犬のしっぽの役割
コミュニケーションをとる
しっぽの役割と聞いて真っ先に思い浮かべるのがコミュニケーションをとるため、というものではないでしょうか。
犬は感情を表すときに、人間と同じように表情を変えたり、耳を動かしたりします。
そしてとくにわかりやすい変化が見られるのがしっぽです。
しっぽを左右に振ったり、だらんと垂らしたり、真っ直ぐ立てたり、それだけで犬がどういう状態なのかとてもわかりやすくなっています。
また飼い主さんとのコミュニケーションだけではなく、犬同士のコミュニケーションでもしっぽは重要な役割を持っています。
しっぽは犬にとって大事なコミュニケーションツールとなっているということです。
バランスや舵取り
犬はしっぽを上手に使ってバランスを取ります。
抱き上げたときにしっぽが妙な動きをしているのを見たことはありませんか?それは自分でどうにかバランスを取ろうとしているからです。
また走っている途中で方向転換をする際にもバランスを取るために尻尾を動かすことがあります。
しっぽは方向転換を助ける働きもあるのです。ボディバランスを保つためのおもりとして機能しているようです。
速度の低下や転倒防止の役割があります。
体を保温する
寒い時期、犬が体を丸めて寝ているのをよく見ますよね。
しっぽが長い犬であれば尻尾で顔のあたりを隠していることもあります。
実はしっぽで鼻先を覆っています。犬にとって呼吸器を保湿することで体の体温を逃さないようにしているのです。
しっぽで鼻先を保護して、冷たい空気を入れないようにする役割もあります。
敵から身をまもるため
犬だけではなくしっぽがあるほとんどの動物に当てはまることですが、しっぽの役割のひとつに外敵から身を守るというものがあります。
敵といっても大きな生き物ではなく、虫などの小さな生き物です。
虫は体に卵を産み付けたりするものもいるため、放っておくと危険なのです。
とくに肛門周辺は排泄器官であるため虫が寄ってきやすくなっています。
肛門周辺に寄ってきた虫を追い払うのがしっぽの役割です。
家庭で飼われている犬は清潔な環境にいるため、あまりそういった姿を見ることはありませんが、しっぽには本来そういった役割もあるのです。
犬のしっぽが折れてしまう原因
犬のしっぽは柔軟に動くので、骨がないと勘違いしている方も多いと思います。
しっぽは「尾骨」という小さな骨が細長くつながっているため、細かく動かすことが可能になっているのです。
そのため何か強い力がくわわると、骨は折れてしまいます。
犬自身の力も強いため、犬自身の力によって折れてしまうこともあります。
また痛みにも鈍感なので、犬も気が付かないうちに折れているといった場合もあります。
骨折の原因としては、交通事故や喧嘩、何かにぶつかる、骨密度の低下、過度な運動、骨の主要など様々です。
骨折にも種類があり、弱いところに同じ力がくわわり続けることで骨が折れる疲労骨折や、骨にヒビがはいる亀裂骨折、筋肉や靭帯が強い力でひっぱられたときに起こる剥離骨折、押しつぶされたときに起こる圧迫骨折などがあります。
状況によって、どの原因でどういった骨折になるのかは変わってきます。
しっぽが折れてしまったときは?
折れてしまったときの症状と処置法
犬がしっぽを骨折した場合は以下のような症状があらわれます。
- しっぽが変形する
- 運動を嫌がるようになる
- 排泄がうまくいかなくなる
骨折することで動きが悪くなり、普段の生活に支障をきたすようになります。
もちろん骨折だけが原因ではないこともありますので、他になにか異変はないか確認してみてください。
注意点として、神経や血管に異常をきたしている場合は最悪の場合壊死してしまうので、もし折れていると思うのであればすぐに獣医さんの元へ連れて行ってあげてください。
対処法は?
1番の対処法は動物病院に連れいていくことです。
素人が下手に処置をするよりも、プロである獣医さんにきちんとした処置をしてもらうことが大切です。
しかし何らかの事情ですぐには動物病院につれていけない場合は、患部の固定だけをしておくと良いでしょう。
しかし骨折をした犬は痛みから攻撃的になっている可能性があるので、無理に固定しようとせず犬が触らせてくれるなら処置をしてください。
骨折箇所に最も近い関節に簡単な副木をあて、きつくなりすぎない程度に固定してください。
これはあくまでも応急処置ですので、必ず病院へ連れていきましょう。
犬が触らせてくれない場合は、なるべく骨折した部分には負担をかけないようにして病院へ連れていってください。
まとめ
犬のしっぽは骨折しない、と思っていた方も多いのではないでしょうか。
しっぽにも骨はあり、そのため骨折もします。
原因は様々ですが、大切なのはしっぽに強い力をくわえないことです。
そしてもし骨折してしまったら、すぐに病院へ連れて行ってあげましょう。
もし何らかの事情ですぐに行けない場合は応急処置をしたり、様子を見たりしてあげてください。
痛みを感じている場合は触らせてくれないこともあるので、無理はせずなるべく早めに病院へと連れて行きましょう。