犬のシニア期は7〜8歳ごろに突入する
犬は7〜8歳ごろになると少しずつ老いが見え始め、シニア期へと突入します。この頃になると、若い頃の元気は落ち着きを見せ始め、活動量が減ったり、ゆっくり横になって休んでいる時間が長くなったりという変化がみられることでしょう。
歳を重ねるごとに、徐々にその変化は顕著になり、10歳を超える頃には今までできていたことができなくなったり、身体的な変化によって不安障害を発症する犬も増えます。
愛犬の無理のない範囲で外へと連れ出し、外部からの心地よい刺激を受けさせてあげたり、怪我をしない範囲で軽い運動を取り入れたりすることで、急激な老いを緩やかにしてあげることは可能です。
犬が『年老いた』ときにできなくなること5選
犬が年老いたとき、どのようなことができなくなるのでしょうか。飼い主として愛犬が老いていく姿を見るのは切なく感じますが、シニア犬にあったお世話や接し方を理解するためにも覚悟しておきましょう。
1.高低差のある場所への昇降が難しい
今までは難なく昇り降りできていた階段やソファの上、ベッドの上などに、自力で登ったり降りたりすることが難しくなります。
これは、足腰の筋力が衰えてしまうため、高低差のある場所へ昇り降りする力や丈夫さに自信がなくなるからです。無理に自力で昇降させてしまうと、怪我に繋がりかねません。飼い主が抱っこしてあげたり、スロープを取り付けてあげましょう。
2.足の筋力を使った動きが難しくなる
高低差のある場所への昇り降り以外にも、足の筋力を使った動きが難しくなる傾向にあります。例えば、走ったり踏ん張ったりすることが難しくなるでしょう。
散歩でも歩く速度が遅くなり、散歩の範囲が狭まる犬も少なくありません。無理に体力を消耗させたり足を痛めたりする動きは避け、無理のない範囲で体を動かしてあげましょう。
3.トイレでの排泄の失敗
今までは当たり前のようにできていたトイレでの排泄。しかし、年老いた犬は排泄のタイミングを把握できなくなったり、歩く速度が落ちていることでトイレに間に合わなくなってしまうことも増えます。
しかし、ここで「どうして失敗したの?」と責めてはいけません。愛犬の自信喪失に繋がってしまうので、「大丈夫だよ」と優しく声をかけて片付けてあげましょう。
4.感覚器官で周囲の状況を判断できなくなる
視力や聴覚、嗅覚といった感覚器官が衰えるため、周囲の状況が把握しにくくなるという変化も徐々に見え始めます。
今までは目で見て確認できていたことも目視で捉えることができなくなったり、聴覚が衰えて反応に遅れたりといった変化です。
これにより、飼い主が近づいていることに気づけず、驚いて咄嗟に攻撃的な行動をとってしまう犬もいるので注意しましょう。
5.あらゆる認知能力の衰え
あらゆる認知機能が衰えてしまい、自分の状況を把握・認識できなくなる犬も増えます。最近注目されている『犬の認知症』です。
例えば、飼い主のことがわからなくなってしまったり、昼夜逆転したり、自分が今どこにいるのかわからなくなるといった症状があります。
認知機能の衰えから不安が増すので、不安そうに鳴いたり夜鳴きが増えるといった行動の変化がみられることもあるでしょう。
年老いた愛犬と接するときに気をつけるべきこと
年老いた愛犬と暮らすためには、愛犬が心地よく、なるべく不安にならないように接することが大切です。
- なるべく視界に入る位置から近づく
- 触れる前に声をかけて反応があるか確認する
- 失敗しても叱らない
- 運動は無理のない範囲で取り入れる
- 歩けない場合でもドッグカートや抱っこなどで外の空気に触れさせる
- スキンシップを増やして不安を軽減してあげる
- 愛犬が過ごすスペースにぶつかりそうなものは置かない
他にも愛犬が過ごしやすいように、寝床から近い位置にトイレを設置したり、フローリングで滑らないようにマットを敷いてあげたり、高低差のある場所にはペットスロープを設置してあげるなど、生活環境にも配慮してあげましょう。
まとめ
犬も年老いていくと徐々に今までできていたことができなくなります。飼い主さんは最期の時まで寄り添い、愛犬が安心して穏やかに生活できるように配慮してあげましょう。