恐れる犬に忍耐と愛情を
通報・発見
犬の保護依頼を受けて、ロスアンジェルスの保護団体HOPE FOR PAWS が到着しました。
住宅の前庭の茂みに隠れるように寝ているのだそうです。で、探してみると…いた!
とても大人しそう。「そんな所でどうしたの?」なんて声をかけながら手を伸ばしてみると…
ガーッ!!!
ひえー!
でもこんな反応も見越していた保護団体リーダーは動じません。さっと手を引っ込めて「No! No!」と制します。
おやつをあげてみましたが、ペロッと舌を出すだけで、あまり興味を示しません。ごはんはたっぷりもらっているのでしょう。
この時、リーダーは強い逆光を受けていて、実は犬の表情がよく見えていなかったのです。
そうでなければ、きっとこの時点で犬の目つきがおかしいと気づいたことでしょう。この子、ほぼ盲目だったのです。
咬みつく犬に忍耐と愛情で接近
早々につかまえるべきと判断して、ワイヤリードを使うことにしました。
意外にも犬は最初は抵抗せず、というより無反応で、頭に輪を通すことができました。でも輪が徐々に首回りに締まってくると、またガッと歯をむく動作を繰り返します。
リーダーは、どこかケガをして痛みがあるための反応かと思ったそうです。
そうではなくて、よく見えない「敵」につかまる恐怖と戦っていたのですね。
赤い毛布で触れても、反射的に毛布に咬みつきます。この調子では危険で抱えることもできません。
焦らず、犬に寄りそって、信頼してもらう必要があります。
犬はまだ発作的に咬む動作を繰り返しますが、なだめつつ、茂みの外へ誘導しました。
立ち上がらせて歩かせてみると、想定したようなケガはなさそう。
リーダーは地面にあぐらをかいて、少し落ち着いた犬をひざの上に誘導しました。
そしてなんと、とても時間がかかって大変だった保護活動の思い出話を、5歳の子どもにするように語るんです、この子に!「デイジーって子がいてね…」そう来たかあ。
デイジーの保護の様子は、わんちゃんホンポでも以前『人を信じない成犬を時間、人手、お金をかけて保護!全ての犬にその価値がある』という記事でお伝えしました。
今回の動画では黄色い枠内が、その時のデイジーの様子です。それを理解して聞いているようなこの子の表情も秀逸!
実際は話の内容は理解しないでしょうが、ただこの人の体臭や声のトーンを敏感に感じ取って、犬はこの人が敵か味方か察知しているのでしょう。もちろん、味方です、大の味方ですよ。
こうして発作的な咬みつきはおさまり、「ドリトル」と名付けられた犬は、すっかりしおらしくなりました。
車に乗せると、みずからひざの上に乗ってきます。この流れは、ぜひ動画を見てください。
ケア
まずはサロンで汚れた体毛をごっそり刈りました。
すっかり落ち着いたドリトルは、毛刈り中にもおおあくび。それから体も洗ってさっぱりしました。
サロンでの処置中に、盲目に近いことがわかりました。
サロンに居合わせた子と遊びだすドリトル。ほんの2,3時間で、ここまで態度が変わるのですね。
忍耐と愛情の力は、いつもながらすごいなあ。
それから
驚きの変化はまだ続きました。この後、検査を経て、ドリトルは視力回復手術を受けたのです。
新型コロナ対策のために手術中の撮影はできなかったのですが、その後のドリトルの様子から視力が大幅に回復したことがわかります!
物がよく見えず、茂みに丸まって攻撃的になっていた姿からは想像もつかないような、リラックスし自由なドリトルを動画でご覧ください。
笑っちゃうほど元気です!そして、ドリトルと里親さんの早期の出会いを祈りましょう。
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Hope For Paws - Official Rescue Channel
Hope for Paws
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