チワワが吠える理由は?無駄吠えの直し方から対策グッズまで徹底解説

チワワが吠える理由は?無駄吠えの直し方から対策グッズまで徹底解説

チワワが吠える理由と直し方を徹底解説!警戒吠え、要求吠えといった吠える意味や原因から無駄吠えのしつけ方や対策グッズを紹介。オス・メスの違いの解説などチワワが吠え始める時期までにやっておきたい無駄吠え対策を徹底解説します。

チワワが吠える理由

チワワに指示を出す人の手

チワワが吠える背景には、様々な理由が隠されています。一見「無駄吠え」に思えても、彼らなりのメッセージが込められているのです。ここでは、チワワが吠える代表的な理由と、それぞれの状況で考えられる意味、そして性別による傾向の違いについて見ていきましょう。

警戒吠え・縄張り意識

チワワの祖先(テチチ)は古代メソアメリカで愛玩犬として飼育されていました。チワワは非常に警戒心が強く、縄張り意識も高い犬種です。

よくある状況としては、玄関のチャイムが鳴った時、窓の外を知らない人や犬が通った時、郵便配達員が来た時などが挙げられます。この時のチワワは「自分のテリトリーに怪しいものが近づいてきたぞ!」「飼い主さんに危険を知らせなきゃ!」という気持ちで吠えています。

特にオスはメスに比べて縄張り意識が強く出る傾向があり、より広範囲を自分の縄張りと認識し、侵入者に対して敏感に反応することがあります。ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、個体差や育った環境によって大きく左右されます。

要求吠え

「おやつが欲しい!」「もっと遊んで!」「ケージから出して!」など、何かを要求する目的で吠えるのが要求吠えです。チワワは賢く、飼い主さんの行動をよく観察しているため、「吠えたら要求が通った」という経験を一度でもすると、それを学習して要求吠えを繰り返すようになります。

例えば、食事の準備中に足元で吠えたり、飼い主さんがリラックスしている時に構ってほしくて吠えたりするのが典型的な例です。この時のチワワは「こうすれば言うことを聞いてくれるはず!」と期待しています。

興奮・喜び

嬉しい時や興奮した時にも、チワワは声が出やすい犬種です。飼い主さんが帰宅した時、大好きなおもちゃで遊んでいる時、散歩に行く前などに、喜びや期待感から甲高い声で吠えることがあります。これは感情表現の一つであり、必ずしも問題行動とは限りませんが、あまりにも興奮しすぎるとコントロールが効かなくなる場合もあるため注意が必要です。

不安・恐怖

チワワは繊細な一面も持っており、不安や恐怖を感じた時にも吠えることがあります。例えば、雷や花火のような大きな音、見慣れない物、あるいは留守番中に一人でいることへの不安などです。

この時の吠えは、自分自身を落ち着かせようとしたり、怖い対象を威嚇して追い払おうとしたりする意味合いがあります。子犬の頃の「社会化期」(生後3週齢~12週齢頃)までは、様々な物事に慣れやすい重要な時期に多様な経験をさせていないと、些細なことにも恐怖を感じやすくなることがあります。

社会化不足

前述の「社会化期」に、他の犬や人、様々な物音や環境に十分に触れ合う機会が少なかった場合、成犬になってから様々な刺激に対して過敏に反応し、吠えやすくなることがあります。

知らない人や犬に対して威嚇するように吠えたり、新しい場所で落ち着きなく吠え続けたりするのは、社会化不足が原因である可能性が考えられます。トイプードルや柴犬など、他の人気犬種においても社会化は非常に重要ですが、特に警戒心の強いチワワにとっては、より丁寧な社会化トレーニングが求められます。

健康上の問題(痛みや不快感)

普段はあまり吠えない子が急に吠えるようになったり、特定の状況でだけ異常に吠えたりする場合、体のどこかに痛みや不快感を抱えている可能性も考慮しなければなりません。

例えば、関節炎で触られると痛い、お腹の調子が悪い、目や耳に異常があるといったケースです。この場合、吠えることで不調を訴えていると考えられます。行動の変化に気づいたら、まずは動物病院で獣医師の診察を受けましょう。

吠え方に見られるオス・メスの違いについて

チワワの吠え方や吠えやすさに、オスとメスで明確な違いが見られるのか気になる飼い主さんも多いでしょう。一般的に、犬の行動には性ホルモンが影響を与えるため、吠え方にも多少の傾向の違いが出ることがあります。

オスの場合

オスは、縄張り意識の強さからくる警戒吠えやマーキングに関連した主張としての吠えが、メスに比べてやや顕著に見られることがあります。

男性ホルモンである「テストステロン」は、縄張りを守ろうとする行動や、他の犬に対する競争意識を高める作用があるため、未去勢のオスでは特にその傾向が強まることがあります。(去勢後も微量のテストステロンが生成されるため、行動の変化には個体差があります)

例えば、散歩中に他のオス犬と出会った際に強く吠えたり、家の周りをパトロールするように警戒し、些細な物音にも反応して吠えたりすることが考えられます。

メスの場合

メスは、発情期(ヒート)やその前後、あるいは想像妊娠などの際にホルモンバランスが変化し、一時的に神経質になったり、警戒心が強まったりして吠えやすくなることがあります。

女性ホルモンである「エストロゲン」や「プロゲステロン」の変動が、情緒の不安定さや母性本能に関連する行動を引き起こすためです。

この時期には、普段は気にしないようなことにも過敏に反応し、自分の寝床や気に入っている場所を守ろうとして吠える姿が見られるかもしれません。しかし、これらの性差はあくまで一般的な傾向であり、個体差が非常に大きいことを理解しておくことが重要です。

