取り返せない失ったものと、これから築くもの
レスキュー
女性が背中に背負うバックパックからのぞいているのは、「パイパー」です。
米国オハイオ州で見つかったひどいネグレクトのケースで、150匹近い犬、20匹近い猫とともに、パイパーも救出されました。
「水も食べ物もありません。そこら中に下痢便が広がっています」とは、動物愛護団体The Humane Society of the United States(米国動物愛護協会)の救助者のことばです。
パイパーは、耳が聞こえず、片目がつぶれて、歯はほとんど全て失っていました。
「生きているとは言えません。ゆっくりと死んでいる途中です。」
「立つこともできません。骨と皮です。」
里親さんとの生活
そしてこの女性、ジュリーが、保護後のパイパーの里親さんに名乗り出てくれました。
それ以来、パイパーは毎日、少しずつ歩く距離を伸ばしています。でも、他の犬たちと一緒に散歩は難しいので、ジュリーのバックパックに入ります。
街の人たちがパイパーを見て声をかけてくると、ジュリーはパイパーが経験した地獄のような日々を説明します。
パイパーは、毎朝のごはんをとても楽しみにしています。
『楽しみがある』ということが、犬にとっても生きる上でどんなに大切なことでしょう。
しっかり自分の足で立っていますね。
町の人に知ってもらうこと
ジュリーとパイパーは、今日も他の犬たちと一緒に散歩に出て、好奇心のある人には、「この子、保護犬なんですよ」と教えます。
パイパーは今、ネグレクトを知らない人たちに事実を伝えるアンバサダーです。
最後に
ジュリーは言います。
「こんな子の取扱説明書はありません。毎日が手探りですが、パイパーと一緒に答えを探しています」
「ひどい経験を埋め合わせることはできないかもしれませんが、幸せを感じてほしい」
動画を見ることは保護活動支援につながります。
※こちらの記事は動画の制作・配信をしている団体より許可を得て掲載しております。
動画制作者:The Humane Society of the United States
掲載YouTubeチャンネル:The Humane Society of the United States