犬が直立する時の心理
1.よく見えない
よく見えない時、犬が直立することがあります。
後ろ足で直立すると、少し高い位置から見下げることができますよね。テーブルの上にあるものをよく見たい時、塀の向こうにあるものをよく見たい時などに直立することがあります。
目の前にテーブルや塀があると、手を置くことができ、犬でも直立しやすいですよね。しかし、そう長い時間を直立することは、どうやら難しいようです。
足が疲れてしまうのか、直立したり戻ったりを何度も繰り返すことがあります。
2.早く前に進みたい
早く前に進みたい時、犬が直立することがあります。
お散歩の時に見られるのですが、犬が急ぎ足になってリードを引っ張り、飼い主もリードが緩まないようにと引いていると、犬の前足が浮いてしまうんです。そのため、直立して歩くような姿勢になってしまいます。
ただ直立するだけではなく、後ろ足でぴょんぴょんと飛び跳ねるように歩いてしまうことがあります。
ハーネスでは胸元を痛めてしまいやすく、首輪では首をキュッと締めつけてしまいやすいです。
3.人が喜ぶから
人が喜ぶからと、犬が直立することがあります。
たまたま直立したことがあり、その時、飼い主や家族が喜んだのでしょう。人が喜ぶ様子に犬も興奮し、楽しい!嬉しい!と感じたのではないでしょうか。
犬は人を喜ばせることが大好きです。相手が飼い主や家族であれば尚更のことです。(こうやって立ったら喜んでくれる♪)と覚えてしまい、わざわざ直立して見せるのです。
無理やりさせるのは絶対にやめてほしい理由
後ろ足への負担が大きい
犬が直立することは、後ろ足への負担が大きいです。犬は四足歩行をする動物です。二足で立ち上がるということは、かなりきついはずです。
私たち人間は二足歩行ですよね。試しに四足歩行をしてみてください。すぐに腕や足の筋肉がぷるぷると震えて悲鳴をあげます。そう長くは続けられないはずです。
犬が直立することにも同じくらい、もしくはそれ以上の負担があると考えましょう。
腰への負担とヘルニアの発症
犬が直立することは、腰への負担が大きいです。とくに胴長短足である犬種の場合、他の犬種よりも負担は大きくなります。
胴長短足であるがゆえに、もともと腰に負担がかかりやすいです。そこへ追い打ちをかけてしまうのが無理な直立姿勢です。胴長短足の犬が自ら直立することは滅多にないです。わざわざつらい姿勢をしたくないのです。
犬の直立は犬種に関係なく、ヘルニアを発症するリスクが伴います。芸として直立を教えているのであれば、もう二度と直立の指示を出してはいけません。
怪我をしやすい
犬が直立する時、興奮気味であることがよくあります。関節を痛めたり、捻挫をしたり、怪我をするリスクが高まります。
冒頭では、テーブルの上にあるものをよく見たい時に直立することがあると解説したのですが、テーブルに手を置いた時、滑りやすいです。顎や顔をテーブルに打ち付けてしまうかもしれません。
上手く着地することができず、脱臼や骨折などの大きな怪我をするリスクがあるということも決して忘れてはなりません。
まとめ
犬が直立する時の心理を3つ解説しました。
- よく見えない
- 早く前に進みたい
- 人が喜ぶから
犬が自ら直立する分には構わないと思います。ただ、興奮している時は怪我をしやすいため、飼い主が見守る、やめさせるなど対応してください。
芸として教えることがあると思います。見ている分には可愛らしい芸ですよね。しかし、犬の体への負担はかなり大きいです。
飼い主の喜ぶ姿が見たくて、ご褒美のおやつがもらいたくて、苦痛に耐えながら直立しているのかと思うと、もう二度とさせたくなくなりますよね。
犬に無理やり直立させるのは絶対にやめましょう。