警察犬に向いてる犬種について

警察犬に向いてる犬種について

鋭い嗅覚を生かして、事件の犯人を追跡する警察犬…一般的に警察犬と言えばシェパードのイメージがありますが他にも警察犬として活躍する犬がいます。それではどんな犬種が警察犬として向いているのでしょうか?

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警察犬に向いている7犬種

警察犬に向いている犬種とはどんな犬なのか、簡単にご紹介していきたいと思います。

シェパード1

日本警察犬協会が警察犬に指定しているのは次の7犬種です。

①ジャーマンシェパード

ジャーマンシェパード

ドイツの山岳地方の牧羊犬を、軍が優秀な軍用犬に作るために改良した犬種。使役犬がする全てのことをこなす。忠実で訓練しやすく感覚が鋭い。

②ゴールデンレトリーバー

ゴールデンレトリーバー

撃った鳥を回収するために作り出させた犬種。鳥猟犬として高い能力を持つが他の作業犬としても評価されている。仕事を与えられることを喜びしつけが入りやすい。

③ラブラドールレトリーバー

ラブラドールレトリーバー

鳥猟犬として撃った鳥を陸上、水中を問わず回収をしていた犬種。他にも様々な使役犬として高い能力を発揮している。忠実で情緒的にも安定している。

④ドーベルマン

ドーベルマン

軍用犬として有名な犬種。他にも警察犬、護身用の番犬でも有能で人気が高い。飼い主をよく慕い、従順で忠実。服従訓練も入りやすい。

⑤コリー

コリー

牧羊犬としての歴史は長く、ラフコリーは羊追い、スムースコリーは家畜運搬に使われていた犬種。家族思いで子供に優しく穏やか。大変知能が高い事でも有名。

※ラフ=長毛、スムース=短毛

⑥エアデールテリア

エアデールテリア

カワウソの猟を得意とする猟犬。警察犬としても知られている犬種。テリアの中ではのんびりした動きをし、従順で縄張り意識が強い。

⑦ボクサー

ボクサー

闘犬、猟犬として使われた犬種だか、現在は警察犬などの使役犬として活躍する。活動的で物覚えが良く忠実なのでしつけが入りやすい。

みんな大型犬ばかりですね。やはり訓練性が良くて迫力のある大きな犬が良いということなのでしょうか?

指定犬種以外の嘱託警察犬たち

嘱託警察犬の中には指定犬種以外の犬たちもわずかにいます。一部犬種のご紹介です。

ミニチュアシュナウザー

小型動物の駆除を目的に牧場などで飼われていた犬種。知的で物事をよく理解し、訓練の反応も良い。警戒してよく吠える。

チワワ

宗教的に神聖視され、神様のように崇められたり、時にはいけにえともなったと言われる犬種。機敏で明るく、体は小さいが勇敢で大胆な一面を持つ。

柴犬

猟犬として飼われ山岳地方で小動物を中心に猟をしていた犬種。勇敢で好奇心、冒険心ともに旺盛。飼い主に忠実でしつけやすい。

トイプードル

元々は水の中を泳ぎ、ハンターが撃ったカモなどの 鳥を回収する仕事をしていた犬種。知的で大胆、反応が良くしつけが入りやすい。

ジャックラッセルテリア

牧師がキツネ狩り用の犬種として作り出した。足が早く粘り強い。闘争心旺盛だか飼い主に忠実でしつけも入りやすい。

こんな小柄な警察犬もいるとは!?びっくりですね!

警察犬のお仕事

緑色のパトカー

日本の警察犬は、大きく二つに分類すると、警察の『直轄犬』と非常勤の『嘱託警察犬』にわかれています。

警察直轄犬

各都道府県警察が飼育管理し訓練している

嘱託犬

一般の人が飼育管理し訓練している
 ↓
各都道府県警察が毎年審査会を行い嘱託する警察犬を選考し指定している

これは意外かもしれませんが、実は警察犬の中では直轄警察犬より嘱託警察犬のほうが圧倒的に多いんです。理由としては、訓練所の設備や飼育管理、担当者である警察官の人件費などの財政上の問題があるからと言われています。

具体的にどんなお仕事をしているの?

歩くシェパード

  • 行方不明者や遺体の捜索
  • 臭気選別(物証と容疑者を臭いで結びつける)
  • 手掛かりを元に探す足跡追及(臭気からから容疑者を追う)
  • 覚せい剤など違法薬物の捜索
  • 拳銃の捜索

※臭気選別とは、同じ臭いがついた物や追跡・捜査対象者を探し出すことです。

最近、ハイブリット犬と呼ばれる警察犬が捜査に貢献していることはご存知ですか?

