JKC愛犬飼育管理士資格とは?
JKC愛犬飼育管理士とは、一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)が認定する民間資格です。
ジャパンケネルクラブは、犬種の血統書発行やドッグショーの開催、トリマーやハンドラーといった専門家の資格認定を行う国内有数規模の団体です。
この資格は、犬を愛するすべての人々が、犬に関する普遍的な知識を身につけることを目的としています。犬の歴史や習性、適切な飼育管理方法、しつけ、関連法規といった幅広い知識を体系的に学ぶことで、社会の一員として責任ある飼い主を育成し、人と犬が共生できるより良い社会の実現を目指しています。
単に犬が好きという気持ちだけでなく、科学的根拠に基づいた正しい知識を持つことの重要性を証明する資格といえるでしょう。
愛犬飼育管理士資格の難易度・合格率
資格取得を目指す上で気になるのが、その難易度です。結論から言うと、JKC愛犬飼育管理士資格の難易度は決して高くありません。
合格率は公表されていませんが、受講者の体験談では 8〜9 割が合格していると言われています。
その理由は、試験が1日で行われる講習会の内容から主に出題されるためです。講習会で講師が強調したポイントを重点的に復習し、配布される教本の内容をしっかりと理解すれば、合格は十分に可能です。
犬に関する予備知識が少ない方でも、講習会で基礎から学べるため、安心して挑戦することができます。重要なのは、講習会を真剣に受講する姿勢です。
愛犬飼育管理士の取得の流れ
資格を取得するまでのプロセスは明確に定められています。申し込みから資格証の交付まで、順を追って解説します。
申し込み
資格取得の第一歩は、講習会および試験への申し込みです。
一般社団法人ジャパンケネルクラブの公式サイトで開催日程と会場が告知されるため、定期的に確認しましょう。
申し込みは、指定された申込用紙をJKC本部に郵送または持参する方法が基本となります。
各会場には定員が設けられているため、受講を決めたら早めに手続きを進めることが推奨されます。
受講・受験料の支払い
資格取得には、所定の費用が必要です。この費用は、JKCの会員であるか、非会員であるかによって異なります。
- 受講料…7,300円(テキスト代含む)
- 試験受験料…7,000円
- 合計…14,300円
※2025年6月時点の料金
料金には、1日の講習会受講料、試験料、そして学習の基本となる教本(テキスト)代が含まれています。
最新の正確な料金については、申し込み時にJKC公式サイトで必ず確認してください。
講習会と試験
申し込みが完了すると、指定された日時に会場で講習会を受講します。
講習会は朝から夕方まで1日かけて行われ、その日のうちに筆記試験が実施されるのが一般的なスケジュールです。
学習と試験が同日に行われるため、学んだ知識が新鮮なうちに実力を試すことができます。
合格後の手続き
試験後、約1ヶ月から2ヶ月で合否通知が郵送されます。合格していた場合は、通知に同封されている案内に従い、資格の登録手続きを行います。
- 資格登録料…3,400円
- 入会金…2,000円
- 年会費…4,000円(初年度)
※2025年6月時点の料金
※既にJKC会員の場合は不要
所定の資格登録料を納付することで正式に資格が登録され、後日、顔写真入りの「愛犬飼育管理士」資格証が交付されます。この資格証が、知識を習得した公的な証明となります。
愛犬飼育管理士資格の試験内容
講習会の最後に行われる筆記試験は、マークシート方式で実施されるのが一般的です。
問題数は年度により変動しますが 25問前後ですで、試験時間は約1時間です。出題範囲は、講習会で学んだ内容と配布された教本がすべてです。
つまり、講習をしっかりと聞き、教本を復習すれば解ける問題がほとんどです。
過去問について
受験を考える際、過去問題集の有無が気になる方も多いでしょう。しかし、JKC愛犬飼育管理士の試験に関しては、公式な過去問題集は発行・市販されていません。
そのため、試験対策は自ずと講習会の内容に絞られます。講師が「ここは重要です」と強調した箇所や、繰り返し説明された部分は特に出題されやすい傾向にあります。
メモを取りながら集中して講習を受け、休憩時間や試験直前に教本を見直すことが、最も効果的な合格への近道です。
愛犬飼育管理士の資格が役に立つ場面
この資格を取得することで、さまざまなメリットが生まれます。愛犬との暮らしを豊かにするだけでなく、プロフェッショナルへの道も開かれます。
動物取扱業の登録要件を満たす
この資格が持つ社会的なメリットとして最も大きいのが、「動物取扱責任者」の選任要件の一つとして認められている点です。
動物取扱責任者とは、動物の愛護及び管理に関する法律に基づき、ペットショップやトリミングサロン、ペットホテル、ブリーダーといった動物取扱業を営む事業所ごとに、必ず一人選任しなければならない責任者のことです。
将来的にペット関連のビジネスを開業したいと考えている人にとって、この資格は大きな強みとなります。店舗の運営や動物の管理に関する専門知識を持つ証明として、行政への登録手続きをスムーズに進めることができるのです。
なお、自治体により実務経験など追加要件がありますので、最新情報を確認してください。
愛犬との暮らしに役立つ
資格取得のために学ぶ知識は、すべて日々の愛犬との生活に直接役立ちます。犬の行動や感情の理由が理解できるようになり、より深い信頼関係を築く助けとなります。
また、健康管理の知識は愛犬の体調不良のサインを早期に発見することに繋がり、病気の予防や早期治療に貢献します。正しい知識は、あなたと愛犬の生活の質を確実に向上させるでしょう。
まとめ
JKC愛犬飼育管理士は、犬に関する広範で信頼性の高い知識を証明する価値ある資格です。講習会と試験が1日で完結するため挑戦しやすく、合格率も高いことから、意欲のある方なら誰でも取得を目指せます。
この資格は、愛犬の健康と幸せを守るための知識を与えてくれるだけでなく、将来ペット業界で活躍したいと考える人にとっては「動物取扱責任者」への扉を開く重要な鍵となります。
愛犬家として知識を深める機会、そしてプロフェッショナルとしてのキャリアの第一歩として、JKC愛犬飼育管理士資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。
詳細な日程や申し込み方法については、一般社団法人ジャパンケネルクラブの公式サイトをご確認ください。