太りやすい犬種5選

肥満は愛犬の健康の大敵であり、さまざまな病気を引き起こすだけでなく、寿命を縮めてしまうこともあります。どの犬にも肥満になるリスクはありますが、中には体質や遺伝的に「太りやすい」とされている犬種も存在します。
そうした犬種を飼っている方や、これから迎えようとしている方は、愛犬を肥満から守るために、より一層の注意を払わなければなりません。ここでは、「太りやすい」とされている犬種の中から5種をピックアップしてご紹介します。
1.キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
穏やかで愛情深い性格のキャバリアは、上品で優雅な見た目とは裏腹に、食欲旺盛な子が多く、太りやすい体質でもあります。
この犬種は遺伝的に心臓疾患(僧帽弁閉鎖不全症)にかかりやすいため、肥満によって心臓に過度な負担をかけないよう注意が必要です。初心者でも飼いやすい犬種ですが、長生きしてもらうためには、徹底した食事管理が欠かせません。
2.パグ
愛嬌のある顔立ちが人気のパグは、食欲旺盛で太りやすい犬種です。
パグのような短頭種(鼻ペチャの犬種)は体温調節が苦手なため、暑さに非常に弱く熱中症のリスクが高いですが、肥満はそのリスクをさらに高めてしまいます。命に関わる熱中症のリスクを回避するためにも、パグ本来の筋肉質でガッチリとした体型を維持することが大切です。
3.ダックスフンド
ダックスフンドは、体のサイズによってスタンダード、ミニチュア、カニンヘンの3種に分類されます。
猟犬としてのルーツを持ち非常に活発ですが、家庭犬として生活していると必要な運動量を確保するのが難しく、運動不足になりがちです。さらに食欲も旺盛なため、太りやすい傾向にあります。
ダックスフンドの「胴長短足」という体型は、椎間板ヘルニアを発症しやすく、肥満によって背骨への負担が増すと、そのリスクはさらに高まってしまいます。
4.ビーグル
セントハウンド(優れた嗅覚で獲物を追跡する猟犬)として活躍してきたビーグルは、とにかく食べることが大好きです。非常に食いしん坊なため、欲しがるままに食事やおやつを与えていると、あっという間に太ってしまいます。
先天的な病気が少なく丈夫な犬種ですが、肥満が原因で健康を損なわないように注意が必要です。
5.ラブラドール・レトリバー
ラブラドール・レトリバーは温和で優しい性格のため、大型犬の中でも人気のある犬種ですが、非常に食欲旺盛で太りやすいです。
近年の研究では、POMC遺伝子の変異やDENND1B遺伝子が、ラブラドール・レトリバーの強い食欲や肥満に関与しているとされています。遺伝的背景から際限なく食べてしまう傾向があるため、食事やおやつの量だけでなく、盗み食いや拾い食い、ゴミ箱あさりにも気をつけなくてはなりません。
犬の肥満が引き起こす危険な症状

肥満は単に見た目が変わるだけでなく、犬の健康に悪影響を及ぼします。そして、その悪影響はさまざまな症状として表れます。ここからは、犬の肥満が引き起こす危険な症状を3つご紹介します。
1.関節や背骨の痛み
犬が太りすぎると、足腰の関節や背骨に大きな負担がかかり、関節炎や椎間板ヘルニア、膝蓋骨脱臼(パテラ)といった痛みを伴う疾患を引き起こすリスクが高まります。
関節や背骨に痛みがあると動くのを嫌がるようになるため、運動量が減ってさらに太ってしまうという「負のスパイラル」に陥りやすいです。
2.呼吸困難
犬が太って首周りに脂肪がつくと、気管が圧迫されて、呼吸困難を引き起こすことがあります。
また肥満は、気管が押し潰されたように変形する「気管虚脱」という病気を誘発したり、悪化させたりする要因になります。気管虚脱が悪化すると、重度の呼吸困難に陥ります。特に小型犬は気管虚脱になりやすいため、肥満にならないように注意しましょう。
3.耳や皮膚のかゆみ
肥満になると、皮脂が過剰に分泌されたり、脂肪が段になって皮膚の通気性が悪くなったりするため、真菌や細菌が繁殖しやすくなります。その結果、耳や皮膚に炎症が起こり、かゆみが生じることが少なくありません。
ある調査では、体脂肪率が37%以上の犬は、強いかゆみを伴う「マラセチア性外耳炎」と「膿皮症」の発症リスクが高いという結果が報告されています。
肥満を予防するために改善すべき生活習慣は?

肥満を予防することは、愛犬の健康を守ることにつながります。日々の何気ない生活習慣が、知らず知らずのうちに愛犬を肥満にしてしまうこともあるため、注意が必要です。愛犬がいつまでも元気で過ごせるように、現在の生活習慣を見直し、改善していきましょう。
ここでは、愛犬の肥満を予防するために改善すべき生活習慣を3つご紹介します。
1.食事やおやつを与えすぎない
犬の肥満の原因の多くは「食べすぎ」です。食事やおやつを与えすぎることが、愛犬を肥満へと導いてしまうのです。
ドッグフードは、愛犬の年齢や健康状態に合ったものを選び、適正量を守ることが重要です。
フードのパッケージに記載された給与量はあくまで目安であり、活動量や体型、代謝には個体差があります。記載の給与量通りに与えているのに愛犬が太っていくようであれば、獣医師に相談して、適切な量に調整しましょう。
また、忘れてはならないのが「おやつは別腹ではない」ということです。おやつは、愛犬の1日に必要なエネルギー量(カロリー)の10%以内に抑え、与えた分だけ主食のフードを減らし、1日に必要なカロリーを超えないようにしましょう。
2.運動不足にしない
運動不足は消費カロリーを減少させ、肥満につながります。毎日の散歩や遊びを通じて運動不足を解消し、適切にカロリーを消費させましょう。
ただし、運動は「適度」であることが大切です。過度な運動は、愛犬の関節や心臓に負担をかけてしまう恐れがあります。愛犬の年齢や体力、そして当日の体調などに合わせて、運動量を調整してあげましょう。
3.定期的に体型と体重をチェックする
愛犬の体型や体重を気にしないでいると、「いつの間にか肥満になっていた」ということになりかねません。最低でも月に1度は、愛犬の体型と体重をチェックする習慣をつけましょう。
愛犬が適正な体型かどうかは、BCS(ボディ・コンディション・スコア)でチェックできます。犬のBCSは、5段階または9段階で評価します。5段階評価の場合、BCS3が理想的な体型です。BCS3は、肋骨が薄い脂肪に覆われて触ることができ、上から見ると腰に適度なくびれがある状態を指します。
まとめ

今回は、太りやすい犬種を5種ご紹介しました。ご紹介した犬種以外にも太りやすい犬種はいます。また、太りやすいとされていない犬種でも、食べすぎなどによって肥満になる可能性は十分にあります。
犬が肥満になると、関節や背骨の痛み、呼吸困難、耳や皮膚のかゆみといった危険な症状が表れる恐れがあります。そのような症状に愛犬が苦しまないように、生活習慣を改善して、肥満を予防しましょう。