それまで別々に分担して行っていた2種類の活動を1頭で行っている警察犬のことです。例えば覚せい剤などの違法薬物と拳銃は同じ現場に隠されていることが多いのです。

そこで違法薬物捜査と拳銃捜査など、2種類以上の技能を身につけて捜査を同時に行っているのがハイブリット警察犬なのです。

2014年、とある有名ミュージシャンが覚せい剤所持の疑いで逮捕されました。

この事件における捜査で見事お手柄を立てたのがハイブリット警察犬である、ラブラドールレトリーバーのイルミナ号(メス)でした。

小型犬種の警察犬について

トイプードル

以前は警察犬と言えば「大型犬」というイメージですが、近年では、トイプードルやチワワといった、「小型の犬種」も採用されるようになってきました。ここでは、嘱託警察犬になった小型犬たちのエピソードについてご紹介します

日本初プードルの警察犬!

2匹のプードル

トイプードルのフーガとカリン。2匹は一般の家庭で飼育されている普通のペットの犬たち。

警察犬になることを目指していたわけではなく、しつけのため訓練所に預けられたのがことのきっかけです。

そこで2匹を担当していた訓練士にその素質を認められ、警察犬の道へと進むことになるのです。2011年、警察犬になるための本格的な訓練を開始します。

そして、嘱託警察犬になるための初の審査会に挑戦します。この審査会では服従性、足跡追及、臭気選別の試験が行われ、2匹は足跡追及で好成績を修めそろって見事に合格します。

こうして日本初のトイプードルの警察犬が誕生したのでした。

そして2012年、警察犬として災害や事件が起きた際に派遣される嘱託警察犬としての仕事が始まります。大型の警察犬では入っていけないような狭いところにも入っていくことで、小型の警察犬にしか出来ない任務をこなしていくのです。

また、それだけにとどまらず、様々な警察の行事にも参加することで注目を集めました。

その活躍が認められ2013年、鳥取県警察広報犬に任命され、イベントなどを通して交通安全や犯罪防止を呼び掛ける任務をこなしました。

小型犬の警察犬が続々と!

トイプードル以外にも嘱託警察犬として、様々な小型犬が活躍を見せています。

2011年、奈良県でチワワの警察犬が誕生しました。体重3.5キロ世界最小の警察犬です。

チワワ

2013年、熊本でミニチュアダックスフンドのベッキーがダックス初の警察犬として交付を受けました。ベッキーは2度の審査会に挑み、3度目の挑戦で見事に合格!

ついて歩くダックス

2014年には同じくミニチュアダックスフンドのミキティ、2015年もミニチュアダックスフンドは2頭が警察犬として交付を受けています。

ミニチュアダックス

ダックスフンドが警察犬としてこんなにも活躍をしているなんて意外でした。トイプードル同様、小さな体を生かして狭い所にもぐりこみ任務を果たしているようです。

小型犬の警察犬としての活躍はこの他にもいくつかあります。可愛いイメージの強い彼らの頼もしい活躍をこれからも期待したいですね!!

まとめ

犬と人シルエット

警察犬について書いてみましたが、いかがでしたか?

彼らは、鋭い嗅覚を生かして捜索にあたることから鼻の捜査官と呼ばれています。

一般の飼い主さんと暮らしている嘱託警察犬の犬たちの場合、けして短くはない期間を、飼い主さんと離れ厳しい訓練を経て審査に挑み、晴れて一人前の警察犬としてデビューし任務を果たしていきます。

最近は、身近で自然災害が起こることも珍しくなくなり、テレビの画面を通して行方不明者の搜索にあたる彼らの姿を目にする機会も多くなった気がします。

足場が悪く、二次災害の危険が考えられるような現場で懸命に捜索をする彼らには頭の下がる思いと感謝の気持ちでいっぱいです。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    30代 女性  もこじ

    テレビなどで警察犬が頑張っている姿を見かけては立派だなぁと思ってました。
    テレビに映る警察犬はシェパードやラブラドールが多く、まさか小型犬の警察犬が居るとは知りませんでした。
    愛玩犬と呼ばれる犬種も、癒しを与えてくれるだけじゃなく、人の為に命がけで働いてくれてるんですね。犬から見習うことが本当多すぎます。
  • 投稿者

    30代 女性 Chappy

    チワワやミニチュアダックスフンドや、柴犬など警察犬になってるなんて本当に意外ですね!
    前にテレビでプードルが警察犬になったというニュースを見たことがあります。
    捜査に携わるお仕事をするんですから、本当に尊敬しますよね。
  • 投稿者