避妊手術の有無

チワワの性格、育った環境、社会化の度合い、そして何よりも去勢手術や避妊手術の有無によって、これらの傾向は大きく変わってきます。

去勢・避妊手術を受けると、性ホルモンの影響が大幅に減少するため、性差による行動の違いは目立たなくなることが多いです。

したがって、「オスだから吠えやすい」「メスだから静か」と一概に決めつけることはできません。大切なのは、それぞれの愛犬の個性と状況をよく観察し、その子に合った適切な対応をしてあげることです。

チワワが吠える!無駄吠えを直す方法

背中合わせで吠える2頭のチワワ

チワワの「吠え」は、理由に応じた適切な対処としつけを行うことで改善が期待できます。「無駄吠え」という言葉がありますが、犬にとっては必ず何らかの理由があって吠えています。その理由を理解し、根気強く向き合うことが大切です。

しつけの基本は「無視」と「褒める」の使い分け

特に要求吠えに対しては、「吠えても要求は通らない」と教えることが重要です。吠えている間は徹底して無視し、静かになった瞬間に褒めてあげたり、要求に応えたりします。これを繰り返すことで、チワワは「静かにしていれば良いことがある」と学習します。

警戒吠えの場合は、落ち着いていられたら褒めることを基本とします。チャイムが鳴っても吠えずにいられたら、すぐにおやつをあげて褒めるなど、正しい行動を強化します。これを「ポジティブリンフォースメント(正の強化)」と呼び、犬が望ましい行動を自ら進んで行うように促す効果的なしつけ方法です。

コマンドで落ち着かせる練習

「おすわり」「まて」「ふせ」といった基本的なコマンド(指示語)を教え、吠えそうになった時や吠え始めた時にこれらのコマンドで犬の意識を吠える対象からそらし、落ち着かせる練習も有効です。コマンドに従って落ち着くことができたら、たくさん褒めてあげましょう。

環境を見直して刺激を減らす

窓の外の人や物音に反応して吠える場合は、外が見えないようにカーテンを閉めたり、窓際に目隠しになるようなものを設置したりすることで、刺激そのものを減らすことができます。また、チワワが安心して過ごせる自分だけの静かなスペース(クレートやサークルなど)を用意してあげることも、不安からくる吠えの軽減に繋がります。

十分な運動と遊びでストレスを発散させる

チワワは小型犬ですが、活発な一面も持っています。毎日の散歩や室内での遊びを通じて、エネルギーを適切に発散させてあげることは、ストレス軽減に繋がり、結果として吠えの問題を減らす効果が期待できます。運動不足や退屈は、問題行動の大きな原因の一つです。

対策グッズの活用も検討する

しつけと並行して、以下のような対策グッズの利用も状況によっては有効です。ただし、グッズはあくまで補助的なものであり、根本的な解決には飼い主さんの根気強いしつけが不可欠であることを理解しておきましょう。

知育トイ

中にフードやおやつを隠せる知育トイは、チワワが一人で遊びながら考える力を養い、退屈な時間を減らすのに役立ちます。留守番時や、飼い主さんが家事で手が離せない時などに与えると、吠える代わりに集中して遊んでくれることが期待できます。

口輪(マズル)

一時的に吠えることを物理的に防ぐためには口輪(マズル)も選択肢の一つですが、これはあくまで最終手段、かつごく短時間の使用に限定されるべきです。長時間の使用は犬にとって大きなストレスとなり、呼吸困難や熱中症のリスクも伴います。

また、装着に慣れさせるトレーニングも必要です。動物病院での診察時や、どうしても吠えさせたくない短時間の状況でのみ、獣医師の指示のもとで使用を検討するのが適切です。

チワワが吠え始める時期はいつ頃から?

向かい合うチワワの子犬と成犬

一般的には生後6~8週齢頃からはっきりとした吠え声が出る時期とされています。

また、警戒心や縄張り意識が芽生え始める生後2ヶ月~3ヶ月頃から、チャイムの音や見知らぬ人に対して吠え始める子が多いようです。

この時期は、犬の一生を左右する「社会化期」(一般的には生後3週齢から12~16週齢頃まで)と重なります。この大切な時期に、様々な人や犬、物音、環境に触れさせ、良い経験を積ませることで、将来的な吠えの問題を予防することに繋がります。

もちろん、個体差があり、おっとりした性格の子であればあまり吠えないこともありますし、早い時期から警戒吠えが目立つ子もいます。吠え始めたからといって神経質になりすぎる必要はありませんが、その兆候が見られたら、早めに正しい知識を持って対処を始めることが重要です。

まとめ

人に何かを訴えかけているチワワ

チワワが吠えるのには、警戒心、要求、興奮、不安、社会化不足、健康上の問題など、様々な理由があります。まずは愛犬がなぜ吠えているのか、その状況と行動をよく観察し、理由を理解しようと努めることが第一歩です。

そして、その理由に応じた対処法を根気強く実践していくことが大切です。「無視」と「褒める」を上手に使い分けるしつけ、コマンドトレーニング、環境整備、十分な運動や遊びといった基本的な対策を丁寧に行いましょう。対策グッズは補助的に使用し、頼りすぎないことが肝心です。

チワワが吠え始めるのは生後2~3ヶ月頃からが一般的ですが、個体差も大きいため、日頃から愛犬の様子をよく見て、必要であれば早めの対応を心がけましょう。

チワワの吠えのコントロールは一朝一夕にできるものではありませんが、飼い主さんが正しい知識を持ち、愛情を持って向き合えば、必ず改善の道は見えてきます。

もし、どうしても手に負えないと感じたり、しつけの方法に迷ったりした場合は、一人で抱え込まずに、ドッグトレーナーや獣医師といった専門家に相談することも考えてみてください。

愛犬とのコミュニケーションを深め、より快適で幸せな共生を目指しましょう。

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