が推奨されています。
ドーベルマンがシニア犬になった時の付き合い方
シニア期に合わせた食事の見直し
ドーベルマンが7歳を過ぎたあたりから、シニア期に向けたケアを意識し始めましょう。基礎代謝や運動量が低下するため、成犬期と同じ食事では肥満になりやすくなります。
消化しやすく、低カロリーでありながら必要な栄養素はしっかりとれるシニア用のフードに切り替えるのが基本です。また、関節の健康をサポートするグルコサミンやコンドロイチン、心臓の健康維持を助けるタウリンなどが配合されたフードを選ぶのも良いでしょう。
一度に多くの量を食べられなくなることもあるため、食事の回数を3〜4回に増やすなどの工夫も有効です。
無理のない範囲での運動と刺激
シニア期になっても、散歩は心身の健康維持や気分転換のために重要です。
ただし、若い頃と同じペースではなく、愛犬の体力に合わせて距離や時間を調整し、関節に負担をかけないよう心がけましょう。歩くのが辛そうな場合は、歩行を補助するハーネスを利用するのも一つの方法です。
散歩に行けない日でも、庭で日向ぼっこをさせたり、室内で簡単なノーズワーク(おやつ探しゲーム)をしたりして、穏やかな刺激を与え続けることが、認知機能の維持にもつながります。
日常生活における介護とケア
老化が進むと、筋力の低下により段差の上り下りが困難になったり、排泄の失敗が増えたりします。室内では滑りにくい床材に変える、スロープを設置するなどの配慮が必要です。
自力での排泄が難しくなってきたら、体を支えて補助してあげましょう。寝たきりになった場合は、床ずれ(褥瘡)を防ぐために2〜3時間おきに寝返りをうたせることが非常に重要です。
また、体を清潔に保つために、お湯で濡らしたタオルで体を拭いたり、ドライシャンプーを活用したりするのも良いケアとなります。常に愛犬の様子を観察し、どのようなサポートが必要かを見極めることが求められます。
まとめ
ドーベルマンは、その優雅で力強い容姿だけでなく、家族に対する深い愛情と忠誠心を持つ素晴らしいパートナーです。
彼らの平均寿命は10年から13年ですが、日々の生活における細やかな配慮と健康管理が、その寿命を大きく左右します。バランスの取れた食事、適切な運動、そして何よりも家族としての深い愛情とコミュニケーションが、愛犬の健康で幸せな時間を一日でも長く延ばすための鍵となります。
拡張型心筋症をはじめとする好発疾患への正しい知識を持ち、シニア期にはその変化に寄り添ったケアを行うことで、ドーベルマンは最期の時まで、かけがえのない家族の一員として輝き続けてくれるでしょう。