    40代 女性 ぱん

    警察犬といえば以前はジャーマンシェパードのイメージでしたが、テレビで捜索しているのなどを見ると、現在では様々な犬種の子が活躍していますね。
    空港で覚せい剤などの匂いを追った捜査として見られるのはビーグルが多い気がしてました。そして案外小型犬が適していることに驚きましたが、小型犬でも出来るんだってところがなんだか嬉しいですね。
    わたしの愛犬は外のにおいが大好きです。
    好奇心旺盛なのでしょうか、とくに木が沢山ある場所、鹿やうさぎ、キツネなどの動物が住んでいる場所に行くと、すごく興奮して嗅ぎまわり、もう自身でもコントロールが出来ないようです。

    しかし一般家庭で飼われている犬は、優秀な嗅覚を使う場面が実際に少なく、必要最低限以上に嗅覚を使ってなかったことが判明してるそうです。そして、最大限嗅覚を使うようにするには訓練が必要とのこと。
    犬は基本的に鼻を使うことが得意で、またにおいを嗅ぐことは脳に刺激を与え、健康面にとっても良い事と言われています。犬は犬らしく生きてもらうために、愛犬の好きそうな場所にお出かけしたり、自然のにおいを嗅がせてあげて出来るだけ長生きしてほしいですね。
  • 投稿者

    女性 白川

    警察犬と言ったら一番に出てくるのはジャーマン・シェパードです。
    元々牧羊犬だったのに、警備犬としての能力を高めた結果今では警察犬としてなくてならない存在にまでなりました。高い知能を持ち判断力もあり、優れた運動神経で探し物もすぐに見つけることができます。とても服従心が強いので飼い主の言葉をよく聞いてくれます。いざという時に飼い主を守るなど、勇敢な行動も見られますね。

    チワワが警察犬に向いているなんて意外!と思いましたが探索救助の部門だったんですね。確かにあの小さな体なら狭い場所にも難なく入れて、人間の入れないところでも活躍してくれますね。

    警察犬は中型犬~大型犬くらいの子がなれるものだと思っていましたが、小型犬でも警察犬になれる分野があることを知りました。
    それぞれの犬種に合った活躍ができることを期待しています。

    トイプーのアンズちゃんのように、殺処分になってしまうかもしれない犬がもっとこういう場で活躍できる体制があったらいいのに、と思いました。保健所に来た犬や保護犬でもしっかりしつければ優秀な子はとても多くいると思います。
  • 投稿者

    30代 男性 さとう

    以前ネットニュースで見た写真画像が忘れられません。
    アメリカの警察で活躍していたシェパードが、なんらかの病気(完治しない)かなにかで、安楽死が決定していて、これからその処置に向かう写真でした。
    警官たちが花道を作って、病院の前で、道の両側に敬礼の姿勢でずらっと並ぶ中、その警察犬が歩いています。
    口には、一番お気に入りのおもちゃの大きなぬいぐるいをくわえていました。
    強面で事件現場で果敢に活動してきて、大活躍だった警察犬らしいのですが、やはりかわいい犬だったのですね。
    自力で歩くことが困難だったそうなのですが、車を下りてから病院まで、花道をしっかりと歩いてます。
    同僚である多くの警官たちに見送られて、その犬は人生を全うしたんですね。
  • 投稿者

    30代 女性 nico

    確かに最近「小型犬が警察犬に合格しました!」というニュースを見たり、動物番組でトイプーの警察犬の特集がやっていたりして注目されていますよね。適材適所というか、警察犬のお仕事はシェパードのように犯人に果敢に立ち向かうだけではないと思うので、小型犬の方が適している場面だってきっとたくさんありますよね。小型犬のメリットとしては、狭いところなどに入れるということだけでなく、街中になじみやすいということがあるようで、犯人探しなどの時に警察犬をつれてウロウロしていても「捜索している」ということがまわりや犯人に気付かれにくいということもあるみたいですね。かわいい姿で仕事中、なんてすっごくかっこいいですよね!!
  • 投稿者

    20代 女性 ラッキー

    警察犬と言えば、シェパードやドーベルマンというイメージでしたが、チワワや柴犬も警察犬に向いている犬種なんですね。全体的に忠誠心の高いわんちゃんが警察犬向きな印象です。先日トイプードルが警察犬になったとニュースで見ていたので、これからは色んなわんちゃんがその特技を活かして警察犬として活躍するのかもしれませんね。
  • 投稿者

    女性 ウーロン茶

    チワワの警察犬とは!警察犬といえば大きくて迫力のある強そうなイメージなのに、真逆ですね。かわいい風貌で、犬好きの犯人をおびきよせるようなおとり捜査とかできちゃいそう(笑)。うちの犬は、警察犬だなんて到底無理だろうなぁ。
  • 投稿者

    女性 ルーツ

    警察犬とうちの犬はまったく別の生き物だと認識しています。訓練の差だけではどうしようもない違いを感じてしまいます。持って生まれた使命も違うのでしょう。生まれながらに素質があって使命があって、さらに厳しい訓練を耐え抜き、みたいなイメージが警察犬です。素晴らし過ぎます。
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