犬が飼い主から離れようとしない心理
犬が飼い主さんから離れようとしない心理には、可愛らしいものから少し心配になるものまで様々なことが考えられます。
愛犬の様子をしっかりと観察しながら、その心理を探ってみてください。
1.大好きな人と一緒にいたい
飼い主さんがくつろいでいるときにそばに来て寄り添ったり、帰宅後に後をついて回ったりといった様子はとても愛らしいものですよね。
このような行動を取る犬は、単純に飼い主さんのことが大好きでそばにいたいと思っていることが考えられます。
犬はコミュニケーション能力に優れた動物であり、仲間と一緒にいることに安心感を感じる動物でもあります。
そのため、大好きで信頼できる飼い主さんのそばにいることで、幸せを感じるのでしょう。
2.リーダーの近くにいようとする本能
犬はオオカミなど群れで暮らす動物を祖先に持つとされています。群れ社会にはリーダーがいて、仲間と助け合って生活をします。
そのように生きていた動物の本能や習性を引き継いでいることから、自分にとって頼れる存在(リーダー)である飼い主さんのそばにいようとすることは、ごく自然な行動です。
「何かあっても飼い主さんのそばにいれば大丈夫」と思っていることもありますし、近くにいて観察することで飼い主さんに合わせて行動しようと考えていることもあるようです。
3.かまって欲しい
家の中で飼い主さんが行く先々に犬がついて回ったり、飼い主さんが少し休むとひざに乗ってきたりする場合は、甘えたい気持ちがあるのかもしれません。
仕事や家事、育児で忙しい飼い主さんに対して「かまって欲しい」「遊んで欲しい」「自分のことを見て欲しい」と思っているとき、そばを離れようとしないことがあります。
普段は落ち着いて過ごしている犬が、こうした様子を見せるようになったら、コミュニケーションやスキンシップの時間が減っていないかなど一度生活を見直してみましょう。
4.不安を感じている
犬は不安や恐怖を感じているとき、飼い主さんのそばを離れたがらないことがあります。
この心理は人間でも理解できると思いますが、生活のなかで何らかの不安を感じたとき、ひとりでいるよりも頼りになる人のそばにいたいと思うのが自然なことでしょう。
家の外から聞きなれない音がしたときや地震があったときなど、飼い主さんにくっついて離れない犬は少なくありません。一時的な行動であれば特に問題ありませんし、そばにいて安心させてあげるべきだと思います。
しかし、飼い主さんが家にいる間中離れらない様子が見られたり、少しでも姿が見られなくなると鳴いたり吠えたりすることがあったりする場合は要注意です。
「分離不安症」という疾患にかかっている可能性が考えられるため、行動療法や薬物療法で改善を目指す必要があります。
5.伝えたいことがある
愛犬が目の前に来て飼い主さんをじっと見つめたり、行く先々について回って自分の存在をアピールしたりする場合、何か伝えたいことや要求があることも考えられます。
「遊んで!なでて!」という可愛いお誘いの場合もあれば、「トイレにいきたい!」という切実な願いの場合もあるでしょう。
なかには体調不良を感じて、漠然とした不安感から飼い主さんに訴えかけようとしていることも考えられます。
愛犬の動きや表情、全身の状態を確認して、伝えようとしていることを考えてあげてください。
まとめ
犬が飼い主さんのそばを離れようとしないことは、めずらしいことではありません。特に、一時的に見られるものであれば多くの犬に見られる行動だと思います。
飼い主さんへの愛情に基づいていたり、伝えたいことがあったりと理由は様々ですが、常に離れない場合や離れると問題行動が出るようになった場合は注意が必要です。
愛犬が「分離不安症」になると、犬にとっても飼い主さんにとっても大きな負担がかかります。できるだけ防ぐために、少しでも兆候が見られたら早めに対処することが大切です。