当時の老犬の状況
ある日、ガリガリにやせ細った雑種の犬が保護センターに収容されました。推定年齢10歳前後の様でした。
痩せている割には食欲旺盛で、ご飯を差し出すとあっという間に完食してしまいます。短時間なら歩けるので、まだ寝たきりの状態ではなく足の筋肉が落ちないようになるべく歩かせていました。
ところが、やはり横になっている時間の方が長いので足の付け根に褥瘡ができてしまいました。毎日、蒸留水で洗浄して軟膏を塗っていましたが、なかなか改善しませんでした。
できれば、一日数回洗浄した方がいいのですが、収容頭数が多いセンターでは1匹にかける時間は長くはありませんでした。
その老犬を引き取るまで
その当時、我が家には3匹の犬がいました。その老犬の件は聞かされていたのですが、4匹の犬の世話をするのは...なかなか大変です。引き取りたい気持ちはあったのですが、踏み切れずにいました。
でも、一度様子を見に行って痛々しい褥瘡の傷を見た時引き取りを決心しました。我が家の犬としてではなく、ボランティア団体を通して終生の犬として引き取りました。
現在の生活
引き取ってから褥瘡が良くなるまでには、約2ヵ月ほどかかりました。洗浄する時は痛いだろうに、全く抵抗もせず大人しくしていました。
1か月くらいは後ろ足の筋肉が落ちていたので歩くのが多少難しく、散歩や排泄の時は身体にタオルを巻いて足を支えていました。
また、1日に数回は歩かせました。そのおかげで、後ろ足の筋肉が少しずつ付いてきて、寝たきりにならず支えもなしに普通に散歩できるまでに回復していったのです。その頃には褥瘡もきれいになり、どこが傷だったのか分からなくなっていました。
我が家へやってきて3年半くらい経ちますが、毎日元気に散歩をして過ごしています。
保護センターの犬を引き取る事
そのほとんどは飼い主が居たであろう犬達です。何らかの原因で迷子になってしまったり、家から抜け出してしまい飼い主のもとには戻れない犬達がたくさんいます。
犬や猫を飼いたいと思った時は安易に実行するのではなく、まずペットを飼える状況なのかとか、育てていくのにどのくらいの費用が必要なのかとか、きちんと考えてから飼育しなくてはいけません。ペットとの暮らしはいろいろな面で楽しく、かけがえのないものですが、家庭の状況をしっかりと考えて飼わないといけないなと感じます。