ちょっと待って!子犬のお散歩デビューの前に
新たな家族として子犬を迎えたら、すぐにでもお散歩に連れ出してあげたいですよね。特に、初めてわんこを迎える飼い主さんならなおさらそう思うのではないでしょうか?
でも、ちょっと待って!ワクチン接種は終えていますか?
わんこのお散歩デビュー前にワクチン接種が必要な理由を見ていきたいと思います。
子犬の命を守るためのワクチン接種
ワクチン接種は、子犬の命を守る上で重要な役割を果たします。
人間の赤ちゃんが生まれてから何種類もワクチンを打つのと同様に、子犬だってワクチンの接種が必要なのです。
ワクチンを3回接種する理由
1回目のワクチン接種は、一般的に生まれて45~60日頃に行います。これは、子犬が母犬から譲り受けた感染病に対する免疫(移行抗体)が、それぐらいの日数で消失するためだといわれています。
しかし、もしもまだ移行抗体が残っていたならせっかくワクチンを接種しても抗体は作られず、ワクチンの効果は失われてしまいます。
そのため、さらに1ヶ月後に2回目のワクチンを接種します。
それでも万が一移行抗体が残っていたなら、抗体が作られず子犬に感染病の危機が迫ってしまいます。念には念を、ということでさらに1ヶ月後に3回目のワクチンを接種するのです。
ワクチン接種で予防できる病気
ワクチン接種で予防できる病気は、
- ジステンバー
- 伝染性肝炎
- 犬アデノウイルス2型感染症
- 犬パラインフルエンザ
- バルボウイルス感染症
- 犬コロナウイルス感染症
- レプトスピラ感染症
- 狂犬病
などがあります。
どの病気も、一度かかってしまうと完治させることが難しい病気ばかりです。また、これらの病気は致死率が非常に高いです。
愛犬の尊い命を守るために、散歩デビュー前には必ずワクチンを接種しておかなければならないのです。
犬の社会化不足が懸念されている
ワクチンが完全に終了するのは、生後14週以降、つまり生後3~4ヶ月頃までかかってしまいます。それは、子犬にとって一番大事な時期だといわれています。
好奇心旺盛で元気いっぱい、人間でいうと2~3歳の頃にワクチンの3回の接種を待っていることで社会化不足が起こってしまうかもしれません。
子犬は生まれると、5つの段階を経て成犬へと成長します。それは、新生子期→移行期→社会化期→若齢期という流れです。この社会化期の過ごし方は、子犬の性格を決める大きな要因となるのです。
しかし、ワクチンプログラムが終了していないのに散歩デビューさせるのは、感染のリスクがあります。
そんなときに奨められているのが「抱っこ散歩」です。
抱っこ散歩とは
「抱っこ散歩」とは、その名の通り飼い主さんが子犬を抱っこして外へ出ることです。
子犬を地面に下ろさずに散歩すれば、感染症にかかるリスクは下がります。また、抱っこ散歩をすることで、外の匂いを嗅いだり、外には人がたくさんいるんだということを学ぶことができます。
お友だちを家に呼んで人に慣れさせるのもいいです。反対に、犬好きのお友だちの家に遊びに行くのもいいですね。
まとめ
子犬の散歩デビュー前にワクチン接種が必要な理由は、子犬の命を守るためです。しかし、3回の接種の間じっと家にこもりっきりなのはお勧めしません。子犬の社会化期を有意義に過ごすことが大切です。
もし、子犬の社会化期の存在を知らないでいたとしても、焦らなくて大丈夫だそうですよ。子犬の性格は1歳ぐらいまでにさまざまな要因によって決まるので、子犬と飼い主さんのペースで歩いていけばよいでしょう。
わんこの命を守るだけでなく、その後の一生を楽しく過ごせるようにしたいものですね。