犬用歯磨きガムの正しい与え方
愛犬のお口のケアにはさまざまな方法がありますが、中でも飼い主がよく選ぶのが犬用歯磨きガムです。
歯ブラシによるケアは、犬が嫌がってなかなか口を開けてくれなかったり、飼い主の手を噛んでしまったりと、スムーズにいかないことも多いですよね。
その点、犬用歯磨きガムは犬にとっては“おやつ感覚”で楽しめ、飼い主にとっても手軽に取り入れられるのが魅力です。
しかし、与え方を間違えるとトラブルの原因になることもあります。
実際に筆者は「肥満になったこと」「喉に詰まりそうになったこと」「ガムを要求して吠え続けるようになったこと」「全身麻酔での歯石除去手術を2回行ったこと」といったトラブルを経験しました。
「歯磨きガム」とは言っても、それだけで歯垢や汚れを完全に落とすことはできません。使い続けるうちに歯石は溜まり、成犬に多くみられる歯周病を防ぐことも難しいです。
だからこそ、歯ブラシなどを使った毎日のケアと併用し、歯磨きガムを正しく活用することが大切です。
今回は、歯磨きガムの正しい与え方について解説します。
1.永久歯に生え変わってから与える
犬用歯磨きガムは、永久歯に生え変わってから与えるのが理想です。
「乳歯のうちに与えてはいけない」というわけではありませんが、明確に「何歳からOK」といった決まりはありません。
ただし、永久歯は一度抜けてしまうと再び生えてくることはありません。歯磨きを怠ることで抜歯が必要になり、大切な歯を何本も失ってしまうケースもあります。
だからこそ、歯磨きガムはあくまで補助アイテムとして、永久歯が生えそろってから使い始めるのがよいでしょう。
2.消化管が十分に発達してから与える
歯磨きガムを与える際には、消化管の発達具合にも注意が必要です。
主原料が牛皮である歯磨きガムは、消化されるとはいえ、完全に胃の中で溶けるわけではありません。そのため、消化不良を引き起こす可能性があります。
- 消化管が未発達な子犬には、積極的に与えるのは避ける
- 消化機能が低下しているシニア犬も、量や頻度に注意する
- 健康な成犬であっても、普段から下痢や嘔吐など消化トラブルを起こしやすい場合は避ける
愛犬の体質をよく見極めたうえで、適切な量を与えるようにしましょう。
3.丸飲みできないサイズを与える
歯磨きガムを選ぶときは、丸飲みできない大きさのものを選ぶことが大切です。
喉に詰まらせたり、最悪の場合は窒息につながる危険性もあります。
たとえ丸飲みしなくても、よく噛まずに飲み込んでしまうタイプの犬には、与えない方がよいことも。
愛犬の咀嚼のクセを把握し、安全に噛んで食べられるサイズのガムを選んであげましょう。
まとめ
犬用歯磨きガムの正しい与え方を3つ解説しました。
- 永久歯に生え変わってから与える
- 消化管が十分に発達してから与える
- 丸飲みできないサイズを与える
犬も人間と同じように、毎日の歯磨きが必要です。歯磨きを怠ると、歯垢は3~5日ほどで歯石へと変化してしまいます。
いくら歯磨きガムを与えていても、それだけでは口腔内の汚れを完全には除去できません。
歯磨きガムはあくまで補助的な存在。毎日少しずつでも、歯ブラシなどを使ったデンタルケアを習慣化することが大切です。