犬が「ぐるぐる回ってしまう」4つの理由
1.興奮や喜び
犬がぐるぐる回る行動は、興奮や喜びの表現であることがよくあります。飼い主が帰宅した際や、おやつをもらう前、散歩に出かける前など、嬉しい出来事を予感した時に、感情が高ぶってその場でくるくると回り始める子は多いのではないでしょうか。
このような行動は、喜びを全身で表現しているサインであり、犬の健康に問題があるわけではありません。尻尾を激しく振りながら回ったり、楽しそうな表情で回ったりする場合は、ポジティブな理由である可能性が高いでしょう。
2.遊びや要求
犬は飼い主の気を引くために、遊びや要求としてぐるぐる回ることもあります。例えば、「遊んでほしい」「かまってほしい」という気持ちを伝えるために、飼い主の前でわざと回ってみせるのです。
この行動は、過去に回ることで飼い主が構ってくれた経験から学習したもので、遊びへの誘いのひとつと言えます。この場合、犬は飼い主とアイコンタクトを取ろうとしたり、おもちゃをくわえて回ったりすることが多いでしょう。
3.本能的な行動
犬が寝る前などにぐるぐる回るのは、本能的な行動のひとつです。野生時代の犬は、敵から身を守るため、また寝床の地面を平らにならすために、草むらを足で踏み固めるようにして回っていました。
この習慣が現代の犬にも残っており、快適な寝床を確保しようと、本能的にその場でくるくる回る行動が見られます。この行動は、病気やストレスとは関係なく、犬が安心して眠るための自然な行為です。
4.病気からくる行動
犬が回る行動の背景に、病気が隠れている場合もあります。特に、同じ方向ばかりに執拗に回る、体を傾けて歩く、ふらつくといった症状を伴う場合は注意が必要です。
内耳炎や前庭疾患といった平衡感覚を司る器官の異常、あるいは脳腫瘍や認知症(CDS)といった脳の病気が原因となっている可能性があります。これらの病気は、犬が自分の意志とは関係なく、体のバランスを保てずに回ってしまう状態を引き起こします。
動物病院を受診する必要のあるケース
犬がぐるぐる回る行動に、以下のような症状が伴う場合は、早急に動物病院を受診する必要があります。
同じ方向ばかりに回り続け、なかなか止まらない、体を傾けて歩く、またはまっすぐ歩けずにふらつく、食欲不振や嘔吐、下痢が見られる、瞳が左右に揺れる(眼振)、元気がない、または呼びかけに反応しないといった症状が見られたら、平衡感覚や脳に異常がある可能性があります。
これらのサインは、内耳炎や前庭疾患、脳腫瘍などの病気が進行している可能性を示しているため、迷わず獣医師に相談しましょう。
飼い主がとるべき適切な対応
犬がぐるぐる回る原因が興奮や遊びである場合は、犬の要求に応えてあげましょう。ただし、病的な行動の兆候がないか、注意深く観察することが大切です。
回る行動に異変を感じたら、まず周囲に危険なものがないか確認し、安全を確保してください。その後、回る頻度や時間、回る方向、その他の症状(ふらつき、吐き気など)を詳細に記録し、動物病院に持参しましょう。
動画を撮影しておくのも有効です。獣医師に正確な情報を伝えることで、病気の早期発見と適切な治療につながります。
まとめ
犬が回る行動には、喜びや遊びといった微笑ましい理由から、病気が原因の深刻なケースまでさまざまです。
飼い主は日頃から愛犬の行動を注意深く観察し、異変のサインを見逃さないことが大切です。気になる症状がある場合は迷わず動物病院を受診し、愛犬の健康を守ってあげましょう。