犬がマダニに刺されたときに現れる3つの症状

1.発赤や腫れ、炎症
犬がマダニに刺されたときにまず現れる症状が、発赤や腫れです。
マダニは犬の体に寄生して吸血するとき、鋭くとがった口器を皮膚に突き刺します。さらに、動物に痛みで気づかれないように、麻酔のような物質を分泌しています。
それらが原因で、皮膚に赤みが出たり腫れたりすることがあります。アレルギー反応によって、皮膚が炎症を起こすこともあり、刺された部分を中心に赤みや腫れが周囲まで大きく広がることも少なくありません。
犬のボディケアをするときは、時々毛をかき分けて皮膚の状態もチェックしてみるといいでしょう。
2.かゆみ
犬がマダニに刺されたとき、刺されたことの痛みを感じることはほとんどないと思います。
しかし、刺された後にかゆみを感じることは多く、犬が体を掻く様子が見られることがあるでしょう。
前述した麻酔様の物質や吸血時に口器を皮膚に固定するための物質などが原因で炎症を起こし、強いかゆみを発生させることがあります。
特に、寄生期間が長く複数個所を刺されている場合などは、皮膚のかゆみや不快感が強くなると思います。
かゆみを感じると犬は後ろ足を使って体を掻いたり、地面に体をこすりつけたりします。
一時的なことであれば問題ありませんが、くり返しおこなっていると皮膚が傷ついてしまうこともあります。出血したり、傷口から雑菌が入って皮膚炎が悪化したりすることもあるので、注意が必要です。
犬がかゆがっている様子を見たら、皮膚の状態をチェックしてみましょう。赤みや腫れがあったり、掻くことが治まらなかったりするときは、動物病院を受診するようにしてください。
3.貧血
こまめにお手入れされている家庭犬の場合は、あまりないかもしれませんが、マダニの寄生によって貧血になることもあります。
マダニは自分が生きるために動物の血を吸っていて、状況によっては長期間動物の体に寄生し続けることもあります。
そのため、野良犬や十分なケアをされていない犬の場合、マダニが長期間または大量に寄生してしまい、吸血されすぎてしまうことがあるのです。
また、吸血量が多いだけでなく、感染症によって赤血球に寄生して溶血性貧血を引き起こすこともあります。
マダニによる感染症リスクとは?

マダニは皮膚に赤みやかゆみを引き起こすだけでなく、感染症を媒介することもあるため、注意が必要です。
マダニが媒介する病気には、赤血球を破壊して最悪の場合死に至らしめる「バベシア症」や「ライム病」、「Q熱」、「日本紅斑熱」などがあります。
どれも重篤な症状を引き起こす可能性がある病気のため、早期の発見と治療をおこなわなければいけません。
また、近年では人間にも死者が出ていることで話題となっている「SFTS(重症熱性血小板減少症)」もマダニによって媒介されます。
愛犬はもちろん、飼い主さんの健康を守るためにもマダニ対策は非常に重要なことだといえるでしょう。
犬がマダニに刺されたときの対処法

マダニに刺されたり、寄生されたりしたことがわかったら、まずは動物病院を受診するようにしましょう。
マダニを駆除するためには、獣医師に取ってもらったり駆除薬を使用したりするのが安全で確実です。
飼い主さんがマダニを見つけたときに慌てて取ろうとすると、固定された口器が抜けずに皮膚を傷つけたりマダニの頭だけが皮膚に残ってしまったりします。
また、マダニの体を強く押すことで、体液が逆流して感染症のリスクが上がることも考えられます。
マダニに刺されたことがわかっても、決して慌てず全身の状態を確認し、できるだけ早く動物病院に行くようにしましょう。
マダニを除去するための専用のピンセットや駆除のために使用できるスプレータイプの薬剤などもありますが、獣医師に相談した上で使用するようにしてください。
まとめ

犬を飼っていると、ノミやマダニに刺されるのは比較的身近な困りごとといえるでしょう。
しかし、マダニは皮膚にトラブルを引き起こすだけでなく、恐ろしい感染症を媒介する可能性もあることを覚えておいてください。
また、愛犬の体にマダニがついているのを見つけたら、むやみに取り除こうとはせず、安全に駆除できるように獣医師の指示を仰ぐことをおすすめします。



