犬が『マーキング』しようとする理由4つ
1.あいさつをするため
犬が散歩中などに色々な場所にマーキングをするのは、他の犬に対して「あいさつ」や「お知らせ」をしようとしている可能性があります。
犬の排泄物には、多くの情報が含まれていると考えられていて、そのにおいを嗅ぐことで相手のことを知ることができるのです。
犬同士が会ったときにお尻の匂いを嗅ぐのと同じで、犬の年齢や性別、そのときの体調や気分などを読み取れると考えられています。
そのため、いつも通る道や公園などでは、知り合いの犬に対してあいさつをするつもりでマーキングをしているのでしょう。
また、他の犬がマーキングをした上からマーキングする犬も多くいますが、これは「返事」をしているということになるのかもしれません。
さらに、発情期のメス犬の場合は、それをアピールするためにフェロモンが分泌されたおしっこを多くの場所にすることがあります。普段はマーキングをしない犬でも、発情期のみするようになることは珍しくありません。
2.縄張りを主張するため
犬のマーキングの理由として、広く知られているのが「縄張りの主張」ではないでしょうか。
前述したように、尿や肛門腺から出ている分泌液にはその動物の個体情報などが含まれているので、自分の縄張りだと考えている場所にそれらを使って印(マーク)をつけています。
いつも通る道などにマーキングをするのは、あいさつと合わせて「ここは自分の場所だ!」ということを他の犬にアピールしていることが考えられます。
特に、他の犬がマーキングした場所の上からマーキングすることで、より強い主張をしているのです。
3.ストレスを感じている
犬は強い不安や欲求不満などでストレスが溜まっているときにも、マーキングをすることがあります。
あいさつや縄張りの主張のためにおこなうマーキングとは異なり、誰かに何かを伝えようとしているわけではなく、気を紛らわしたり気持ちを落ち着かせたりするためにおこなっていると考えられています。
また、初めて行った場所や慣れていない場所でマーキングをおこなうのは、自分のにおいをつけることで安心感を得ようとしていることも考えられます。
このような状況になることが予想されるときは、叱るようなことはせず、マナーベルトやおむつを利用するなどして対策をしておきましょう。
4.トイレトレーニングができていないため
自分の家の中であちこちにおしっこをしてしまう場合、マーキングというわけではなく、トイレトレーニングがしっかりと完了していない場合もあります。
犬は排泄物のにおいがついている場所に重ねてする習性があるため、室内の色々なところでおしっこをしてしまうとトイレをきちんと覚えられずに、マーキングのように様々な場所にしてしまうことがあるのです。
犬のマーキングから考えられる病気は?
普段はマーキングをしない犬が、頻繁にあちこちでおしっこをするようになった場合は注意が必要です。
成長や環境の変化でマーキングをするようになる犬もいますが、それらにも当てはまらない場合は泌尿器系の病気を発症している可能性もあります。
おしっこの回数が極端に増減したり、おしっこは出ていないのに排泄の姿勢になったりする様子が見られたら、膀胱炎や尿路結石などになってしまっていることもあるので注意深く観察しましょう。
そのほかにも外傷や腫瘍など様々なトラブルの原因が考えられるので、少しでもおかしいと感じたら一度動物病院で検査を受けることをおすすめします。
まとめ
犬のマーキングは通常の排泄行為とは意味が異なり、犬同士のコミュニケーションの手段だと考えられています。
マーキングによってにおいを届けることで、お互いの近況や情報を伝え合っていることがあるだけでなく、縄張りを広く主張していることもあります。
ただし、なかには病気が原因となっている場合もあるので、日頃からしっかりと愛犬の様子を観察して異変を感じたら獣医師に相談してみてください。