広い世界を、彼女は見つめ続けた
通報・発見
この子は生まれてこの方、ずっとこうして鎖につながれています。
ギリシャ・クレタ島の保護団体Takis Shelterが犬を引き取りに来ました。
疥癬という皮膚炎にもかかっていて脱毛し、耳なんかもちぎれています。繁殖目的ではない一般家庭にみられる典型的なネグレクトですね。
バケツの水はコケで緑色、小屋の周りはフンだらけ。日本でもありそうな光景です。
この子が小屋の屋根にあがっているのは、少しでも遠くを見たかったからでしょう。
目の前には空と丘が広がっているのに、この子はずっと鎖につながれて生かされていました。
自分が子どもの頃から鎖につながれていたら…と思うと、やりきれません。
近所の人の通報でネグレクトが発覚し、警察からタキス・シェルターへ保護依頼がされました。
いまわしい首輪と鎖をはずして、皮膚炎を改善する薬をスプレーします。
シェルターに来た「ミルト」は、多くの犬たちに臆することなく落ち着いています。
タキスさんは、素敵なギリシャ語なまりの英語で「君は美人になるよ!」
後日の映像。体毛がずいぶん生えそろってきました。
タキスさんが「おいで、ミルト!」と呼ぶと一目散にやってきて、仲間の犬が横から飛びついてこようが、タキスさんの腕の中にとび込みます。
「ブラーヴォ、ミルト、ブラーヴォ!」
他の犬たちもそれぞれタキスさんにあいさつしようと、争うように寄ってきます。
タキスさんを他の犬に譲って、ミルトは仲間と遊び始めます。
とても遊び好きな子。この元気、このスピリットを鎖でつないでいいわけがありません。
遊んでいるミルトたちがあんまり楽しそうで、どんどん犬たちが集まってきます。輝いていると、そこにみんなひかれるのですよね。
その後
動画撮影の時点で、ミルトはまだ里親さん募集中。
ミルトの輝きはシェルターを訪れる人たちも魅了して、きっと今頃は、素敵な家庭で暮らしているんじゃないかな、と思えます。そうだと、いいな。
動画を見ることは保護支援にもつながります!
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Takis Shelter