犬の『肛門腺絞り』絶対やってはいけないNG行為3選 正しい頻度や上手なケア方法まで

犬の『肛門腺絞り』絶対やってはいけないNG行為3選 正しい頻度や上手なケア方法まで

トリミングのコースメニューなどでもよく見かける「肛門腺絞り」ですが、間違った方法で行うと悪影響を与えてしまうこともあります。今回は、犬の「肛門腺絞り」におけるNG行為と正しいやり方を学んでいきましょう。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

️犬の「肛門腺絞り」絶対やってはいけないNG行為

肛門腺を絞られている犬

犬と初めて暮らすという人にとっては、「肛門腺絞り」は聞き慣れない言葉ですよね。

肛門腺とは犬の肛門の左右の斜め下にある袋のことで、特有の匂いを伴う分泌液が入っています。犬が他の犬との挨拶の際に相手のお尻の匂いを嗅ぐのは、他ならぬこの肛門腺から分泌される匂いを嗅いでいるのです。

肛門腺の分泌液は通常であれば排便時に自然に排出されますが、中には上手く排出できずに溜まってしまう子がいます。肛門腺液が溜まってしまうと、肛門腺炎や肛門腺破裂を引き起こす原因となるため、肛門腺の状態はしっかり把握して適切に絞ってあげる必要があります。

そこで今回は、犬の「肛門腺絞り」で絶対やってはいけないNG行為について解説します。

1.しっぽを無理やり押さえる

肛門腺を絞るためにはしっぽを上げた状態で固定しておく必要がありますが、肛門腺絞りに集中するあまりに強い力でギュッと掴んだり、無理やり押さえつけるのはNG。

犬のしっぽは、ただでさえ触られるのを嫌がる子が多い部位です。無理やり押さえてしまうと犬が拒絶してしまい、暴れたり怒ったりして肛門腺絞りどころではなくなってしまいます。

2.力任せに絞る

なるべく手早く一気に絞り上げたいという気持ちはわかりますが、力任せにギュッと絞るのは犬にとって大きな負担になります。

強い力でギュッと圧迫すると強い痛みを伴うだけでなく、場合によっては肛門腺の炎症の原因になってしまうこともあるのです。

3.肛門腺を覗き込む

このNG行為は、犬のためというより飼い主さんのためのものです。肛門腺絞りをしているときに、肛門腺を正面から覗き込むのはやめておいた方が賢明です。

肛門腺液の粘土や溜まり具合によっては、絞ったときに勢いよく飛び出すことがあるからです。

いくらかわいい愛犬のものとはいえ、肛門腺液を顔面に浴びるのは気持ちの良いものではありませんし、衛生的にもよろしくありません。

️「肛門腺絞り」の正しいやり方

診察台での肛門腺絞り

ではここからは、犬の「肛門腺絞り」の正しい頻度や上手なケア方法等について解説します。最終的にプロに依頼するとしても、飼い主の知識として知っておく必要があるでしょう。

頻度は1ヶ月に1回程度

肛門腺絞りの頻度は一般的には『1ヶ月に1回程度』と言われています。

ただし、肛門腺液の溜まり方や排出具合には個体差があり、自然に排出されるため全く絞る必要がない子もいれば、もっと頻繁に絞ってあげる必要のある子もいます。

愛犬がお尻を気にして舐めたり臭いをかいでいる、ずりずりとお尻を地面に擦り付けている、肛門腺が腫れているなどのようすが見られる場合には頻度を上げて対処するべきでしょう。

じわじわとゆっくり絞り出す

肛門腺を絞るポイントは、肛門腺の周りから中心に向けてじわじわとゆっくり力をかけて絞っていくことです。力加減は緩衝材のプチプチを潰すくらいがベストです。

肛門腺液が出てきたらティッシュやウェットティッシュでキレイに拭き取って清潔を保ちましょう。シャンプーのついでに行うのもおすすめです。

️まとめ

お尻を突き出す犬

今回は、犬の「肛門腺絞り」絶対やってはいけないNG行為について解説しました。

犬の肛門腺絞りは、一度成功してしまえばそこまで難易度は高くありません。

しかし、愛犬が嫌がってどうしようもない、上手に絞れている自信がないという場合には、トリミングサロンや動物病院でプロの手を借りましょう。

愛犬がしきりにお尻を気にしていたり実際に肛門腺が腫れている様子がある場合には、愛犬のストレスが溜まらないように適切に対応してあげましょう。

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