シニア犬の魅力をもっと知ってもらいたいと一風変わった里親探しを開催

シニア犬のためのスペシャル・イベント

アニマル・シェルターや動物ボランティア団体などに保護された犬たちの中で、子犬たちは、そのかわいらしさからわりとすぐに里親が見つかるのですが、シニア犬たちに対しては、残念ながら人々からの注目度が比較的薄いのが現状です。

そんなシニア犬たちになんとか里親を見つけてあげたいと、この度、シニア犬のためのスペシャル・イベントが米国フロリダ州タンパベイ地区にて開催されました。それがこれからご紹介する『シニア・プロム』です。

『シニア・プロム』

”プロム”とは『プロムナード』の略語で、米国やカナダなどの高校の最終学年の最後に開かれるフォーマルなダンスパーティーのことで、それは『シニア・プロム』と通常呼ばれています。

今回は、それをシニア犬たちのために行うという試みでした。

プロムを主催したのは、”The Dog House of Safety Harbor”という同州のペット用品店で、普段からこの店は収益金の一部を動物保護活動のために寄付しているそうです。

複数の動物保護団体に対して、5歳～15歳までの保護犬たちをドレスアップさせて、プロムに参加するよう招待状が届けられました。

プロムの目的

このイベントの創設者の1人であるテリー・ミークスさんは「フロリダ州タンパベイ地区だけでも、数先頭のシニア犬たちが里親を必要としています。彼らの残された時間を暖かい家庭の中で、安心して過ごさせてやりたいと考えています。これらシニア犬たちには、これまでの彼らの犬生の中でいろいろ学び身に着けて来た素晴らしい気質が備わっています。そんなシニア犬たちのことを、このプロムを通じてもっと多くの人々に知ってもらい、彼らの永遠の家を見つけてやりたいと私たちは心から願っています。」とプロム冒頭にてスピーチしました。

イベント満載のプロム

プロムでは、ドレスアップした犬たちがレッドカーペットの上を歩き、その優雅さを競うコンテストなどの様々な楽しいイベントが行われました。

素敵なドレスや紳士的なスーツなどを身にまとったシニア犬たちは、その魅力を参加者たちにアピール、里親希望者たちの注目と関心を集めました。

このプロムでは、ダンスやラッフル（寄付集めを目的とした福引のような抽選会）、犬達との触れ合いコーナーなど、様々な楽しいイベントが行われました。

コンテスト

中でも最も注目を集めたのが、メインイベントだったコンテストです。審査員たちがプロムに参加したシニア犬たちの中から、衣装、お行儀など総合的に審査し、プロム王とプロムクィーンを選びました。

この日、プロム王として輝いたのは、”チェ”と名付けられた8歳のオスのチワワミックス犬でした。

彼は、元の飼い主が病気になってしまい、世話をすることができなくなったため、動物保護団体に引き取られた犬でした。

プロムクィーンに輝いたのは、10歳の”ニーナ”という雌のピットブルミックス犬で、通りを彷徨っていたところを捕獲され、郡のアニマルシェルターで殺処分される前日に、動物保護団体によって救出された犬でした。

プロムの結果

今回のプロムには40頭以上のシニアの保護犬たちが参加しました。そして、このプロムがきっかけとなり、そのうちの6頭に里親が決まったそうです。更にたくさんの問い合わせが入っているとのことでした。

プロムに参加したすべてのシニア犬たちが人々と一緒になってプロムを楽しみ、そして、シニア犬の素晴らしさを十分にアピールできたそうです。

最後に

こういうイベントを開催することで、たくさんの人たちが集まりますし、また、人と犬が一緒になって楽しめ、犬たちに対する親近感も自然と沸いてくるので、とても素晴らしい試みだと感じました。海外でのこういうイベントが日本でも何か参考になればと願います。

シニア世代の保護犬たちはそれなりに魅力をもっています。もっと日本も保護犬及びシニア犬たちに対していろんな意味で見直してほしいと思います。

「Angela Hunt」写真館のWebにプロムでの写真がもっとたくさん掲載されていますので、是非ご覧ください。▼
https://angelahunt.smugmug.com/Portraits/Pets/The-Senior-Prom-2017/

参考記事▼
https://www.thedodo.com/senior-prom-for-older-dogs-2354170276.html

※なお、この記事及び写真の掲載に関しましては、今回のプロム関係者で写真撮影を担当した”Angela Hunt”写真館に承諾をいただいております。