犬が死んでもかまわない。どんどん増えるから。
アラバマ州内で警察が3つの違法な闘犬繁殖施設を摘発した際、協力した動物愛護団体The Humane Society of the United Statesが成犬や子犬を合計31頭保護しました。皆、重い鎖につながれっ放しであったり、狭いオリに監禁されていた状況です。
摘発
警察車両や愛護団体の大型トラックが到着し、施設の見分と犬たちの保護が始まります。
この白犬は人が来たことが嬉しくて、鎖をジャラジャラ鳴らして動き、尻尾を振ります。
こちらにはオリに監禁された子犬たち。闘犬としての短い一生が運命づけられていました。
子犬たちはオリの中にまとめられていて母犬や他の成犬との交流がなく、社会性を身に着ける機会を奪われていました。社会性がない方が、闘犬として使いやすいのかもしれません。
手前の子は鎖から放たれて、まだつながれている子の元へ一目散にかけ寄り、抱きつきました。ずっとこうしかったのかもしれません。
この施設の異常性は、下の静止画1枚に十分に表れています。手前から伸びる重い鎖につながれた茶色の犬が奥に隠れていますが、その鎖の途中には、金属の「おもし」が重くかけられているのです。この子はその重みの下でもがいていたそうです。
この状況を理解しようとしているかのように、震えながらじっと見つめる犬。犬たちは、鎖がはずされるとホッとした表情を見せると、保護活動に参加した愛護団体職員は語ります。
極端にやせ衰えた子…
何かの感染症が放置され、顔がはれあがってよだれを垂らしている子…。この子はまだ子犬ですよ。
犬たちは闘犬ショーで互いを傷つけ合い、その後放置されて死んだり、普段のネグレクトの中で死んでいきます。遺体は回収し処分すればいいだけ。犬はどんどん繁殖するのだから。そこには何の感情もありません。
犬とみられる骨を見つけた警官と愛護団体の職員たちが、現場の状況を記録してゆきました。やるせなさが背中に漂います。
最後に
この摘発は、連邦と州の司法・行政、動物愛護団体が協力し、米国南部の3州で合計367頭の犬を救出した大規模な摘発の一環と思われます。わんちゃんポンポでも関連動画をご紹介しました。
今回の施設の摘発では、現場で逮捕者が連行されました。でもこの個人の後ろに、もっと大きな闇が口を開けているのかもしれません。
闘犬を喜ぶ観客がいるということが大きな問題です。人間っていったい…。こちらが人間不信になりそうですよ。
この一連の大がかりな摘発で救われた犬たちに、自由と愛情がたっぷり注がれますように。
動画を見ることは保護活動支援につながります。
※こちらの記事は動画の制作・配信をしている団体より許可を得て掲載しております。
動画制作者:The Humane Society of the United States
掲載YouTubeチャンネル:The Humane Society of the United States