1.正しくワクチン接種を行わない
犬は生後4か月頃までに、基本的に数週間おきに3回の混合ワクチン接種を行います。その後、3週間以上あけて狂犬病ワクチンも接種しなければなりません。
それまでの間は、感染症などにかかりやすい状態にあるため、他の犬との触れ合いや公園やドッグランなどでの散歩は避けるべきだとされています。(ただし、こちらに関しては、社会性を身につけることも考えて、抱っこで外出したりワクチン接種済みの成犬と触れ合わせたりして工夫をしましょう。)
このようなワクチンをきちんと接種しないと、免疫力が弱く体力の少ない子犬は病気にかかりやすいだけでなく、あっという間に重症化して死に至ることもあります。
もちろん成犬になってからのワクチン接種も大切ですが、体の弱い子犬期のワクチン接種は特に忘れずに行うようにしましょう。
2.室温・湿度管理を怠る
子犬を育てるときには、室温や湿度の管理をしっかりと行ってください。犬は暑さに弱く熱中症になりやすいとされていますが、子犬の場合は寒さにも十分な配慮が必要です。
子犬は成犬に比べて体温調節機能が未熟で、保温効果を持つ下毛も十分に育っていないことがあります。そのため、外気温や室温に影響を受けやすく、体調を崩してしまうことがあるのです。
エアコンで部屋を涼しい状態に保ったり、寒い日には暖房をつけるだけでなく毛布などを利用したりと、子犬が快適に過ごせる環境を整えてあげてください。
また、雨などで体が濡れたままの状態でいることもNGです。体が濡れていると水分が蒸発するときに、体温が奪われてしまいます。体が冷えて、最悪の場合低体温になってしまうことも考えられるので、濡れたときはすぐに乾かすようにしてください。
3.床に物を置きっぱなしにする
子犬に限らず犬を飼うときは、部屋の中をできるだけ片付けることが大切です。床や低いテーブルなど犬の手や口が届いてしまう場所には、物を出しっぱなしにしないようにしましょう。
いたずらをして飼い主さんの大切なものを噛んで壊したり、間違って飲み込んでしまったりする可能性があるからです。特に、子犬は好奇心が旺盛で様々なものに興味を持って、においを嗅いだり噛んだりして、そのものが何かを確認します。
家の中には、食べものや薬のほか、煙草の吸殻、クッションの中綿、電気コードなど、誤飲誤食によって大きな危険を招く恐れのあるものはたくさんあります。
子犬と生活する際は、いつも以上に片付けを心がけましょう。
4.すべりやすい床で生活させる
子犬を家の中で育てている家庭は多いと思いますが、犬が生活するスペースの床はできるだけすべりにくいように工夫をしましょう。
フローリングなどつるつるとすべりやすい床の上を歩くと、転んで転倒する恐れがあるだけでなく、転ばないように力を入れて歩くことで関節を痛めたり変形させたりする原因になるのです。
また、階段などの段差も子犬の体にとっては大きな負担となることがあります。子犬の場合は特に体を支えるための筋力が弱いので、十分注意してあげましょう。
5.体調不良を放置する
犬はちょっとしたことで下痢や嘔吐をしやすい動物で、健康な成犬であれば安静にして少し様子を見れば治ってしまう場合も少なくありません。
しかし、子犬の場合はちょっとした体調不良も重篤な症状につながってしまうことがあります。食欲不振が続いて低血糖症を起こしてしまったり、軽い咳だと思っていたら肺炎になってしまっていたり、下痢と嘔吐で体力を消耗して衰弱してしまったりすることも考えられます。
少しでも様子がおかしいと思ったら、できるだけ早く動物病院に連れて行き、適切な対処と十分な経過観察を行ってください。
まとめ
とても愛くるしい子犬は、体の成長段階にあり、体力や免疫力、調整能力など様々なものが未熟な状態です。そのため、生活環境をきちんと整えてワクチンをスケジュール通りにこなし、子犬が快適ですこやかに過ごせるように、十分配慮していく必要があります。
たっぷりの愛情で、大切な子犬の心身の健康を守ってあげてくださいね。