この環境で生きのびることは不可能
通報・発見
米国のカリフォルニア、アリゾナ、ネヴァダ3州の州境は厳しい乾燥地帯です。そこに捨てられた母子2匹の犬の保護依頼を受けて、保護団体Hope for Pawsがやってきました。
照りつける太陽光を避けて、2匹は鉄道会社が所有するコンテナなどの周囲をうろついているようです。
娘犬の「エッシー」は、まあまあ人に寄って来てくれるよう。でも、母犬の「フリン」は遠巻きにして逃げてしまいます。
親子でよく似ていますね。
コンテナの下にいついているようなので、そこにもぐり込まないように注意が必要。
大量に持参したプラスチックフェンスやネットを2時間かけて張りめぐらせましたが、その間にフリンとエッシーの親子はどこかへ立ち去ってしまいました。
この日はここまで!2匹はきっと戻ってくるでしょうから、水と食べ物を置いて宿泊施設に撤収です。
翌日の早朝に現場に戻ってきました。通報者のザックとキャサリンも来てくれました。
実はこの2人、以前に保護した「アルヤ」の里親さんですって!牙をむいていたアルヤ~、幸せになったねぇ。
で、この2人には犬たちも多少慣れているというので、まずは2人に昨日作った囲いの中に犬を誘導してもらいます。撮影もお願いしましたよ。
エッシーが来ました。フリンも囲いの中に入ったところで、出入り口を閉じました。
犬たちが食べている間に、ケージなどを整え、抜け穴がないことを確認します。さらにサッカーネットをはって、空間をせばめました。
犬たちもきっと、「なんかヤバい雰囲気…」と感じながらも、まだ食べ物をもらっています。
いざ、勝負!
犬たちは不穏な空気におじけづいて、フェンスの角に座り込みました。協力者の2人には犬から2mほどの所で壁になってもらい、保護団体の女性2人が、ゆっくりとにじり寄ります。
リーダーを含めて人間5人に囲まれ、犬たちも不安そう。
幸いこの子たちは、不安から攻撃的になるタイプではなさそうです。もちろん要注意ですが…。
この手前の子。たぶんエッシーだと思いますが、このあと突然「ダッ」と走り抜けようとしました!そして、リーダーのワイヤリードが素早くエッシーの腰をとらえます。
地面に転がるエッシー。一気に場のテンションが上がります!
フリンは吠えて逃げようとしますが、こちらもつかまりました。つかまって荒ぶる親子が疲れて落ち着くまで少しの辛抱ですが、パニックにおちいっていて危険です。
お互いにも咬みつき合うかもしれませんので、距離を取って待ちましょう!
犬も人も疲れて休戦。もうひと暴れのあと、ようやくケージに引き入れることができました。
ケア
ロスアンジェルスに戻って病院で体を洗います。
こちらはフリン。2匹とも素手でなでられて、おとなしくしてくれました。
やっぱり、暴れたけれど攻撃的ではない親子です。少しずつ恐怖心を克服してくれました。
手前がエッシーで奥がフリン。体を乾かしたあと、とても落ち着いています。
それから
保護した後、まもなく唐突に冬に突入したそうです。
一時預かり施設は雪景色…。フリンとエッシー親子は楽しそうにかけ回っています。
砂漠に近い場所では、気温はめちゃくちゃ下がります。その前に保護できて本当によかったです。
親子の様子を動画でどうぞ。
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掲載YouTubeチャンネル:Hope For Paws - Official Rescue Channel
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