保護犬ポメラニアン サブレとの出会い
サブレが保健所に持ち込まれたころ、既に筆者宅にはペットショップから迎えたポメラニアン1匹と、元保護犬のポメラニアンの3匹の合計4匹のポメラニアンアが居ました。
筆者が無類のポメラニアン好きということは、ご縁を頂いていた保護団体の代表の方にも知ってもらっていたので、保健所からポメを引き出しましたというメールを直接いただきました。
メールに添えられていた写真を見てみると「なんだこの生き物は!」という驚きの風貌。引き出した足で動物病院でメディカルチェックを受けるという内容だったので、すぐに筆者も動物病院へ向かいました。
病院で実際に見たサブレは捨てた飼い主の最後の愛情なのか、きれいにトリミングされたばかりの「ポメなのかどうか」はおろか、「本当に犬なの?たぬきじゃないの?」という疑問さえわくような子でした。
サブレを家族に迎えるまで
余りにも衝撃的な愛らしい見た目で、目にも輝きが宿っており、それなのにお座りの姿から前足の力だけでズリズリとしか動けない姿を見て、いたたまれない気持ちになりました。
メディカルチェックの結果、重度のパテラで膝蓋骨は完全に外れ膝の関節で捻じれている状態で手術をしても無理でしょう。とても難しい手術をしたら「ひょっとしたら」の程度の可能性はあるけど...という診断でした。
何よりも大きな問題は適正体重が3.5キロぐらいの骨格で5.25キロもあったこと。痩せれば3本足で歩けるようになる可能性は高いのではないかという結論になりました。
痩せるまでのお世話は多忙な保護団体の代表よりも時間的に余裕がある筆者の方が適してると判断し、預かりボランティアをすることにしました。
預かり期間中に一度良いお話しをいただきトライアルに行ったサブレでしたが、先住犬との折り合いがどうしてもつかず出戻ってくることになりました。ですが、もう悲しい思いをさせたくないという気持ちが強くなり、筆者宅で家族として迎えることにしました。
サブレを家族に迎えてから
元飼い主はサブレを保健所に持ち込みましたが、体型をみても散々甘やかされたのは明らかです。サブレは保護当時から大好きな飼い主さんと離れたことがショックだったようで、ご飯を食べない日々が続きました。
おかげでダイエットは捗りましたが、自宅の近くを老夫婦が散歩している姿を見たサブレは、必死に窓際まで急いで向かい「ボクはここだよー、おとーさーん」と鳴き叫びました。
その時初めてサブレの声を聞いたので、余りにも切なくサブレを抱きしめながら「サブレの家はここだよ」と伝えるのが精一杯でした。
それからはサブレも何かを察したのか、過去は捨てたのか分かりませんが、筆者宅に日々馴染み、甘えることも、ご飯を食べることもできるようになりました。
サブレも一緒に幸せな日々を1日でも長くと願いながら生活していましたが、酷い太らせ方をされた過去により重度の気管虚脱と心臓病により、保健所から保護してから4年半で亡くなってしまいました。
保護犬だって家族になれます
子犬から迎えた子とは違い、保護犬は一緒に居られる時間が短いかもしれません。それでも、一度棄てられた経験や、愛に飢えている子達は一生懸命人に愛されたいと甘えます。甘え上手な子が多いと思います。
子犬からじゃないとトイレの躾とか覚えないんじゃないか?と思う人も多いかと思いますが、成犬からでもシニアからでも、犬はちゃんと覚えます。
愛情を注ぎ、一緒に躾を頑張ることで家族としての絆は強くなっていきます。最高の相棒になれますよ。