大学キャンパスで働くセラピードッグのストレスを調査

大学キャンパスで働くセラピードッグのストレスを調査

近年セラピードッグの活躍の場はさまざまな広がりを見せています。しかし働くセラピードッグたちはストレスを感じていないのでしょうか?調査結果をご紹介します。

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大学キャンパスでのセラピードッグ

サービスドッグのハーネスをつけた黒い犬

セラピードッグと言えば病院や介護福祉施設への訪問が一般的によく知られています。近年になって多く取り入れられるようになって来たのが学校でのセラピードッグとのセッションです。

特に大学のキャンパス内でのセラピードッグのセッションは試験期間中などの学生のストレスを緩和し、メンタルヘルスの改善や中退の防止などに効果が表れていると報告されています。

しかし、キャンパスでのセッションに連れて来られる犬のストレスに関してはどうなのでしょうか?このたびカナダのゲルフ大学の動物生科学の研究者チームが、セラピーセッションに参加した犬について調査を行い、その結果が報告されました。

学生とのセッションに参加した犬の行動を録画

教室内のセラピードッグ

ゲルフ大学では2016年から学生向けのセラピードッグセッションを実施しています。この調査ではセッション中のセラピードッグの行動を観察してストレスを測定しました。

調査対象となったセッションは、12月と4月の試験期間中にキャンパス内で行われた、学生のストレス緩和イベントにおいて実施されたものでした。

合計25組のセラピードッグとハンドラーのチーム、1,155名の学生がイベントに参加しました。各イベントにおいてセッションは1日2回、各セッションでは4組の犬ハンドラーチームと20人の学生が15分間の交流を持ちました。

セッション中の犬の様子はビデオ録画され、家庭での行動と比較してストレス行動の有無が観察分析されました。

犬が示したストレス行動の数々

口周りを舐めている白い犬

録画されたビデオを分析した結果、セッション中のセラピードッグたちにストレスを感じていることを示す以下のような行動が見られました。

  • 自分の口周りを舐める
  • ハンドラーに関わろうとする
  • 耳を後ろに倒す

前の週にセッションに参加した回数はストレス行動の頻度には影響を及ぼしませんでした。しかし先に行われた12月のイベントよりも、後の4月のイベントの方が「口周りを舐める」「耳を後ろに倒す」行動の頻度が低くなっていました。

犬のストレス行動は軽微なものでしたが、ハンドラーがこの微妙な合図を認識し犬のストレスを緩和させることの重要性が改めて問われました。

また後に行われたイベントではストレス行動が減少していたことから環境に対する慣れがストレスを緩和させる可能性が指摘されています。

まとめ

黒板の前のジャーマンポインター

カナダの大学における学生向けセラピードッグセッションで、参加しているセラピードッグがストレス行動を示していたという調査結果をご紹介しました。

人間のストレスを解消するために犬がストレスを感じるというのは本末転倒なので、このような調査が行われ犬の福祉が保証されることは非常に大切です。

2021年にルーマニアの研究者が行った調査ではセラピードッグが仕事にストレスを感じている様子は見られなかったと報告されています。

https://wanchan.jp/column/detail/30320

ルーマニアの研究では行動観察だけでなくストレスホルモンのコルチゾール値も測定された上での結果です。セラピードッグとしての仕事が悪いのではなく、動物が介在する場合には、環境を十分に整える重要性が改めて示されたとも言えそうです。

コンピューターのモニター越しのリモートセッションでもセラピードッグの効果があったという研究結果もありますので、犬に負担をかけずにセラピードッグの恩恵を受ける方法が確立されることを切に願います。

https://wanchan.jp/column/detail/33282

《参考URL》
https://doi.org/10.1016/j.applanim.2022.105659

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