犬を死に至らしめる『悪性腫瘍』3選 危険度の高いガンを解説

犬を死に至らしめる『悪性腫瘍』3選 危険度の高いガンを解説

愛犬が病気と診断されたら誰でも戸惑うもの。そしてその病名がもしも「ガン」だったら…。実はわんこのガンは増加傾向にあります。今回はその中でも危険度の高いガンをご紹介します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

わんこの4頭に1頭はガンで命を落とす

聴診器を咥えた犬

日本人の死亡原因の1位がガン(悪性新生物)であることは多くの人がご存じでしょう。実はわんこの全年齢死因の1位もガンで、実に4頭に1頭がガンで命を落とすと言われています。

ガンとは細胞の中の遺伝子に発生した異常によって発生する組織、すなわち「腫瘍」のうち、異常なスピードで増殖して重要な臓器に転移する「悪性」のものを指します。人間の病気と思いがちかもしれませんが、わんこや猫だけでなく全ての動物に発症する病です。

早期発見がカギ!見逃したくないガンのサイン

チェックリスト

ガンになる原因はさまざまなものが指摘されていますが、「愛犬がなぜガンになったか」を確実に突き止めることはほぼ不可能でしょう。また原因の全てを絶って確実に予防することもほぼ不可能です。

飼い主である私たちにできることは、できる限り早期に愛犬のガンを発見して適切な治療を受けさせることだけです。早期治療で完治できるガンも少なくありません。

下記のような症状が見られた場合には、ガンを疑って動物病院を受診することをおすすめします。

  • 体にできたイボやコブがなかなか治らず大きくなる
  • 傷がなかなか治らない
  • 食事量は減らないのに体重が減る
  • 食欲がなくなる
  • 体臭がきつくなる
  • 元気がなく運動を嫌がる
  • 呼吸が不自然になる
  • 排泄が困難になる
  • 口や鼻などから血や膿が出る

要注意!危険度の高いガン

レントゲン診察中の犬

ガンと一口に言っても、全てがすぐさま死に直結するような恐ろしいものではありません。すでにご紹介したように、早期の発見・治療で完治するものや寛解するものもあります。

ですが下記に挙げるようなガンは特に危険度が高くなっているため、注意と覚悟が必要です。

1.悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は血液のガンの一種で、治療をしないと平均3か月で死に至るという恐ろしい病です。

どこのリンパ節に腫瘍が発生しているかで症状は異なりますが、いずれにしてもリンパ節が腫れる以外にそこまで大きな異常を感じるような症状が出ることが少ないため、発見が難しい疾患でもあります。

あごの下や脇の下、後ろ脚の付け根、膝の後ろのリンパ節を定期的に触り、腫れていないかを確認するようにしましょう。早期発見で抗がん剤治療をすれば生存率を上げることができます。

2.胃ガン

わんこの胃ガンは難治性であり、早期発見・早期手術で治療する以外に治療方法はありません。

特徴的な症状としては嘔吐・下痢、吐血、体重の急激な現象、タール状の便などが挙げられますが、これらの症状が出て診断がついたときにはすでに末期ということも多い病です。ただし発生率自体は極めて低く、全ての腫瘍のうち1パーセント未満と言われています。

3.悪性黒色腫(メラノーマ)

メラノーマは知らなくても、メラニンという言葉に聞き覚えがある人は多いでしょう。メラニンとは毛髪や皮膚の色を構成する色素のことであり、シミの原因物質としてよく知られています。

悪性黒色腫(メラノーマ)はこのメラニンをつくる細胞がガン化した腫瘍で、主に口腔内の粘膜や舌に黒色の腫瘍として発生します。急速に大きくなって発症まもなくリンパ節や肺に転移することがあるうえ、抗がん剤の効果も得にくい極めて悪性のガンです。

まとめ

顔を包まれている犬

いかがでしたでしょうか?悪性のガンであっても、治療によってある程度QOL(生活の質)を維持することは可能です。もし愛犬がガンと診断された場合には必要以上に取り乱すことなく、獣医師と一緒に最適な治療方法を検討することが必要です。

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