トリミング中にチワワが転落死する事故が発生
可愛い愛犬にはいつまでも可愛くいてほしいものですよね。
人と同じように、犬だっておしゃれを楽しみたいものです。
犬のおしゃれは、可愛い洋服を着せてあげることもありますが、トリミングもおしゃれの重要な要素です。
可愛い服を着せるのは、ペットショップや犬用の洋服専門店に行って、飼い主が可愛い服を探して着せるだけでいいのですが、トリミングに関しては、基本的にはトリマーに任せることになります。
今回の悲しい事故は、このトリマーによるトリミングの最中に起きました。
場所は宮城県。
昨年11月、飼い主さんは、とあるペットショップで愛犬のチワワをトリミングのために預けました。
そして、きれいにトリミングされて可愛くなっているはずの愛犬を迎えに行った、ペットショップで「あなたの愛犬は落下して亡くなった」といわれたのです。
何が起こったのでしょうか?
ペットショップ側の説明はこうです。
「高さ1メートルの台上でトリミング作業にあたっていた際、電話に出るために一旦その場を離れた。戻ると、チワワの首輪が外れていたので、もう一度付け直そうとしたら落下して亡くなった」
との事でした。
当然、納得できない飼い主はペットショップに対して、340万円の損害賠償を請求しています。
可愛がっていた愛犬とこのような形で突然のお別れとなれば、誰だって納得いかないと思います。
ただ、日本の法律では、動物は「物扱い」ですので、このチワワの評価額と治療費くらいしか請求できないかもしれません。
このような悲しい事故は、もう二度と起きてほしくありませんが、それでは、今回、ペットショップ側のどこに過失があったのでしょうか?
ペットショップの過失はどこに?トリミング時の事故が起きないようにするには?
まず、法的な過失についてです。
トリミング時の安全について定める法律はあるのでしょうか?
動物の管理・取扱いの方法や行動指針については、「動物愛護管理法」という法律に定められています。
トリマーは動物愛護管理法の定める「第一種動物取扱業」の「保管業種」に当てはまります。
平成18年から、第一種動物取扱業者は「動物取扱業登録」と登録証の表示が義務付けられています。この表示がなければ、無許可での営業となります。
このペットショップが登録済みか無許可かは不明ですが、たとえ登録済みであったとしても、ずさんな管理をしていたとすれば事故は起きます。
問題は、違法な管理をしていなかったかどうか、とうことです。
第一種動物取扱業者の遵守すべき動物の管理方法細目では、安全について具体的なことは定められていません。
今回のケースは、同細目・第五条・一のうち「逸走(逃げ出すこと)」に関することですが、この項は、逸走させない固定具についてはなく、逸走した際の捕獲体制の整備や個体の入れ替わりの防止について簡単に書かれているだけです。
つまり、今回、ペットショップ側には明確な法的過失はないのです。
法律的に、安全に関する具体的な決まりがないのであれば、ペットショップ側の安全努力に期待するしかなさそうです。
ペットショップ側の安全努力が見えるとすれば、使用しているトリミング用品や作業環境です。
これらについて考えてみましょう。
一つ目は、1メートルの台に載せる事はどうなのか?ということです。
高すぎではないのでしょうか?トリミング台はトリマーが作業しやすい1メートル程度の高さの台に、上方からリードと首輪が垂れ下がっているタイプが一般的です。
記事の内容からも、このペットショップは同様のタイプのトリミング台を使用していたと思われ、特別おかしな台を使用していたわけでもなさそうです。
二つ目は、外れやすい首輪を使っていたかどうか?ということです。
トリミングには大小様々な犬が預けられます。
犬のサイズに応じた首輪を用意していたか、または、犬に合わせて首輪のサイズを調整していたかということです。
三つ目は、作業周辺環境についてどうなのか?ということです。
犬が暴れまわったり、逃げたりした時に対応できるように作業場所周りは広くとってあったのでしょうか?片付いていたのでしょうか?
こういった安全努力は、飼い主がどうにかできることではありません。
飼い主ができることといえば、安全なペットショップ・サロンを選ぶということだけです。
「動物取扱業登録証」が表示されているか、トリミング環境の安全が確保されているか、下見に行ったり、インターネットの口コミや評判を参考にしたりするのもいいと思います。
トリマーは国家資格ではなく、開業しているだけで下手なところもあります。
安全面と合わせて、トリミングの技術レベルを知る意味でも、口コミや評判はとても重要な情報と言えるでしょう。
法律で、安全面について具体的に決められていない分、飼い主側が単に安さではなく、安全面からきちんと店選びをすることで、ペットショップ・サロン業界の競争力が高まり、安全意識が向上します。
飼い主の安全意識はペットショップ・サロン業界全体の安全意識につながっているのです。
まとめ
今回の事故は、法的過失はありませんが、ペットショップは最大限の安全努力をすべきです。
飼い主は、安さではなく、安全なペットショップ・サロン選びを心がけましょう。
それが、業界の安全意識の向上につながります。
ユーザーのコメント
40代 女性 匿名
うちの子はトリミング中に前足の肉球を切られたり鼻を切られことがあります。
お陰で通常のトリミングはできなくなり
今では動物病院で麻酔かけなくてはカットも
出来ない状態です。肉球の時は病院受診してくれたみたいでしたが鼻の時は受診もなく
今日は機嫌が悪くてね…とそれだけです。
それってどういうこと?機嫌の悪いうちの子が悪いの?って感じです❗