心理①落ち着く場所をつくりたい
元々犬の穴掘り行動は、巣穴をつくるために行われていたものです。犬の祖先と考えられる動物たちは、身の安全を守るために地面に穴を掘って巣穴やねぐらをつくっていたと考えられています。そのため、自分が寝る場所や落ち着いて過ごす場所を確保したいとき、本能的に穴掘り行動をすることがあるのです。
室内のベッドやソファ、布団の上など、実際に地面に穴を掘ることができない場所でもその場をホリホリする様子は多くの犬が見せる行動です。その場をホリホリしたり、クルクルと回ってその場を踏みしめたりすることで、寝心地のよい場所をつくっているのでしょう。
飼い主さんがせっかく整えたベッドをぐちゃぐちゃにしているように見えることもありますが、それが犬にとっては最も寝心地のいい状態なのだと考えて見守ってあげてください。
心理②ストレスが溜まっている
前述した通り、犬にとって地面をホリホリするのは本能的な行動です。安全で寝心地のいい巣穴をつくるためや大切な物を隠すために行っていた行動なので、現代の犬も自然に行います。
犬が明確な意図や目的なく、本能的な行動を繰り返すときはストレスが溜まっていたり、運動不足や欲求不満になったりしていると考えられています。
そのため、寝床を整えているわけでもなく必死になってホリホリしてるときは心身の欲求が満たされておらず、ストレスが溜まっていてそれを発散しているのかもしれません。これは穴掘り行動だけでなく、吠えたり走り回って暴れたりする行動として現れることもあります。
特にダックスフンドやテリア系の犬種は、土の中にもぐって狩りをしていた犬種なので、穴掘り行動の本能が強く残っていることがあります。そのため、ストレスが溜まって欲求不満に陥ったときに、穴掘りをすることで発散することが少なくありません。
心理③遊びたい、構ってほしい
ホリホリと穴を掘る行動は、犬にとって遊びのひとつでもあります。楽しい気持ちが高まってテンションが上がってしまうと、その場を掘る行動をする犬は少なくありません。そのため、目的はなく、掘っている行動自体が楽しくて繰り返していることもあります。
また、犬がホリホリしている姿を見て、飼い主さんが笑ったり、やめさせようとして抱っこしてくれたりしたことで、その行動を繰り返すようになることもあります。「ホリホリすれば飼い主さんが構ってくれる」と学習して、遊んでほしいときや自分に注目してほしいときなどに穴掘り行動をするようになるのです。
もし、犬の穴掘り行動をやめさせたいと考えている場合は、静かに別の場所に誘導したり、音で気を引いたりして過剰に反応しないように注意しましょう。
まとめ
犬がホリホリと穴を掘るのは、祖先となる動物たちが行っていた行動の名残です。巣穴づくりや大切なものを隠すために行っていた穴掘り行動ですが、今では様々な理由でその行動を見せることがあります。
巣穴づくりの名残として寝場所を整えるために、ベッドや布団の上でホリホリすることは多く、それ以外にも遊びの一貫として行ったり、ストレス発散のために行ったりします。傷つけられて困る場所などでない限り、特にやめさせる必要はありませんが、その行動の原因を考えることは必要だと思います。
ストレスが溜まっているのであれば散歩やコミュニケーションを見直す必要があると思いますし、構ってもらうために掘っているのであれば別のアピール方法を教えた方がいいでしょう。穴掘り行動をやめてほしい場合は、掘り始めたら無視をしたり、静かに別の場所に誘導したりするようにしましょう。