犬の『逆くしゃみ』って何?放っておいても大丈夫?心配すべき症状まで解説

犬の『逆くしゃみ』って何?放っておいても大丈夫?心配すべき症状まで解説

人間にはない犬の『逆くしゃみ』という現象をご存知でしょうか?通常のくしゃみとは異なる逆くしゃみについて、さまざまな角度から解説します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬の『逆くしゃみ』とは?

くしゃみする犬

人も犬も風邪のときや鼻に違和感を覚えたときなどに「クシュンッ」というくしゃみをします。では「逆くしゃみ」という現象はご存知ですか?人にはなく主に犬に見られる、鼻や喉の奥に刺激を感じたときに息を強く吸い込む現象です。

その音は「ブーブー」「ズーズー」と豚の鳴き声のようにも聞こえますが、実際に音が出ているのは鼻や喉の奥です。多くの場合は数秒~1分以内にはおさまり、その後は犬自身もケロッとしています。しゃっくりと同じ「反射行為」であるため、自分の意志ではどうにもなりません。

逆くしゃみの原因

逆くしゃみが起こる原因はさまざまですが、代表的なものは以下の通りです。

  • 鼻に異物が混入し刺激されたため
  • 犬種による特性
  • 興奮時や運動後
  • 腫瘍や気道疾患などの病気

鼻への異物混入のほか、ホコリや花粉、乾燥した空気などを吸い込むことが刺激となり逆くしゃみが起こります。アレルギー体質の犬は注意が必要です。

鼻腔が狭いパグやフレンチブルドッグなどの短頭種は逆くしゃみが起こりやすい犬種です。また、興奮時や運動後は気道が刺激されやすいため、おのずと逆くしゃみが発生しやすくなります。

逆くしゃみから疑われる病気は、鼻・喉・気道の疾患や腫瘍によるものです。この場合は逆くしゃみを治そうとするのではなく、逆くしゃみを引き起こしている病気の治療が必要となります。

放っておいて大丈夫?

苦しそうなチワワ

逆くしゃみは眠っているとき、食事や遊びの後など日常のさまざまな場面で突然現れます。見たことがないと大きな音を出しながら苦しそうな愛犬の様子にひどく心配になることでしょう。

しかし前述の通り、しゃっくりと同じ反射的な行為です。数秒~1分程度のうちにおさまり、かつ犬自身が何事もないようにケロッとしているなら特段の心配はいりません。激しい症状ですが、犬にとっては苦しいわけではないようです。

逆くしゃみを引き起こしやすい要因はあるものの、予防のためのケアは存在しません。そして、逆くしゃみの裏には他の病気が隠れている可能性もあります。特にシニア犬が逆くしゃみを頻発する場合は、一度かかりつけ医を受診しましょう。

病気の可能性も!心配すべき症状

くしゃみする柴犬

愛犬の逆くしゃみに過剰反応する必要はありませんが、以下のような症状が見られる場合は注意が必要です。

  • 1日3回以上の高頻度
  • 2分以上続く
  • 発作後も呼吸が荒く苦しそう
  • 食欲や元気が落ちている

これらの症状が見られる場合は何らかの病気の可能性を考慮し、早めに動物病院を受診してください。逆くしゃみの様子を撮影しておくと診療がスムーズに進むこともありますので、可能であれば記録しておくとよいでしょう。

逆くしゃみと間違えやすい危険な病気

「ブーブー」「ズーズー」といった逆くしゃみは特有の音を発します。しかし、一見似たような症状ながら別の病気であったという事例も案外多いのです。

  • 「ガーガー」と呼吸音がする『気管虚脱』
  • 「ケッケッ」と乾いた咳の『僧帽弁閉鎖不全症』

こういった呼吸器と心臓の疾患との判別が必要となりますが、逆くしゃみとの区別は難しいもの。少しでも不安を覚えるようであれば、迷わずかかりつけ医を受診しましょう。

まとめ

下を向き苦しそうなチワワ

犬の逆くしゃみは、それによって苦しさを感じることはないといわれています。基本的には発作が起こっても数秒~1分程度で終わるものなので、そばで見守っているだけで十分です。

しかしながら、逆くしゃみの裏に他の病気が隠れていたり、逆くしゃみと似た症状を示す別の病気も存在します。

また頻度が多く時間が長い場合や、今までほとんど見たことがなかったシニア犬が逆くしゃみをする場合には注意が必要です。

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