ペットショップにいた保護犬。晩年懸命に生きたあの子が遺したもの

ペットショップにいた保護犬。晩年懸命に生きたあの子が遺したもの

コロナ禍で時間が出来たから...とペットショップへ向かう人たちへ。その前に救える命がある事を思い出してみてほしい!本当にあなたを必要としている子たちに目を向けて欲しい。この記事がそんなきっかけになりますように

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壮絶な晩年を過しながらも強く生き抜いたワンコ

運命的な出会い

数々の偶然が重なってあの子と出会えたあの日の事は今も鮮明に覚えています。友人が犬を飼い始め程なくしてその犬を購入したというペットショップへ2人で何気なく立ち寄ってみた...可愛い子犬達がはしゃぐ中に明らかに毛艶の悪い犬が端のゲージで寝ていました。偶然にもその子は当時我が家に2匹いたワンコと同じパピヨンでした。タグを見ると値段はなく「保護犬」の文字。年齢は推定12歳の女の子。乳腺手術済でした。

子犬目的のお客さんからしたらどこを取ってもデメリットしかない表記でした。私が目の前に立つと、起き上がりこちらへ目をキラキラさせてしっぽを振って寄ってきました。その時スタッフから、飼い主さんがお金と一緒に保健所に連れてきた子だが、愛嬌もあるのでもしかしたら新しい飼い主さんが見つかるかもと保健所の方が連れてきた犬だと聞かされました。

そのペットショップは全国チェーン店で保護犬は飼い主が見つからないとたらい回しにされていること、その上この子は老犬なので条件的に厳しいので次は別の店舗に行くか保健所に戻されるかは上の者が決めるというではないですか!今覚えばその時にはもう連れて帰ろうと思っていた気もします。

しかし家にはオスの老犬が2匹居て相性も気になるしメスを受け入れたことがないので自信もなかった私は娘を呼び付けました。娘はこの子の話を聞いて顔を見るなり「連れて帰らない理由がない」と一言。その言葉で決心しました。

しかし小さいゲージに入れた途端聞いたことのない叫び声のような鳴き声を出しました。恐らくここに入れられたらまた怖い思いをすると思ったのでしょう
1度車を取りに帰り娘に抱かれて大人しくなった姿を見て(この子の余生は幸せにしてあげよう)と思いました。

初めての対面

先住犬たちとの生活

連れて帰ってきて戸惑ったのは家にいたオスの2匹たち!匂いを嗅いで吠えてみたり周りをウロウロしてみたり...なのに女は強い!この子は動じず疲れたのか良さそうな所を見つけてスヤスヤ寝てしまったのです(笑)。

思いの外二匹もすぐに受け入れてこの日から老犬三匹の生活がスタート!きっと大切に飼われて居たのだろう...人馴れもしているしトイレの場所もすぐ覚えてくれた。無駄吠えもしないし子犬を一からしつけるより断然楽でした。

散歩慣れはしてないらしく、最初は全然歩かずに居たけれど他の2匹に煽られて散歩の楽しさも覚えていきました。いつの日にかリードを見せると、他の2匹を押しのけて我先にとドアへ向かうほどに成長!

3匹で散歩

皆若くないからかお互い絶妙な距離を取り、穏やかに過ごし散歩のペースもゆっくり、食べる餌も同じ。これが若い犬を連れて来たらペースが違って先住犬たちのストレスは相当だったかもしれない。保護犬を引き取る時は、自分の年齢や先住犬がいる場合にその子たちの年齢に合わせて連れてきてあげるのも、後々お互いの為なのかもしれないと思いました。

3匹でご飯

幸せ感じてくれたかな?

最初は怯えたような目をしていた彼女も、1年も経たず穏やかな表情に変わってすっかり我が子になっていきました。冬は先住犬を真似て、恐らく初めてのコタツに入り3匹で眠ったりしていました。時にはどちらかのお兄犬と寄り添って寝ていたり...3匹が当たり前になって、1年半過ぎた頃目が白濁してきました。

すっかり馴染んでいる様子

あちこちぶつかるようになったので100円ショップで赤ちゃん用のガードクッションを買って彼女の動線につけてあげました。彼女はよく見えなくても何も動じず、ガシガシ動き回ったり匂いで美味しいものを嗅ぎつけたり、大好きな人のそばに寄ってきたりと気にしていない様子。晩年壮絶な人生?を送ってきた彼女にはどうってこと無かったのかも知れません。

目が見えなくなった頃

しかし、その日は突然やって来ました。朝から元気でご飯もよく食べてお散歩もいつも通り。夕方少し苦しそうに寝ているな...と思っていたら突然「キャインッ!」と叫び便を噴射。驚いて慌てて動物病院へ行くと「この子もう意識ないよ」と獣医さん。信じられず娘と泣きながら名前を呼びました。

獣医さんが「このまんまだと可哀想だから薬使う?」と提案してくださいました。晩年頑張って強く生きてきた注射嫌いの彼女に、最後に痛い思いさせるのは嫌だとためらっていましたが、獣医さんが聴診器を当て「あぁ、このまんま逝くかな」と判断しました。

娘と「ありがとう。よく頑張ったね。」と何度も声をかけて最期を看取りました。きっと辛い思いをして彼女のために、神様が最後は楽に逝かせてくれたのかなと思います。最期はきちんと火葬し、お骨は家に置いて今も彼女を感じながら生活しています。遺された二匹のリードに彼女の首輪をつけてお散歩も一緒です。

2年も一緒にいれなかったけど彼女を迎え入れて後悔はしていません。怖い思いをたくさんしたであろう彼女が少しでも幸せだと思ってくれたらと切に思います。

まとめ

近年のペットブームでペットショップに行き、小犬を見てる人達に一度保護犬を引き取るという選択肢もありますよ?と声をかけたいです。小さくて可愛い子犬はあなたじゃない誰かが幸せにしてくれるかもしれないけど、辛い思いをしている保護犬はあなたしか幸せに出来ないかもしれないですよ?と。

保護犬なんて私は無理。と思う人は大半でしょう。もしかしたら長く一緒にいれないかもしれません。でも私は保護犬を引き取って毎日幸せでした。明らかに日に日に表情が変わり、人や周りの犬たちを信用できるようになり安心してくれてる彼女を見ていると「私も誰かを幸せに出来る」と自分も幸せな気持ちになります

きっと保護犬施設ではあなたを待ってる子がいるはずです。一度懸命に生きようとする保護犬に目を向けてみてください。何かがきっと変わるかもしれませんね。

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