介助犬とは?
介助犬とは手足や目、耳などに障がいを持つ人や自閉症など人の手助けをするために、特別な訓練を受けた犬のことを言います。
介助を行うということの他にも、精神的な支えにもなります。
また介助犬を通して社会とのつながりが深まる可能性もあります。
介助犬には以下のような種類があります。一部ですがご紹介します。
- 盲導犬
- 聴導犬
- 自閉症児向け介助犬
- 歩行介助犬
- 精神的サポートの介助犬
- 発作余地介助犬
- アレルゲン探知犬
この中で自閉症児向け介助犬は、自閉症の子供のパニックや癇癪のときにケアできるように訓練された犬のことをいいます。
また危険を予測して先回りして子供を止めたり、親に知らせたりすることもあります。
その他にも自閉症児向け介助犬の仕事は多く、自閉症の子供本人だけではなく間接的に家族の助けにもなります。
しかし日本ではあまり知られておらず、介助犬の頭数が少ないのが現状です。
まずは介助犬のことを知ることから初めてみてはいかがでしょうか。
自閉症児向け介助犬を知るために、主なお仕事を見ていきましょう。
自閉症児向け介助犬のお仕事
睡眠障害のある子の睡眠導入
睡眠のリズムのシステムになんらかの問題があり、睡眠障害が現れる可能性が高いため、介助犬の助けを借りて眠れるようにします。
睡眠障害の状態が続くことで日常障害に支障をきたすため、改善しなければいけません。
介助犬は側に寄り添うことで子供を安心させ、眠れるようにします。
介助犬のおかげで子供の睡眠障害に悩まされていた家族も眠れるようになります。
パニックが起こったときに対処する
自閉症の子供は過度の刺激や、予期せぬ出来事などでパニックを起こすことがあります。
そんな時に介助犬は体をくっつけてパニックを起こした子供を安心させることができます。体の上から圧迫することもあります。
自閉症の子供は体を圧迫することで落ち着くことがあり、パニックが早めに治まるとも言われています。
例えば歯医者で治療をする際、パニックを起こし叫んだり噛み付いたりする子供には鎮静麻酔を打つことがあります。
海外では歯科治療に介助犬が同伴する事例もあり、介助犬を膝の上に乗せながら治療をしたところパニックにならず大人しくしており無事に治療ができたということです。
これは一例にすぎませんが介助犬の存在がパニックを起こした時や起こす前に良い影響を与えているようです。
外出時の安全確保
外出するときに子供の安全を確保してくれます。
自閉症の子供は名前を呼ばれても反応しないことがあり、周囲の危険を理解できないことがあります。
車や悪意を持って近づいてくる人たちなど危険なことはたくさんあります。
親元から離れてしまって事故や事件に巻き込まれる前に、犬が危険だと判断して子供の行動を止めるように動きます。
子供は犬の動きに従って止まるため、危険を防ぐことができます。
また、万が一子供が走っていってしまったり、親元から離れてしまったりした場合は追跡するように訓練されています。
介助犬がいることで親が子供の世話を安心して行えるようになります。
深い関係性を持たせる
自閉症の子供はクラスメイトや家族などと深い関わりを作ることができなかったり、苦手であったりします。
しかし犬の場合には心を開いて友達になることが多く、人とは作れなかった信頼関係を築くことができます。
またクラスメイトや家族以外でも信頼関係を築くことで子供に安心感を与えることができます。
自分を傷つける行為を止める
自分の体を傷つける自傷行為は本人や家族にとってとても深刻で難しい問題のひとつです。
自分を叩く、殴る、体を何かにぶつける、自分自身を噛む、切り傷をつけるなど、様々なケースがあり本人では止められない場合が多くあります。
その時に体を寄せて止めたり、寄り添って落ち着かせようとします。
自閉症児向け介助犬はそんな苦しい時にも対処してくれ、一緒に居られる存在です。
日本ではあまり知られていない
日本ではまだまだ盲導犬、聴導犬、身体的な介助犬以外の介助犬についてはあまり知られていません。
自閉症児向け介助犬による事例も海外のものが多く、日本の事例はあまり見かけません。
知ってもらうためには普及しなければいけませんが、訓練できる施設や人材が少ないため少し難しいのが現状です。
しかしこれから自閉症児向け介助犬が広がることで、多くの自閉症の子供が安心できる日常を送ることができるかもしれません。
まとめ
自閉症の子供の側に寄り添い、危険な行動を防いでくれる自閉症児向け介助犬は大事なパートナーとなっています。
あまり馴染みがなかったかもしれませんが、これを機会に知ってほしいと思います。
ひとりひとりが自閉症児向け介助犬という存在を知ることが普及への第一歩となります。
今現在、症状で苦しんでいる子供や家族の皆さんの手助けになってくれたらと思います。
海外だけではなく、日本でも自閉症児向け介助犬が広まってくれたらいいですね。