1.痛みを感じている
犬が甲高い声で「キャン!」「キャイーン!」と鳴くとき、多くは痛みや苦痛を感じていると考えられます。
そのため、走って遊んでいるときや散歩で歩いているときなどに、犬が突然「キャン!」と声を上げた場合、どこかを怪我して痛みを感じているのかもしれません。
脱臼や骨折など強い痛みが発生していたり、足裏を切って傷ができてしまったりしたときに、「キャン!」と鳴くことがあります。
飼い主さんが犬の足を間違って踏んでしまったときのように、一時的に痛みを感じたときだけでなく、その後も継続的に痛みが続く場合もあります。一度「キャン!」と鳴いたあとは、激しい運動は控えさせてしばらく様子を見るようにしましょう。
また、怪我だけでなく内臓疾患など目には見えない病気の痛みで、鳴き声が漏れてしまうこともあります。犬は基本的に痛みを感じていても、アピールするような行動はしません。
そのため、犬が鳴いているということは、よほど強い痛みを感じているのかもしれません。その場合は、しっかりと様子を確認し、動物病院に連れて行ってあげてください。
2.恐怖を感じている
犬は肉体的な痛みだけでなく、精神的な苦痛や恐怖を感じたときにも「キャン!」と鳴くことがあります。あまりにも強い恐怖を感じた場合、「キャンキャンキャンキャン!」と甲高い声で鳴き続けることもあるでしょう。
苦手な音が聞こえてきたときにびっくりした拍子に「キャン!」と鳴いてしまうこともありますし、抱えていた不安が限界を超えたときに鳴くこともあります。飼い主さんに助けを求めるつもりで鳴くこともあるようですが、多くの場合は無意識に鳴いてしまうようです。
また、過去に非常に怖い思いをした犬が、同じような状況になったときに「キャンキャン」と鳴き続けるということもあります。その場では怖いことをされていなくても、トラウマが呼び起こされて強い恐怖に襲われてしまうのです。
虐待を受けた保護犬などに多く見られる行動なので、保護犬と触れ合うときや里親になったときは十分配慮してあげてください。
3.降参の意思表示
犬が他の犬とあいさつしたり、遊んだりしているときに、攻撃をされたわけでもないのに「キャン!」と鳴くことがあります。このとき、伏せて低い姿勢になっていたり仰向けになってお腹を見せたりしている場合、「降参」の意思表示である可能性が高いでしょう。
激しい遊び方が嫌になって犬が「参った!それ以上やらないで」と伝えようとしていることもありますし、見知らぬ犬から威圧されたときに「敵意はないです」と伝えようとしていることもあると思います。
犬同士のボディランゲージを理解している犬であれば、こうした意思表示があれば相手にそれ以上のことはしないでしょう。
しかし、なかには理解せずにしつこくしたり攻撃をしかけたりすることがあるので、どちらかの犬が「降参」の意思を見せたら、しっかり様子を観察してください。コミュニケーションが通じていないようであれば、きちんと介入してトラブルが大きくならないようにしましょう。
「キャン」と鳴いたときに痛みを感じているサイン
犬が「キャン!」と鳴くとき、多くの場合が痛みや苦痛を感じていると考えられます。しかし、見た目にわかる怪我でなければ、犬が本当に痛みを感じているのかわからない場合もあるでしょう。
犬が体のどこかに痛みを感じているときには、他にも以下のような仕草や行動が見られる可能性があります。
- 動こうとせず、寝ている時間が長い
- お腹をかばうような寝方をする
- 食欲がなくなる
- 遊びや散歩を嫌がる
- 触れようとすると嫌がる
- 小刻みに震えている
このような仕草や行動が「キャン」と鳴いたときに一緒に見られた場合は、より注意深く観察し、不安な場合はすみやかに動物病院で診察されることをおすすめします。
まとめ
犬が「キャン!」と鳴くとき、痛みや恐怖、不安など犬にとってうれしくないトラブルが起きている可能性があります。
犬がそのように鳴いた場合、全身をチェックしたり動きや表情を確認したりして、犬に何が起きているのかしっかりと見極めてください。
もしも理由がわからない場合は、すぐに解決していることもありますが、念のためしばらくの間犬の様子を注視して、異変がないか確認しておきましょう。