命の危険を乗り越えて
土曜日の午前中
診察台でぐったりしているこの子は「ブルーノ」。飼い主が心配そうに頭をなでます。
ブルーノは、オーストラリアのブラウンスネークに咬まれてしまったのでした。このヘビの毒は神経をおかして、筋肉をマヒさせる他、血管や内臓にダメージを与える場合があります。
背後に見える白い筒はきっと、呼吸ができなくなってしまったブルーノに酸素を供給しているのでしょう。機械につながれて、心拍や血圧、血中酸素の量などを常にチェック。
「よだれ」も神経毒にやられた症状のひとつ。ティッシュで口の回りをふきます。同日の午後には酸素吸入器をはずすことができ、容態は安定してきました。
月曜日の夜
日曜日から月曜日にかけて、ブルーノはゆっくりと回復してゆきました。まずは頭や尻尾を少し動かせるようになり、月曜日の夜には、ケージから身を乗り出して病院スタッフに甘えた仕草を見せるように。
火曜日の夜
ケージから出すと、床をはって移動することができるように。まだ足で立ち上がって体を支えることはできません。これで入院3日半です。
かなり危険な状態からやっと脱したことがわかりますね。
退院までの道のりと、毒ヘビ咬傷(こうしょう)の注意
金曜日の夜にはしっかり歩いて、後足で立ち上がって人にあいさつ姿も見られるようになりました!まるまる1週間の入院の後、家族の元に帰ることができました。
ブラウンスネークは日本には生息していませんが、日本にもいくつかの種類の毒ヘビが生息していて、咬まれた場合、さまざまな症状が現れ、治療しなければ死亡する可能性も。
飼い犬が咬まれた瞬間を目撃することは少ないため、ふらついていたりして病院に連れて行っても、診断され血清の処置を受けるまでに時間がかかることもあるでしょう。
病院に血清が常備されていないことも考えられます。ヘビが生息する環境に住んでいれば当然、その他の地域でも、「ダニ」に加えて「ヘビ」の可能性を頭の片隅に置いて置きましょう!
ここにもブラウンスネークに咬まれた犬が
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Animal Emergency Service